書店をたずねて三千里

最新の記事5件

このコーナー内を検索

月別一覧

島森書店大船店にて“わが社の選りすぐり本”フェア開催!!

2010 年 6 月 3 日 木曜日

5/24より、島森書店大船店にて“わが社の選りすぐり本”フェア開催中!!

店長の田中さんの企画で、毎月2社~3社によるブックフェアをレジ前のフェア台にて開催しております。
今月は我が社「彩流社」と、同じ飯田橋のライバル!?「現代書館」、そして平和の棚の会の同志!?「梨の木舎」です。

_____________________6.JPG
レジ前の一番いい場所にあるフェア台にて、小出版社ばかりのフェア“わが社の選りすぐり本”を開催中!!
田中店長は、そうとうな目利きで、店長が作成するオール手書きのフェア配布用小冊子はぜひ一読していただきたい本当に素敵で読み応えのある冊子です。

_____________________5.JPG
永遠のライバル(弊社のほうが勝手にそう思っている)!? 現代書館との一騎打ち。結果はいかに。

_____________________2.JPG

_____________________4.JPG
島森書店大船店の客層にあった選書、古代史関連書を中心に並べていただきました。

_____________________1.JPG
文士のような風貌!?の田中店長。
まさに書店員のなかの書店員。
書店の“棚”にまつわる面白い話をたくさん聞かせていただきました。

このフェアは5/24~6/25頃まで開催予定です。

「島森書店大船店」
住所:神奈川県鎌倉市大船1-9-5
交通手段: JR大船駅(東海道線 横須賀線 根岸線)
電話:0467-46-3841
FAX:0467-47-1154
休日:元旦
営業時間:10:00 ~ 22:00 (休日)10:00~19:00

ぜひみなさまも島森書店大船店へ!!

文責:春日俊一

『越後 毒消し売りの女たち』行商記

2009 年 6 月 25 日 木曜日

昨年8月『越後 毒消し売りの女たち』を営業するために新潟に出張した。

echigodokukesi.jpg

なかなかまとまった時間がなく、ずっと書き上げられなかったものだが、とても思い出に残る、営業マン魂に火を点けさせられた出張営業だったので、どうしてもいつか発表したかった。
例によってまたかなりの長文になるが…どうかお許しを。

私は、新潟県には過去に一度も営業に行っていない。今回が初だ。
数軒、ずっと小社のDMに反応してくださり、注文をし続けてくれている気になる書店があるのだが、いまだ訪問適わず。不徳の致すところだ。

そして、その好機がやっと訪れた。新潟県にとても関わりのある本が発売になったのだ。
そう『越後 毒消し売りの女たち』である。
この本のゲラをはじめて担当のS編集長からもらってざっと読んだ瞬間、「これは間違いなく売れそうだ!」と久しぶりに(笑)に強く感じたのである。

舞台は、現在の新潟県新潟市西蒲区。角海浜と呼ばれる浜がある。

本の内容説明をしよう。
特異な運命を辿った集落の歴史を追う謎解きの旅!「毒消しゃいらんかね」宮城まり子の唄で歌われ、越後の美しい女たちが全国をけなげに毒消し(腹痛薬)を持って行商した村は消滅した。その村には意外な歴史が秘められていた…。

この行商の村があった場所、それが角海浜なのである。
とても興味をそそられた。

この浜を訪れた話は最後にとっておこうと思う。

先に新潟の営業の話をしたい。

今回も恒例の、本を車に載せ、書店を訪問営業したその場で、注文をもらった数の本を仮伝票を切って即納品するという方法をとった(通常、出版社の営業マンが書店営業をする時は、注文書に書店の仕入れ担当者から番線印(書店さんが持っている書店名とコード番号等が彫られたハンコ)を捺してもらい、それを会社に持ち帰ってから、その注文書を、該当する本につけて取り次ぎ(問屋のような会社)に渡し、その取次ぎから、注文をもらった書店に本が納品されるという流れをとる)。
この場合のメリットは流通過程で取次ぎを通さない分、早いし確実に本を並べてもらえる。
そして、本を直接見せて、しかも遠方からわざわざ持ってきたとなると、本屋さんの対応も少しは違ってくるし、こちらの熱意も伝わる。宣伝力が無い、ヒット作が無い等で無名社で、しかも小部数なので地方の書店に配本されないなど、弊社のような小さな出版社の場合は、特にこれらのことが重要になってくると思う。

私の自家用車、スズキ・アルトラパンに『越後 毒消し売りの女たち』を200冊積み込む。
わりと重量が軽い本なので、あまりラパンも苦しそうではなさそうだ。

《8月6日(水) 出発前日・当日 営業第一日目》

(※撮影と営業について本ブログに掲載の許諾を得た書店のみ担当者様名を掲載した。)

出発前日の夜、会社で本を積み込み、一度自宅に帰る。そして当日、自宅から新潟に向け出発した。

新潟に車で行くのは、プライベートを含めて、今回が初であり、果たしてどれぐらい時間がかかるのか、ネットの高速道路情報のサイトとかでざっとしか分からない。
「とにかく行くしかない」という思いで出発する。

自宅を出発し、外環の入り口に向かおうとするも、いきなり渋滞にはまる。まずい…このままだとどんどん到着がおくれてしまう…心配だ。
すこしするとやっと車は流れ出し、やっと外環の入り口にたどり着いた。
外環はかなり混み合っている。それでも50キロぐらいで走り続け、やっと関越との分岐点に差し掛かる。
さあ、一路新潟県長岡市に向けて時速100キロでダッシュだ。
関越道は東名とかと比べると、やはり空いている感じだ。

東松山、花園、藤岡、高崎、前橋と、あっというまに過ぎていく。だんだん山が増えてくる。渋川伊香保、赤城、昭和、沼田、月夜野、水上、そして谷川岳が見えてくる。関越トンネルだ。
関越トンネルと抜けると、湯沢に出る。そして、いよいよ新潟県に入る。塩沢石打、六日町、小出、堀之内、越後川口、そして小千谷。だいぶ運転も疲れてきた。結構遠いなあ…。もう少しで最初の目的地、長岡だ。

074.JPG
長岡到着

やっと着いた。思った以上に遠かった。
今日は天気が良くて、かなり暑い。
長岡駅の隣にあったパーキングに車を止める。

076.JPG
長岡駅

う~ん…最初にどの書店に行こうか…。持ってきた地図と書店リストを見比べながら考える。
とりあえず最初は長岡駅ビル内にあると思われる文信堂長岡店を訪問する。広さ的には中規模の書店ではあるが、人文書の棚もちゃんとツボをおさえた品揃え。これはいけそうな予感…。
店長のHさんに対応してもらう。突然のアポ無し訪問にもかかわらず、忙しい時間に快く対応してくださる。
『越後 毒消し売りの女たち』を5冊注文いただき、さっそく直納。POPも付けてもらう。
売れることを祈る。

次に訪問した書店は、長岡駅前の商店街の中にある文進堂(先程の書店と読みは同じだが字が違う)。
店長の五十嵐さんはとても気さくな方で、ここも初の訪問にもかかわらず、一人で切り盛りして忙しいなかに快く対応してくださる。
超大型書店が出店しまくっている昨今の書店の規模からすると、小規模と呼ばれる書店ではあるが、郷土本コーナーがとても充実しており力を入れているようだ。
さっそくその郷土本コーナーに『越後 毒消し…』を3冊面陳で置いてもらう。
長岡の景気や書店の状況についていろいろと教えていただく。やはりかなり状況は悪くなっているようである。老舗の書店が次々と無くなり、この商店街もどんどん活気がなくなっていっているようだ。
途中白人の留学生らしき一団が来店。店長は英語で話しかけながら、長岡の観光についてかかれた冊子などをプレゼントしたりしていた。

078.JPG
持参したPOPを貼り付け、郷土本コーナーに面陳していただく

079.JPG
気さくに対応してくれた五十嵐店長さん

次に訪問したのはK書店外商部。かつては店舗も構えていたらしいが今は外商部のみの商いとのこと。
特に地元本についても積極的に営業していないようで、お客様から注文があった場合のみの対応とのこと。とりあえずチラシを渡して早々に引き上げる。

あっという間に日が暮れ始める。
早いものだ…。

長岡は旧帝国海軍、連合艦隊司令長官の山本五十六が生まれた街であり、復元された生家や記念館があるらしいが、時間が無いので今回は行くのを諦める。

次に長岡駅近くの商店街内にある書林長岡を訪問する。
この書店は、長年弊社の新刊DMに返信をいただき、少しずつでも弊社の本を売ってくださってくれていた書店だったので、一度は訪問してご挨拶をと思っていたが・・・、とても残念なことではあるが、まさにこの8月で店を畳むとのこと。ギリギリ最後の最後でご挨拶できたが、本当に最後のご挨拶になってしまった。
土田社長は18歳の時から書店員をしてきたとのこと。今では80歳。「日配の頃からこの業界を見てきたが、もうそろそろ書店で売るのは厳しいし、年齢的にももう潮時。今月いっぱいで店を畳みます」との淋しいお言葉。まだまだとても元気そうだが、もう疲れたらしい。取次ぎの問題、大手版元の問題など、1時間以上語り続ける。出版業界の生き字引のような書店員の話を最後に聞けたのは貴重な体験ではあった。
『毒消し売りの女たち』は閉店までの3週間で売るとのことで、3冊注文をいただき直納する。
最後の最後まで、本当にありがとうございました。

もう日は完全に暮れてきたので、最後にこの商店街とは反対側の東口に最近出店した宮脇書店長岡店を訪問する。
東口は商店街もほとんどなく、ちょっと寂しい感じだが、そんなところになんと700坪もある巨大な宮脇書店が出店していた。
対応してくれたTさんはとても気さくな方で四国から転勤されてここで働いているとのこと、まだまだ客入りも少ないが確実に硬い本も売れているらしい。

郷土本はぜひ売りたいとのことで、突然の訪問にもかかわらずTさんはすぐに10冊も注文を出してくれた。さっそく直納。郷土本コーナーに平積みしていただく。

もう夜遅くなってきたので、本日の営業はここまで。
これから高速道路を飛ばして、新潟市に移動。
予約してあるホテルを目指す。

●出張第一日目の売り上げ
『越後 毒消し売りの女たち』×21冊(直納・返条付注文(一部3延べ)扱い)
計37,800円なり。

《8月7日(木) 営業第二日目》

新潟駅のすぐ近くのホテルで一泊。
出張二日目の朝は、まだまだ先が長いので、緊張していて疲れもとれないことが多いが、今回も同じだった。
かなり体がダルイ・・・。
まだまだ大きな成果も出ていないので、テンションを上げていきたい。

081.JPG
新潟駅

午前中は新潟駅前に一年前オープンしたジュンク堂書店新潟店を訪問するが、担当者が不在だったので明日営業することにして、新潟駅ビル内にある文信堂ココロ本館を訪問。
50坪ぐらいのそれほど大きくはない書店ではあるが、担当者のTさんは弊社の新刊DMを毎月見てくれていて、この店で売れそうなものがあるときは、ちゃんと注文を出してくれていた。Tさんは「毎月DMは必ず見てますよ。うちで置けるような本があったら注文してますけど、滅多にないかな(笑)」とのこと。
こんな地方の小さい書店でも弊社のDMをちゃんと毎月見くれている書店員が、こうして本当に現実にいる。こういう店でも売れる本をもっと作らねばとも思った。
『越後 毒消し売りの女たち』を3冊注文をいただき、直納する。

次に新潟駅前の繁華街をずっと歩いて、思ったよりも離れた場所にある紀伊國屋書店新潟店を訪問。
担当のNさんが不在だったので別の担当者の方に、事前に注文をいただいていた『越後 毒消し売りの女たち』3冊の直納の手続きをしてもらう。
郷土本コーナーに置いてもらうように頼む。
店員さんはみなさん忙しいそうであまりゆっくり話す余裕もなさそうなので早々に店をあとにする。

次の書店へ移動中に、新潟のTSUTAYAを統括している担当者にアポを取ろうと何度も試みるも、なぜかいつも不在で、今日は諦める。

次に新潟駅前の一番大きな商店街の中にある老舗書店、萬松堂を訪問。
棚もとても充実しており、客入りも良い。ちょうど本日栗田からパターン配本で『毒消し』3冊入荷したとのこと。
「トーハンにも事前注文を出しているはずだが、もしかしたら注文漏れの可能性があるので、15冊もらいます」とのこと。
「日本経済評論社の「毒消し売りの社会史」はずっとロングでかなり売ったからこの本も売れるでしょう」と、相馬店長はとても気さくな方。
私が本を20冊リュックに入れて書店に現れた様を見て「そんなリュック背負って登山しに行くみたいだね」といわれる。
棚担当の中山さんに本を並べていただく。店のショーウィンドウにある棚にも並べていただき感激である。

085.JPG
ショウウィンドウに並べていただく

086.JPG
中山さん、目を瞑っている時に撮影してしまってすみません…

次に、萬松堂から歩いてすぐのところにある、ここも老舗書店であろう、北光社を訪問。
ここもしっかりした品揃えをしており郷土本コーナーをかなり広くとってある。萬松堂と競いあっている感じだ。
担当のSさんに「萬松堂にはもう行った?」と聞かれて「あ…はい。ついさっき行ってきました。」と答えると、「うちの方が後なの?」という顔をされたような気がして、ちょっと緊張感が走る。
萬松堂も売るならうちも、という感じで、10冊注文をいただく、かなり忙しい時間帯だったみたいだが、話もよく聞いてくれて、頑張って売っていただけそうだ。

次に、新潟駅ビルの地下にある文信堂万代店を訪問。
30坪ぐらいの小さな書店だが、レストランが多くあるフロアにあるせいかかなり客入りが良い。小さくても郷土本コーナーある。
担当の女性(名刺をもらい忘れて名前不明)は快く対応してくださり、10冊注文をいただく。

今日は良い感じで注文が取れる。
外はまさに夏真っ盛りでかなり暑くてきついけど、モチベーションも上がってきた。

次は書店ではなく、取次ぎ(全国の書店に本を卸す問屋のようなもの)の日販の新潟支店にターゲットを絞る。
ここは店売(書店へ卸したり、逆に書店が買い付けにくるために本を並べておく倉庫のようなもの)もあるから成功すれば、かなりまとまった数の注文がもらえそうだ。
ここは同業他社の営業の先輩である現代書館の中澤さんに「日販新潟支店には、ぜひ行ったほうが良いですよ」と事前に情報をいただいていたこともあって、とくに気合を入れて訪問する。
担当の幡さんはとても気さくて、そして本を売ることに熱心な、本当に“熱い”方だった。

「これをどうしたら売れる本にできるか、いろいろと考えます」と言ってくれる。
「私もぜひ読みたいので、良かったら1冊いただけませんか?」と頼まれたので、ここは読んでもらって面白さを分かってもらったうえで頑張って売っていただこうと思い、快く1冊献上する(後日幡さんに電話をすると、本当にちゃんと読んでくれていて、「とても面白かったです。100点満点ですよ!」と言ってくれた)。
日販のような業界最大手の取次ぎ会社が、弊社のようなヒット作もない小さな出版社に対して、ここまで良い対応をしてくれることはほとんどない。
本当に感激した。
そして…幡さんから注文冊数を聞いて、ちょっとビックリ。
「う~ん…とりあえず100冊ぐらいいただけます?」
あ…でも車にはあと残り130冊ぐらいしかない・・・・
ここで100冊置いていってしまうと、明日も書店を周るからちょっと足らなくなってしまう可能性がある…。
なので、とりあえず50冊置いていき、後日会社に戻ってからさらに追加分を直接日販新潟支店に送ることにしてもらう(後日さらに追加100冊注文をいただいた)。

新潟日報に紹介記事が出たときにいっきに販促営業をしたいとのこと。
幡氏のご厚意に応えるためにも、ここはどうしても良い紹介記事を期待したい。

084.JPG
日販新潟支店

いっきに爆発した感じ。
今回の出張はこの時点で大成功ともいえるので、後は遊んで帰ってもいいかな…と誘惑にも駆られるが、まだジュンク堂書店も営業してないし、まだまだ他にも訪問したい書店はたくさんあるから、もう少し頑張ろう。

日販新潟支店を後に、ちょっと新潟駅から離れたところ、車で30分ぐらいいったところにある本の店・英進堂を訪問。
訪問した時点で午後7時になってしまっていたが、店長の諸橋さんから、ちょうど落ち着いた時間帯だったみたいで、じっくりといろんな話をさせていただけた。

097.JPG
本の店英進堂

「越後 毒気巣売りの女たち」は事前に注文をいただいていた5冊に、わざわざ持って来てくれたということで、さらに追加して10冊注文をいただける。
そして、さっそくポップまで作ってくれて、店の入り口を入って目の前の一番良い場所に並べてもらう。

110.JPG
「やっぱりキーワードは“美人”でしょう」と、諸橋店長は帯タイプのPOPを書いて本につける

店は想像していたよりもかなり大きく(300坪ぐらいある)、そして棚構成がとても面白い。
出版社からではなく諸橋さんが独自に企画している3社合同文庫フェア。
新書を版元別ではなく内容別にしていたり、雑誌を先月号と最新号を一緒に並べていたりする。

098.JPG
三社合同テーマ別文庫フェア

101.JPG
出版社別ではなくジャンル別に並べた新書棚。この棚を作るのに10時間以上もかかったらしい…

103.JPG
雑誌を先月号と最新号を一緒に並べて売る。雑誌の返品期限ギリギリまで売ればこういうことも可能とのこと。
ギリギリで先月号を買い逃したお客さんにはありがたい陳列だ

音楽書の棚で、なぎら健壱の「日本フォーク私的大全」がロングセラーということなので、弊社から出ている『三上寛』を薦める。1冊注文をいただく。

店のありとあらゆる棚について熱く語る諸橋店長。
気づいたら、閉店の9時まで2時間半、書店の今度について語り明かしていた。

112.JPG
POSデータだけでなくスリップをいまでも重視する諸橋店長。データでは数字しかみれないので頭に入りにくい。
スリップは版元によっても、シリーズやジャンルによっても、デザインや色が違うから売れ行きが頭に入りやすいとのこと。
確かにそうだ

今日はこんな感じで、夜の9時まで営業をしまくり。
もうお腹いっぱいである。

●出張第二日目の売り上げ
『越後 毒消し売りの女たち』×101冊(直納・返条付注文(一部3延べ)扱い)
『三上寛』×1冊(返条付注文扱い)
計183,500円なり。

《8月8日(金) 営業第三日目》

いよいよ最終日。
昨日大きな成果が出たが、まだまだ車には77冊、『越後毒消し売りの女たち』が積んである。
今日これを最後の1冊まで売り切って晴れやかに東京に戻りたい。

まず最初に新潟でもっとも大きな書店、ジュンク堂書店新潟店を訪問。
午前中でお客さんもあまりいない。
地下1Fの人文書フロアは、かなり広く、まるで巨大な図書館のようだ。
担当のNさんはレジ当番の時間が迫っているらしく、全然時間がないとのこと。
若干無理に『越後 毒消し売りの女たち』を5冊注文いただき直納する。

083.JPG
ジュンク堂書店新潟店

次に昨日取次ぎの日販新潟支店での営業大成功に気をよくした私は、もう一つの大取次ぎ会社であるトーハンの新潟支店を訪問する。
住宅地の中にあってなかなか見つからない。車を降りて歩いて探し周る。
少し迷ってしまう。さすがに気温も32℃以上あるなか歩き続け、頭がクラクラする…車を遠くに駐車し過ぎた…。
車に戻ってもう一度、あらためて探す。そしてやっと見つける。今度出張する時はやっぱりカーナビを付けてこよう…。
日販と違って店売は無いが、トーハン新潟支店では約200店舗の新潟の書店とのお付き合いがあるとのこと。

「日販は50冊取ってくれました」ということと、「新潟日報に紹介記事掲載予定です」の2段攻撃でグイグイ推していく。
「じゃあ、とりあえずうちも50冊もらいましょう」と担当のWさんは言ってくれた。
車で東京から本を運んできたことを話し、実際に車に積んである本の山を見るとWさんは「きてますね~!」と感心しているのか呆れているのか分からないが、とにかく驚いていた。

車にはいよいよ残り22冊!!
あともうひと踏ん張り。

次に向かったのは、この書店もまえまえから気になっていた店で、よく弊社の新刊DMにも反応してくれる書店、知遊堂赤道店を訪問。
新潟から車で15分ぐらいの、国道沿いにある郊外型書店。想像以上の大きさ、とても広いフロア。
訪問してみて納得。とても品揃えがしっかりしている。人文書も思想書などもかなりちゃんと分類分けされている。
最初に声をかけた書店員の方がたまたま仕入担当のB店長で、すぐに5冊注文をいただけ、さっそく直納。

次に訪問した書店は、ここも以前から気になっていた書店。
結構売れているらしいと営業マン仲間の間で評判だった。戸田書店新潟南店を訪問。
ここもまたまたかなりデカイ書店。
300坪ぐらいはある。人文書もかなり置いてある。男性客が多く、歴史の本もわりと売れるとのこと。
対応していただいたS店長は「毒消し売り」の話にとても興味をもってくれて「20冊ください!」と言ってくれる。
こういうやる気のある書店員がこんな地方の郊外店にいると思うと嬉しくなる。
しかし…もう車に残り17冊しかなかったので、とりあえずこの最後の17冊を直納する。

やった!!
ついに東京から車に積んできた『越後 毒消し売りの女たち』×200冊をすべて売り切った。

まさか足らなくなるとは思わなかった。
3日で200冊。
予想以上の大成功。
これだから出張はどんなに大変でも、また行きたくなるものだ。

まだ日も暮れていない。
最後にせっかくここまで来たのだから、『越後 毒消し売りの女たち』の舞台である、角海浜の美人村があった場所を訪問してみようか…。
今日は新潟に泊まらずに、夜通し高速を突っ走って東京に戻るので、本当はこのまま帰路についた方が体力的にはキツクないのだが…やはり一度は見てみたい。美人村があった場所を!

というわけで、角海浜を目指して車を走らせた。
そんなに遠くはないはず…。

しかし、結構遠かった…。

新潟の海は美しく、人影も少ない。
新潟市の中心部から日本海に向かうと、ほんの10分ほどで日本海が見えてくる。ずっと続く砂浜を右手に見ながら車で下っていき、越前浜、角田浜を通り、海岸まで山が迫り出している場所に達し、さらに数箇所トンネルと潜ると、周囲を切り立った山に囲まれたあまり人気のない美しい浜辺が見えてくる。 五ヶ浜だ。
この浜よりさらに下り、トンネルを潜ると、突然国道が急カーブし、山に登る道と海岸のほうに向かって茂みにかくれて先が見えない行き止まりの道に分かれる。
山の方に登る道は、さらにいくとまた海岸の方に急カーブし、山を降ると、また浜に出る。そこは間瀬海水浴場と云われる浜だ。
先が見えない「行き止まり」と書かれた道。この道を入っていくと…。
ついに本の舞台の角海浜に出た。
間瀬海水浴場からも五ヶ浜からも山に隠れてみえない浜があったのだ。

dokukesimura01_1.JPG
美人村があったとされる角海浜。昔は海岸線があと数百メートル沖合いにあり、250戸の家、寺や小学校、病院まであったという

152.JPG
家のあった痕跡すら見当たらない…

172.JPG
本当にこんなところに村があったのだろうか…

177.JPG
ひっそりと佇む石碑。ここにはかつて寺があったらしい

167.JPG
そして…日没

私の『越後毒消し売りの女たち』の行商も終わりを迎えた。

新潟で出会った書店員の方々、取次ぎの方々、本当にありがとうございました。
お蔭さまで本当にすばらしい出張営業になりました。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

●出張第三日目の売り上げ
『越後 毒消し売りの女たち』×77冊(直納・返条付注文(一部3延べ)扱い)
計138,600円なり。

●営業三日間の合計
『越後 毒消し売りの女たち』×200冊(直納・返条付注文(一部3延べ)扱い)
『三上寛』×1冊(返条付注文扱い)

合計359,900円なり

営業部・春日俊一

秋田・岩手とまた四回目・・・

2009 年 4 月 3 日 金曜日

09年4月末の近刊「イザベラ・バードを歩く」「東北古墳探訪」のための営業、いよいよ四回目が終わった。経費の無駄遣いという気持ちが暗澹とよぎる今、3回目の会津~米沢~山形近辺に続き、秋田・岩手はさてどうだったか? 初日、小社で既に「馬子の墓」はじめ、最新作の「隅田八幡鏡」で7作も著書を刊行している著者、林順治先生の地元「横手」で、前記の近刊とともに紹介しようと準備していったものの、「すぐに動かなくても置く」という書店が少なく、紹介まで話が及ばずという結果・・・。めげずに「秋田」へ高速とばし、秋田市内回るも、やはり「魅力」にかける(数がさばけない〉ということか、「価格がネック」、首かしげてそのままとかで、あせりを感じた。そんななか、「5分の時間も取れない」とのことにも関わらず、後送で近刊2種・各7冊ずつもご注文FAX頂いた、文教堂八橋店・丸野店長、お忙しいにも関わらず「どうもありがとうございました」。帰ってきてこれを見て安堵できました。こちらのお店と「戸田書店秋田店」(中村店長発注ありがとうございました)、ジュンク堂秋田店しか、小社の本の在庫見当たらず、小社の利益率の無さ??に気分ネガティブなまま次の日、盛岡。ところが、郊外の東山堂2店、10時から23時営業(福島・山形・秋田・岩手皆、そういった店が多かったが)で、まだ出社してないとか、さわや書店、ジュンク堂盛岡店も担当者さま休みで、「盛岡」がほとんど空振り終了で、またモチベーションが低下。ところが、「花巻」2店、「北上」1店、「水沢(奥州市)」2店は、なんとかご発注頂き、若干挽回・・・。東山堂北上店・菊池様、「去年よりさらに売り上げ落ち、「もっと独自性」を出さなくては」等、貴重な書店の現状お教え頂きありがとうございます。水沢の松田書店本店・吉田店長からは、「彩流社」含め紹介した「アジアの本の会」の版元ほとんど、「逆送版元」との認識で、びっくり。会津でもそうだったが、そりゃ発注するのも嫌がるわけだ・・・。すべて、ある意味「フリー入帳」であること説明し、「東北」5冊「イザベラ」2冊受注。吉田店長「新刊委託の期間はしっかり置きます」と大変ありがたい言葉でした。・・・その後、大急ぎで「水沢江刺駅」でレンタカー乗り捨て、東京到着。いまブログ記入となりました。イザベラバードも「日本奥地紀行」で、横手のお葬式の未亡人の服は、まるで結婚式の時のように色合いきれいだ・・・と書いたり、林先生も「応神=ヤマトタケルは朝鮮人だった」を4月下旬刊予定(河出書房新社)で古代史の様相の認識を変更しようとしたり・・・と、内容としては面白いところもあるものの、「数を売る=売り上げ」の壁は、他社本に寄り掛からない「内容」(営業対応)で押すしかないわけだが、ろくろく状況も聞けず提案もできずで、注文取りしただけ・・・というのは、また反省すべきところです。(玉崎)

福島そぞろ歩き

2009 年 3 月 5 日 木曜日

東北出張二回目が終わりました。福島は、まともに車でも電車でも行ったことが、ほぼ無いところだったため、事前の予定をおおざっぱに立てていたところ、雪も凍結もなくスムーズにいき、各県「出張一回」で終わらせるためには、今回行かないつもりで一日目の夜に「やはり」と考え直し、しかし、「時間的に厳しい」と思い直した「会津」も行っておけば、少なくとも「坪数大」のところは「なんとかまわれたかもしれない」と反省しています。ただ、今回はスムーズにいったおかげで、「郡山」「福島」だけでなく「白河」「須賀川」もまわることが出来て、4月刊行予定「東北古墳探訪」の、「年配客」向けで、家から行きやすいと思われる「坪数小」のところも若干事前受注することができました。また、当日お休み日で、チラシを代わりの方にお願いしたお店からもFAXが後送されていたところ(「文教堂新白河店・高木店長」大変ありがとうございます。なんとか売れてくれること祈念します)もあり、完璧では全然ないものの、50%ぐらいは「目的」を果せたかと思います。残りの50%は「そぞろ歩き」というわけで、会社的に問題あるかもしれませんが。

福島市内の、15坪で現在もがんばっている「中村書店」には、小社が去年4月から加入した「アジアの本の会」の長期セットを入れて頂いているとのことで、お伺いしたところ、もっと小売店は「売るための努力をしっかりすべきだ」・・・「トーハンも大書店に必ず配本する本は、書店の「小・大」関係なく配本すべきなんだが、と文句をいったところ、仙台の取次ぎ営業も、「出そうにもモノがないんです」との窮状。しかし「言った」おかげで、何冊かは入れてくれるようになり例えば「林真理子」なんか入ったらすぐ売れたり」、とにかく「こんな近くの書店に「こんな本が」とまとめ買いしてくれることもある「アジアの本の会」長期セットは、是非まだ「やりたい」(とまたご発注頂く)、全体の売り上げ的には「いつなんどき」という苦しい状況だが」・・・「今度は会えないかもしれない」ほか「日書連に彩流社、働きかけては?」等々、様々、お話頂き、本当はその内容すべてここに書き記すべきかもしれませんが、「業界全体」の難題「大企業中心主義」(この出張も「大企業中心主義(坪数大書店中心に回る)」でしかない動きでしたが)の打破を強くおっしゃっておられ、こちらとしては、なんの打開策も提示できず、ただ次の書店まわりもあり、ただお伺いするばかりで切り上げてしまい、大変申し訳ない思いでした。にも関わらず、貴重なお話頂き、中村様、大変ありがとうございました。なんとか負債を返すことができればとは思いましたが・・・・・・。ほか、せっかく福島県の書店の方「ゆったり」と話されているにも関わらず、ビジネスライクに早め早めに話して切り上げて・・・と反省点多々ありましたが、また次回の出張に生かせればと思います。(玉崎)

行ってきました「仙台」

2009 年 2 月 19 日 木曜日

小社営業部では、戦略ポイントがあるような本については、そのポイントを重視し、それを支点にして営業をするという、営業部長の方針で、近々参加した一色氏は既に何度も、少し古参の私も、徐々に動き始めています。

それで、今回は「東北古墳散歩」、「イザベラ・バードを歩く」と、「東北そのもののテーマ」どんぴしゃということで、一泊営業で「仙台」に行ってきました。日販東北支店・酒井様、トーハン東北支店・大川様、それぞれ急なアポにも関わらず、お会いして頂き話を聞いていただけました。お忙しい中、ありがとうございました。ただ、トーハンの方、苦竹の駅からバスもなく、タクシー以外は辿り着けない、しかも東京の温度とは段違いの最高気温4度で、歩き、寒かったです。2007年開通という地下鉄・東西線は、トーハンの近くを通ってくれるのかなと仙台地下鉄南北線車内で思うことしきりでした。

書店さんでは「・・・古墳」の方、値段的に高いという面あったものの好意的に話を聞いて頂き、そこそこの事前注文を頂きました。爆発的に売れるというわけでもないのに、お時間とご発注いただき、大変ありがとうございます。初速が遅いかもしれませんが、「イザベラバード」は、平凡社東洋文庫版「日本奥地紀行」(現・平凡社ライブラリ版、講談社学術文庫(上・下、増補)版が手に入りやすいです)、中央公論版「・・・完全補遺」動きロングセラーのお店多いようで、バード「仙台」だけは「歩いていない」ものの、東北での売れ行き期待できそうです。「東北古墳」の方は前著の「関東古墳散歩」が2000部全てはけ、今度「関東古墳散歩【改訂増補版】」も「東北・・・」と同時期に出る予定で、こちらと併売で「東北」も書店全体の利益としては厳しいかもしれませんが、確実に地道に売れてくれそうです。

まだ、東北行脚がしばらく続きそうです。仙台は、新卒で入った人材派遣会社の最初の配属・仙台営業所の時を思い出し少し懐かしさを感じましたが、この後の「山形」「盛岡」も、もし行くことになるなら、どんどんその会社で飛ばされて行ったことがある地域のため、寒いことは寒いものの、どう変わり、どう変わってないか、楽しみです。(玉崎)

小松菜本営業

2008 年 12 月 3 日 水曜日

12/5(金)の見本出し予定の新刊『小松菜と江戸のお鷹狩り 江戸の野菜物語 (亀井 千歩子 ) 四六判|本体2,200円 +税』と12月末刊行予定の復刊新装本『新装版 小松菜の里 東京の野菜風土記 (亀井 千歩子) 四六判|予価1,800円 +税』の販売できそうな書店を回っている。地域的に「荒川」沿いの「小松川」付近(江戸川区・葛飾区・江東区)がご当地になるが、著者の亀井さんが代々「宮司」を務めるJR新小岩駅からバスで5分ぐらいの「小松菜ゆかりの里」の碑がある「新小岩厄除香取神社」 近辺など、回るところは広く見ればたくさんある。もっとも、売れずに、あるいは入荷してすぐ返品で、返品手数料が高くつくだけとなる可能性も広がってくるかもしれないが。

最初は「野菜の本だから「実用」か」と、「実用書」担当を回るものの、「これは学術書だね。要らない。」と小松川から少し離れたところJR平井駅近辺では言われ、料理の作り方を豊富なカラー写真・レシピ付きとともにというわけではないので「民俗学、日本史か」とも思ったが、「買う層は、おそらく年配の女性客かな」とも思うので、実用書向けとして回っている。もっとも、八重洲BCイトーヨーカドー葛西店の髙田リーダー曰く、「こういうの「実用」でも「歴史・民俗学(あるいは、文芸棚・江戸本と一緒に「東西書房葛西店・小林店長・談」)」でも「どっちにもおさまりが悪いんだよね。どこ置こうかな・・・」という感じで、やはり割り切れない。

内容は「小松菜」の「名付け」の由来、名付けをした「江戸時代・将軍吉宗」の「鶴」を狩る「鷹狩り」に纏わる話のため、実際に用いることができる本というわけではないが、一応、小松菜は卵と相性がよく、簡単でおいしい「卵料理」の作り方なども入っている。当時「葛西菜」と呼ばれていた「小松菜」を、鷹狩りに来ていた「吉宗」が、当地で「お吸い物」として出され、いたく感動し 「小松菜と名付けよ」となったということだ。

最初に回った新宿駅すぐの2店では、共に実用書担当、「この人、出版営業の振りした人さらいで、私を東南アジアかどこかに売っぱらおうというのでは」という「不安」を持たれた様子で(営業センスが悪く)、チラシを見て「やっぱり」という感じの、あるいは、「口裂け女になってあげてもいいけれど、こんな「売れない版元」に、ただでさえ忙しい仕事の邪魔をされて、そんなことできません的な「痙攣的な途惑い」見せる書店員」等、「受注」には「ほど遠い」状況(売れない本という反応)で、今回復刊する20年前に出た「小松菜の里 東京の野菜風土記 (亀井 千歩子)」などは、3000部ぐらいは売れたようだが、現在のただでさえ本が売れない中、「70~80年代前半で、売れると考えられている本の作り方?」では「初速のいい本になるのは難しい」のが当然なのか?あるいは「歴史棚」を回らない営業感覚の無さ?で、東京駅近辺でも「何勘違いして営業になんか来たのかな」という感触というわけで、「地域本」として売ってもらうしかないと、その「地域」を集中して30坪から60坪ぐらいの店まで、回ってみた。

江戸川区東小松川の「小川書房」さんは、営業が来るのが珍しかったのか、店主小川さん(もう70代ぐらいの好々爺)は、一時間弱ほど、業界の状況を話して下さり、大変勉強になった。ここ10年は年間300万づつ売り上げが下がり続け、10年前の友人のヤマト証券などにいたため他業界の情報などにも強かった近くに住む友人の助言どおりだったとのこと。取次ぎは「協和」だがとにかく「新刊がうまく売れなくなった」から「本が回らず、どうにもならない」。50年前、富山から出てきて、始めて、「貸本時代」や「手塚治のマンガ」の売れた時代、近所の書店仲間との「組合」で組合長をやり、調子が良かった時代はあったんだと熱心に話して頂く。今では、組合の会でも「なにもすることがなく」顔を合わすだけで「帰ってしまう」とわびしいばかりな様子、当時の書店仲間もほとんど亡くなってしまったとのこと。「小松菜」については、近所で「おかみさん」の会をやっていて、そこで「小松菜」実際に販売しているから、と新刊・復刊本「1冊」ずつ発注頂く。「このあたりもね、店でたすぐ前で、小松菜作っていたんだ」「このあたりは、蓮田ばかりで、昔は何にもなかったんだ。葛西の駅の方も、地下鉄が入るまでは、何にもなかった」と当時の「小川書房」の写真を見せて頂く。他の書店でも、話をするまでもなく、受注も難しいといった店も多かったが、まだ、これだけの書店ががんばっている(無理に続けている?)というのには感動した。小川さんも、「「協和」がつぶれるまでは、まだやるんだ」とのこと。小社の近刊が、少しでも売り上げに貢献してくれるといいのだが、とは思うのだが・・・。(玉崎)

営業部便り・2006.3 『ダブル出張!!【静岡(伊豆半島)・愛知(豊橋周辺)】』

2006 年 3 月 8 日 水曜日

今回は1月末に小社から発売された、織田信長の三男、信雄が繰り返した悲喜劇と、北条氏康の五男、氏規の苦渋の日々の回想を軸に、肥前名護屋の陣を舞台に描く歴史大長編『虚けの舞』を販促するため、発売に合わせて、この小説のなかに出てくる激戦の舞台となった韮山城周辺(静岡県伊豆の国市)へ出張営業し、さらに小社から既に三部作が出ている古代東三河(現豊橋市周辺)には、日本列島のなかで、最も活力に溢れた、大和朝廷をも惹きつける、吸引力のある国あったとする説を探求した『古代東三河』シリーズ全三部作の第一作『古代新都東三河』重版出来と、天武天皇と三河の関係や“三河抹殺”に動いた持統天皇の行幸…。古代史の謎とされる事件の裏に迫る『天武天皇の秘密と持統天皇の陰謀』を販促するため、『虚けの舞』とほぼ同時発売のため、伊豆韮山営業終了後、加えて愛知県(豊橋・豊川・新城)に出張営業にいってきた。またまた前回と同じく、本を車に積んで、直接現地の書店に営業し、ご注文いただいた部数をその場で直接納品してくるという手法をとった。今回はダブル出張作戦ということもあり、かなりの積み込み冊数となった。『天武天皇の秘密と持統天皇の陰謀』×300冊、『古代新都東三河』×75冊、『倭国の真相』×20冊、『消された古代東ヤマト』×30冊、『猿田彦と秦氏の謎』×20冊、『諏訪神社謎の古代史』×30冊、『虚けの舞』×80冊、合計なんと555冊!という大部数をマイカーの軽自動車「スズキ・ラパン」に積み込み、いざ出陣したわけである。車が重い・・・タイヤが凹む・・・。

<1月30日(月)・(静岡県伊豆の国市、沼津市)>

営業初日は氏規が4万の豊臣方(織田信雄・福島正則・細川忠興・蒲生氏郷など)を相手にたった3千の兵をもって幾度も撃退させ、大奮戦の舞台となった韮山城があった伊豆の国市・韮山に向かう。この韮山という地域は北条氏ゆかりの地でもあり、あの源頼朝の流刑地、蛭ヶ小島がある。頼朝はこの地で北条政子と出会ったらしい。町内には源氏・平氏や北条氏ゆかりの史跡が数多く点在する。

【蛭ヶ小島】
蛭ヶ小島
【蛭ヶ小島にある歴史民俗資料館】
蛭ヶ小島にある歴史民俗資料館

この町の人なら当然氏規をよく知っているはず・・・。しかし最初に訪問した駅前商店街のW書店の奥様は全く知らなかった・・・そんなものか。商店街といってもほとんど人通りもなく、ひっそりとしている。書店もかなり厳しそうだ。W書店では仕入れ担当の店長様にお会いできなかったので奥様らしき人にチラシと本の説明をして、すぐに次の書店に向かう。 次に訪問したN書店は駅前にある10坪ぐらいの小さな本屋さん。対応していただいたIさんはかなりのベテランらしき風貌。「韮山城址の周辺の住宅地は私が外商をしているから今度本を持って宣伝に行くよ」とのこと。「ぜひお願いします!」と積極的に営業トークをするも、「まだ実際に売れるか分からないので」と、とりあえず2冊だけ注文をいただく。かつて韮山城で戦った氏規の家臣の子孫(江川一族など)もいるはずなので、なんとかIさんに外商を頑張ってもらうことを期待しつつ店を後にする。

せっかくここまで来たので韮山城址をちょっと見に行く。山城で、建物や石垣などは全く現存していないので、堀切や曲輪、砦があったらしい場所を散策する。想像力を働かせると結構面白い。まあ働かせないとただの小山なのだが・・・。

【堀切】
堀切
【本曲輪跡】
本曲輪跡

次はちょっと営業目標を変えて、韮山のすぐ隣にある伊豆長岡温泉の近くのM書店を訪問する。割と品揃えもしっかりとしてるが地元本コーナーは意外にもほとんどない。「まあ地元に関係する歴史小説なら」と、とりあえず3冊注文をいただく。早速直納してレジ前の平台に平積みしていただく。あらかじめ会社で作ってもってきたPOPも付けていただく。売れてくれることを祈る。伊豆長岡にはもう一軒書店があるはずだが、何処を探しても見つからず・・・潰れたかも・・・。これ以上時間を使うと後々の営業活動に影響しそうなので、探すのを諦めて次の町、大仁に向かう。大仁の中心街に向かう途中の国道沿いに大手チェーン店のB書店を発見。立ち寄ることにする。やはり国道だと書店を発見しやすい。駐車場もあるので、車での出張でも非常に営業しやすい。突然の珍しい出版社の営業マンに少々驚いているようすのNさんに早速営業トーク。直接の担当の店長様が不在のため、初めは「検討して後ほどFAXします」という感じだったが、わざわざ遠くから来たということもあってか、とりあえず2冊注文をいただける。こういうことはやはり大事なような気がする。今度はいつ訪れることができるかわからないような地方の書店だから、何か少しでも繋がりができるとこちらとしても嬉しく、ありがたい。次に訪問したのが大仁の温泉地の中心街にあるN書店。1・2階と売り場になっており、地方にしてはわりと大きい書店。どうやらこの地域の老舗のような感じだ。対応していただいたSさんは会ってすぐに「あれ・・・?その本の著者からつい1時間ほど前に電話がありましたよ。なんか明日店に伺いますって言ってましたけど・・・」どうやら著者先生も明日直接宣伝に来るらしい(後日全くの別人であったことが判明…同じような本を書いている人って地元だと必ずいますね…)。「地元の新聞の書評に載ったら間違いなくある程度は売れるんだけどねえ」とのこと。やはり地元本は地元の新聞が効果大。「書評出てくれば売れそう」とのこと。N書店では5冊注文をいただき、平積みしてもらう。
という感じで、この歴史小説『虚けの舞』の舞台ともなった韮山周辺の書店はほぼこれで訪問しつくした。次は何処へ向かおうか・・・。やはりここから一番近くて、北条氏にゆかりのある地は沼津か・・・。いざ出発することにする。沼津の中心地に入る途中の国道沿いに、以前から小社のDMを郵送していたR書店を発見。早速訪問する。店内は一部棚を改装中なのかバタバタしていてあまり店長のHさんと話す時間もなかったがとりあえず3冊注文をいただき直納する。
次は沼津の中心街を目指す。沼津は静岡ではかなり大きい方の街だけあって、わりと活気もある。まず沼津駅北口近くにあるE書店を訪問。S店長は「売れるかねえ・・・」とあまり興味を示さないが、結局2冊注文をいただき直納する。次は沼津駅ビル内にあるM書店を目指す。いざ駅ビル内に入るとM書店ではなく、E書店の看板。どうやら最近変わったようだ。対応していただいたO店長は「ここのお店は若い人が多いですけど、静岡新聞社の本もたまに売れるので、こういう本も置いてみないと分かりませんね」とのこと。とりあえず5冊注文をいただき、郷土本コーナーに平積みしていただく。次に沼津の老舗M書店を訪問。名前は結構知られているので、それなりの書店だとは思っていたが、実際に訪問すると想像以上に大きく、そして品揃え、棚構成のしっかりした書店だった。地方の書店は最近特に厳しいという話ばかり聞くが、こういう地方の老舗書店に今後も頑張ってほしいものである。この書店の郷土本コーナーには武田信玄の関連書が多かった。そうか、信玄は一時沼津まで出刃ってきていたっけ・・・。来年の大河ドラマは山本勘助だったっけ・・・。沼津は北条より武田みたいだ。人文担当のTさんはもう帰るところとのことであまりお話もできなかったが、とりあえず3冊注文をいただき早速直納する。
陽が沈み、かなり腹も減ってきたが、先程訪問したE書店の店長様が「沼津の書店で一番
知られているのはM書店とY書店ですよ」と教えてくれたので、まだ訪れていないY書店はどうしても、押さえておきたい。かなり疲労もピークに達しつつあったが、最後の踏ん張りでY書店に向かう。沼津駅北口からちょっといったところに大型ショッピングモールがあり、その中にY書店は出店していた。早速O店長にお会いし『虚けの舞』をお願いする。「うちでは人文はもうほとんど売れないけど、時代小説だったら売れるから、最近売れてる信長関係の歴史小説の隣におきますよ」とのこと。10冊注文をいただき、一番良い場所にドーンと平積みしていただく。O店長はその後ボソッと「僕は韮山高校出身なものでね・・・」「そうだったんですか!ぜひ読んでください。思い入れも強くなるはずです」 O店長は『虚けの舞』の本文中に掲載してある韮山城の詳細な地図を眺めてニコっと笑った。

営業初日は最後の最後でなんとか10冊注文をいただけたが、他の書店ではほとんど2冊から5冊どまりだったので車にはまだ残り45冊の『虚けの舞』が幅をきかせている・・・。やはり豊橋が終わったら帰りに三島と小田原を攻める必要ありだな・・・。
Y書店を営業した後、東名高速にのり、静岡を駆け抜けいっきに豊橋までやってきて、夜中にやっとホテルにチェックイン。ほとんどゆっくりする余裕もなく就寝。

営業第一日目の営業成績、『虚けの舞』本体価格1900円×35冊、本体価格計66,500円なり。

<1月31日(火)・(愛知県豊橋市・蒲郡市)>
営業第二日目。豊橋。
豊橋を訪れるのは今回が2度目、前回は2001年の6月だったので、じつに5年半ぶりにとなる。前回は私が彩流社に入って初めての地方出張営業で、最初に訪れた街が、まさにここ豊橋だったのだ。いろいろと当時の想いが頭をよぎる。彩流社に入って初めてというだけでなく、営業マンになって、出張営業自体が生涯初だったので、当時はかなり緊張していた。全く訪れたことのない街で、初めて出会う書店員の方々に本当にうまく営業ができるのだろうか・・・。出発前夜はよく眠れなかったものだ。あれからかなり月日が流れたが、久しぶりに訪れた豊橋の地は、そのころとほとんど変わった様子もなく淡々と時が流れているようだ。路面電車もまだ健在である。
豊橋周辺にチェーン展開しているS書店本店の商品本部を訪問。書籍部門の統括をされているIさんと会う。実はIさん、2001年の時にもお会いしていて、久しぶりの対面。地方の書店ではこういう風に長く勤めておられる方が結構多くて、小社のことも知っていてくれる方が結構いるのは本当にありがたいかぎりだ。最近の首都圏の書店だと、早い場合、3ヶ月ぐらいで担当者が入れ替わることもめずらしいことではない。
Iさんには事前に用意してきた、小社が持っているS書店チェーン各店の受注履歴をみせて、どれだけ小社の『古代東三河』シリーズがS書店チェーンで、豊橋周辺で売れているか強調しつつ営業トークをする。Iさんは今の書店の現状が必ずしも良くないという話をされたが、この本なら売れる可能性があるだろうとのことで、チェーン店15店舗一括分で『天武天皇の秘密と持統天皇の陰謀』を70冊、『古代新都東三河』を10冊、計80冊の注文を取りまとめてくださった。本音を言うと『古代新都東三河』の重版分ももっと各店に平積みできるぐらいに注文していただきたかったが、想像以上に取次(出版業界の問屋のようなもの)からの締め付けが厳しいとのことで10冊どまりにとなった。まあでも新刊の『天武天皇の秘密と持統天皇の陰謀』の営業が主目的だったので、第一目標はクリアできた感じだ。Iさんに心から感謝。
その後S書店本店の郷土本担当のSさんにお会いし、チェーン一括分とは別に本店だけで『天武天皇の秘密と持統天皇の陰謀』50冊の注文をいただく。『古代東三河』シリーズの既刊本三部作も各3冊縲F5冊注文していただき、これら「古代東三河」シリーズ、計4点を特設棚で大きく展開して売っていただけるということになった。Sさんに感謝感激。よく話を聞くと、以前Sさんは『古代東三河』シリーズの第三作『消された古代東ヤマト』を本店だけで累計174冊も売っていただいた頃の仕入れ担当者だった。今日はどうやらついている。幸先の良いスタート。ただ外はずっと冷たい雨が激しく降り続いている・・・。

次に訪れた書店はH書店。この書店には2001年の時にお会いし、注文もたくさんくれて、いろいろとお話もしていただいたHさんがいるはず。もう一度お会いしたいとずっと思っていた。そんな想いを抱きつつH書店本店を訪問。店内を見渡すと、そこに・・・・・そのHさんが居た。私は人の顔をよく覚えているという特技?があるのだが、5年以上経ってもやはり覚えていた。間違いない、Hさんだ。
「あの・・・彩流社ですが・・・Hさんですよね?」「はい、そうですけど」
「以前、といっても5年以上前ですが、一度お会いたことがあります」「彩流社の春日です」
私の方は覚えているが向こうは覚えていない(笑)まあ5年以上前にほんの20分ぐらい話ただけだから、覚えていなくても無理ないか・・・。
「その節はいろいろありがとうございました」
「よく覚えているねえ」とHさん。
「あの時は自分にとっては初めての出張でしたので、かなり緊張して訪問した書店で、とても良くしていただいたので、なおのことよく覚えております」
そうなのだ。地方の書店だけでなく、普段営業してまわっている首都圏の書店でも、書店員はみんな忙しいし、経営も必ずしも楽ではない、現場の担当者も仕事量が年々増えるが給料は上がらず、という過酷な状況で働いている。だから当然機嫌の悪い書店員、疲れきっている書店員、ヒット率の高い出版社としか商談なんてしたくないと思う書店員が多く存在するのはしょうがないことだ。そんな現場に小社のようにヒット作の少ない出版社の営業マンが飛び込み営業にくると、厳しく当たられたり、怒られたり、ほとんど無視されることも少なくない。だから余計に良い対応をされるとその書店員のことは忘れられない存在となる。決して大袈裟ではなく、そんな書店員の顔が「生き仏」のように見えて後光が差していることがある(本当です。私には確かに見える(笑))。Hさんもそんな人だった。
そして今回の訪問でもHさんはやっぱり「生き仏」だった。H書店は店舗数は決して多くはないが豊橋周辺の主要な地域に4店ほど出店している。

『天武天皇の秘密と持統天皇の陰謀』を見るなりHさんは「これは売れるよ!ぜひください!」と即答。
「実は今日は車できてまして、この本も積んできてます」と私。
「それは良かった。ちょっと他の支店にも聞いてみるから待ってて」と、すぐに他の支店
の店長様にその場で電話をしてくれた。やはり「生き仏」。
結局H書店チェーン一括で50冊注文を取りまとめていただき、早速直納させていただく。
「まあうちみたいな小さな店でも、ベストセラー以外の本、たとえばおたくのこの本みたいなものを売る力はあるから、外商もまだ健在だしね。頑張って売りますよ」とのこと。
Hさんはやっぱり良い人、良い書店員だった。これからもずっと現場で頑張ってほしいです。たまたま本店に来ていた店売部部長のKさんも「売れそうだねえ」と云って頂く。気持ちよくH書店を後にする。
この時点での注文は計206冊。まだ午後3時過ぎだから、まだまだ他の書店にも営業できそうだが、かなり満腹状態。嬉しい限り。
しかし・・・、この後はうって変わって天も味方をしなくなり、蒲郡に向かおうとするも工事渋滞でひたすら待たされるは、ちょっと横道に入ったら道に迷って時間を食いまくり、やっと蒲郡についてら駅前には書店がほとんどなくなっていて、郊外店のA書店だけ訪問するも、担当者不在で、そのまま陽が沈んでしまった。

まあ良いか。今日は主目標を二つ攻略できたから。大満足。早くホテルに帰って、ゆっくり休もう。

営業第二日目の営業成績、『天武天皇の秘密と持統天皇の陰謀』本体価格2000円×180冊、
『古代新都東三河』本体価格1845円×20冊、『倭国の真相』×3冊、『消された古代東ヤマト』×3冊、計206冊、本体価格計408,600円なり

<2月1日(水)・(愛知県豊川市・新城市)>
昨日は豊橋の主要チェーン店を二つとも攻略してしまったので、あと豊橋周辺で営業が必要な書店はかなり少なくなる。それでも数店、小社の書店からの過去の受注データを見ると、『古代東三河』シリーズを過去に多く注文していただいた書店があるようなので、そこを重点的に訪問する。まず豊川駅に向かう国道沿いにN書店を発見、早速訪問するも店長不在でとりあえず奥様らしき人に注文書を渡す(後日この書店からは注文があった)。
次に訪れたのは、国道をちょっと横道に入った住宅街の中にあったS書店。小さい書店ではあったが郷土本コーナーもあったので、いけそうかなと思ったが、担当のMさんは「いやあ難しいよねえ」とのこと。とりあえず棚差しで各1冊置いてもらう。
次に訪れたのは都内にも進出している大手チェーンのA書店。かなり広い売り場(270坪ぐらいある)。書店員さん達はみんな忙しそうに雑誌の品だしや、他の作業でバタバタしている。その中で、社員らしき人を見定め、声をかける。
「彩流社ですが」「ああ!どうも」どうやら小社のことはよく知っているみたいだ。
雑誌の品出し中であったが、少しの時間をいただいて営業トーク。「じゃあとりあえず5冊ください」とのこと。直納させていただく。さっきから、「この人何処かで会った気がする・・・」と、思っているのだが、うまく思い出せない。名刺をいただいて、ハッとした。「高田馬場で会ったことのある書店員だ!」。聞いてみるとやはりそうだった。4年前ぐらいに転勤になってこっちへきたとのこと。偶然の再会。忙しそうだったのであんまり話す時間もなかったが、「東京の店も忙しくて大変だけど、豊川の店は一店舗あたりの社員が少ないから、あんまり休めなくて、ある意味もっと大変だよ」とのこと。ああ書店員の労働条件、もっとなんとかならないものか・・・。実は私は以前某大手書店チェーンで4年ほど働いたことがあるので書店員の労働条件の厳しさは身にしみて感じることができる。

次に豊川駅前に向かう。結構古い街並み。木造の書店を2軒ほど訪問するも店長不在で注文は貰えず。
次にちょっと豊川の郊外に攻略目標を移して、以前から『古代東三河』シリーズをよく注文してきていたB書店を訪問。さほど大きな店でもなく、商品構成もコミックと雑誌主体なので、いまではもう人文書など扱ってないのかな・・・と思いつつも担当のIさんとお会いする。「ああ、この『古代東三河』のシリーズはずっと私が注文してましたよ」とのこと。Iさんはなんと12年もこの書店で働いている大ベテランらしい。確かに棚をよく見ると、ほんの少しある人文書のコーナーにちゃんんと小社の『倭国の真相』が1冊差してあった。「なんか良く売れるので、ずっと置いてましたよ」とのこと。こういう書店、たまにあるので結構驚く。意外なところで本って売れ続けているようです。とりあえず新刊3冊と既刊本各1冊注文をいただく。後日この書店から追加注文がすぐにある。初回の分はすぐに売り切れたとのこと。またまた売れたようだ。
この後は新城方面を営業。A書店から『古代東三河』の注文がポツポツきていたので、新刊も置いてもらう。地元本コーナーは充実していて、鳳来町(合併により今現在は新城市)の写真集は20冊ぐらい売れたとのこと。
雨はあいかわらず降りやまず、夕暮れを迎える。今夜中に予約している三島のホテルに向かわなくてはいけないのでここで東三河出張は切り上げる。東名高速にのり、一路三島へ。

営業第三日目の成績、『天武天皇の秘密と持統天皇の陰謀』×12冊・本体価格2000円、『古代新都東三河』×4冊、『消された古代東ヤマト×3冊、『倭国の真相』×2冊、計21冊、本体合計41,180円なり。

<2月2日(木)・(静岡県三島市・神奈川県小田原)>
あっという間に最終日。今日は再度『虚けの舞』を打ちもらした地域に営業をかける。昨晩は三島の駅前のビジネスホテルに一泊した。早速午前中から車で飛び出す。まず三島の隣町の長泉町から営業をかける。このあたりの書店は郊外店が多いようだ。国道沿いを潰していく。
最初にS書店を発見。売り場はかなり広いが家電やCD、DVDが幅をきかせており、ちょっと営業しにくい状況。
次に訪れたのは都内にも進出している大手チェーン店のフランチャイズ店のB書店。周辺には多くのショッピングセンターが連なり、駐車場も車でいっぱいだ。B書店ではTさんから5冊注文をいただき、歴史小説のコーナーに平積みしていただく。

次に三島駅周辺に目標を絞る。まず駅の近くのショッピングセンター内にあるI書店を訪問。地元本コーナーは無い。結構大きい書店だけど、ちょっと寂しい。とりあえず2冊注文をもらう。
次に駅の近くの駐車場付きのT書店を訪問する。地元本コーナーはわりと充実。ただあんまり売れていないとのことで2冊の注文に留まる。
次に駅前商店街にあるかなり老舗っぽいF書店を訪問するも店長不在のため奥様らしき人にチラシをお渡しする。
これで三島の主要店はあらかた訪問しつくした感じ。
時間がどんどん過ぎていって当初の予定だった小田原の営業が厳しそうな感じだ。とりあえず箱根方面に車を走らせる。景色は最高。途中北条氏が豊臣方と激戦を繰り広げ、たった一日で落城したという山中城址を通りかかる。この城も韮山城のように山城で石垣を使ってなく、土塁・空堀中心の城。でもかなりの規模。堀もちょっとかわっていて堀の底にさらに障害を造ってある障子堀(しょうじぼり)・畝堀(うねぼり)などがある。このあたりに北条氏、豊臣方、合わせて10万の兵が蠢いていたことを想像しようとするも、ちょっと想像がつかない(やはり10万人というのは誇張かも…実際は5万人とか3万人ぐらいだったのではないだろうか…)。こんな山の上に城をつくって、ここまで登ってきて激戦をしたとは・・・・・。

【山中城の障子堀】
山中城の障子堀
【畝堀(うねぼり)】

畝堀(うねぼり)

箱根を抜け、一路小田原へ向かう。小田原に到着した頃はすでに日没の後だったが、駆け足で4軒ほど周る。どこも大手書店ばかりで、担当者がもう帰ってしまっていたり不在が多く、唯一R書店のC店長様から、5冊注文をいただく。小田原は思っていたよりかなり大きな街という印象を受ける。ただそれでもちょっと大手書店3店の出店、加えて地元の老舗書店。ここまであるとちょっと多過ぎるかも・・・。
最終日は小振りに終わり。ついに小田原で力尽きる。といってもこのあと東京まで車を飛ばさなくはならないが・・・。まあなんとか無事に終わった。

営業第四日目、最終日の成績は、『虚けの舞』×14冊・本体価格1900円 本体合計26,600
円なり。

そして、今回の出張の最終的な累計の成績は、注文冊数合計276冊、本体価格計542,800円に達した。前回の和歌山出張に比べると若干落ちるものの、いろいろと手応えも感じられた良い出張となった。

伊豆、東三河、小田原の書店員の方々、本当にありがとうございました。またいつかお会いできることを楽しみにしております。

(筆・春日)

営業部便り・2005.8 『営業直納作戦第二弾!!【和歌山出張】』

2005 年 8 月 6 日 土曜日

8月1日に小社から発売された、短期間で新宮高校野球部(和歌山県)を全国レベルのチームに育てた監督・古角俊郎の評伝『古角イズム』を販促するため、発売日に合わせて遠く和歌県へ出張営業にいってきた。昨年同じく小社から発売された『北但馬ムラの生活誌』の時は北但馬地方(兵庫県北部)へ出張に行き、思った以上の成果を出すことができたので、今回はそんなに気張らずにわりと気軽に出発することができた。今回も北但馬出張の時と同じく、車に(ちなみに自家用車・・小社には社用車は無い)本を積んで、直接現地の書店に営業して、ご注文いただいた部数をその場で直接納品してくるという手段をとった。『古角イズム』は『北但馬ムラの生活誌』より薄くて小さい本だったので、今回は350冊も積んでいくことになった(ちなみに『北但馬ムラの生活誌』の時は140冊だった)。

<7月28日(木)・出発当日>
和歌山は遠い。もしかしたら北但馬よりも遠いかも・・・。移動は丸一日かかりそうだ。まず自宅から会社へ車で向う。すでにこの時点で運悪く渋滞にはまる。やはり夏休みだからか・・・。AM10時半頃やっと会社に到着。車に『古角イズム』350冊と他の売れ行き良好書を数十冊積みこむ。AM11時前にやっと会社を出て一路東名高速のインターへ向かう。渋谷周辺でまた渋滞にあたる。幸先が悪い・・・。やっと東名高速にのり「ぶっ飛ばすぞう!」とアクセルを踏みこもうとするも、今度は事故渋滞で、ひたすらノロノロ進む。日本坂に着いた頃にはもうすでにPM4:00を回っていた。「まずいなあ・・今夜中に和歌山に着けるのか・・」焦り始める。日本坂を過ぎたあたりから、やっとスイスイ流れ始めたので、思いっきりぶっ飛ばす。遅れを取り戻さなければならない。
名古屋を過ぎ、名神高速に入る。もうすっかり夜になっている。京都を過ぎ、大阪に入る。そしてまた事故渋滞・・・。もうPM8:00を回っている。
事故渋滞は思ったより長くかからなかったので、またぶっ飛ばす。名神から近畿自動車道に入る。東大阪市を通り過ぎ、堺ジャンクションから阪和自動車道に入る。このまままっすぐ行けば和歌山だ。阪和自動車道はガラガラだったので、かなり飛ばして、いっきに遅れを取り戻す。岸和田、泉南、阪南と過ぎると、あとはずっと山、山、山。
その山を越えると眼前に和歌山市街の灯りが見えてきた。やっと着いたか・・・。もう時計はすでに9時半を回っていた。
和歌山市街に入る。夜の和歌山城はライトアップされていて、とても美しい。和歌山城の近くのホテルにチェックイン。さっさと寝ることにする。

写真1

<7月29日(金)・営業第1日目>
普段僕は布団で寝起きしているため、昨夜は慣れないベットでよく眠れず、寝不足気味。AM9:00にホテルをチェックアウトする。まだ書店は開店していないか、開店していても雑誌を出したりで慌しい時間帯なので訪問はもう少し後にする。ひとまず和歌山城でも見学しつつ、いろいろと作戦を練る。

第1日目の最大の目標は、和歌山市で一番店の宮井平安堂本店に営業をすることである。今回は小社の『古角イズム』の編集担当の河野が事前に三木店長様に会って、きっちりと営業していて、確実に100冊直納することが決まっていたので、気持ち的にはとても楽である。
出発前に三木店長様から電話で29日は不在と聞いていたので、この日は店長様にはお会いできず。ビジネス担当のMさんに本を100冊届け直納する。てっきり本店だけの販売かと思いきや、チェーン全店で販売していただけるとのこと。ありがたい。
さすがに地域一番店。結構午前中からお客さんが入っている。各棚担当の方々に挨拶をする。芸能担当のMさんと趣味実用担当のYさんから、9月に出る予定の本の注文もいただく。みなさん丁寧に対応していただき、長旅の疲れも忘れ宮井平安堂本店を後にする。次は宮脇書店ロイネット和歌山店を訪問。趣味・実用担当のHさんにお会いする。さっそく現物の『古角イズム』を見てもらいつつ営業をする。「そうですね。とりあえず10冊ください」とのお言葉。ついでに小社から最近出た野球本の『男泣きスタジアム』も見せつつ営業。「う・・んこの本は出た頃に平積みしてたけど、2冊ぐらい売れたかな・・」とのこと。「じゃあこっちは3冊ください」とのお言葉。早速車に駆け戻り。『古角イズム』10冊と『男泣きスタジアム』3冊を持ってきてお店に直納させていただく。H店長と人文担当のMさんにもお会いでき、いろいろ和歌山の書店情報を教えてもらう。どうやら近くにもう一店、同じ宮脇書店のチェーン店があるとのこと。早速その宮脇書店和歌山店に向かう。運悪く店長様は配達中で留守。また明日にでもあらためて伺うことにする。
この後は結構きつい状況が続く。和歌山城近くにあったかなり昔からある雰囲気の書店を数軒訪問するも、何処も店長様は不在。次は商店街の中にある書店をまわる。老舗っぽいT書店に営業をかける。『古角イズム』を見せつつ営業するも、「新宮高校は同じ和歌山でもここから車で4時間以上かかる遠方やからね。なかなか売れへんと思うけど・・」とのこと。う・・ん。確かに新宮はここから遠い。「でも和歌山市の海草中学(今の向陽高校)の伝説の投手、嶋清一の話も載ってますよ。古角さんは嶋投手と同じチームで甲子園に行って優勝した人なんです」とさらに営業トークをかまし、なんとか2冊注文をもらう。
あっという間に夕方になり。そろそろ第1日目の営業を切り上げることにする。宮井平安堂チェーン全店舗の注文分100冊があったので、とりあえず今日はまずますの成果。
営業第1日目の『古角イズム』の納品部数は112冊。

<7月30日(土)・営業第2日目>
今日は土曜日。通常なら営業はしない曜日だが、今回の出張は、本が出来上がったのが木曜日だったので、一日も早く和歌山の書店へ本を届けるためには土日を挟まざるをえない。
昨日に引き続き宮井平安堂本店を訪問する。三木店長様にお会いすることができ、今回チェーン全店で『古角イズム』を販売していただくことのお礼を述べる。この日は三木店長様自らPOPを作っていただき、入り口入ってすぐの一番良い場所で多面展開してもらう。三木店長様は宮井平安堂本店の店長様でもあり、かつ全店の営業統括もしているとても偉い方なのだが、とても腰が低く丁寧に対応していただく。僕のような若輩者に・・なんて良い人なんだ。

この後資格担当のNさんから小社の「ケアシリーズ」の注文をいただき、気持ちよく店を後にする。

写真2
写真3

次ぎに宮脇書店和歌山店を訪問する。昨日店長様にお会いできなかったので、今日こそは、と思い訪問。すぐに店長様らしき人が目に留まる。「あの・・出版社の彩流社ですが、店長様でしょうか?」「はい!そうです!店長の西田です」と元気の言い返事。「どうされたんですか?土曜日ですけど・・」。やはり土曜日に出版社の営業マンが来ることは稀みたいだ。早速『古角イズム』を見せつつ店長様に営業トーク。「う縲怩?B売れそうですね。ちょっと他の棚担当にも聞いてみます」とのこと。「これどう思う?売れそうやけど」と棚作業をしていた仕入担当の和田さんに意見を伺う西田店長。「いけると思うな。じゃあ50冊いきましょうか!」。「ええ・・いいんですか?」と逆に驚く僕。普段東京で営業していても、いきなりの飛び込み営業でそんなに大きな部数が出ることはめったにないので、なぜか反応がこうなってしまう。「じゃあこの棚に50冊並べちゃいましょう!」と案内された棚はなんと入り口を入ってすぐの特設台だった。普段は大手版元のベストセラーが置いてあるような棚であある。「ありがとうございます!!」早速車に戻り、50冊持ってきて納品する。和田さんは午前中の忙しい時間帯にもかかわらず、快く対応してくれて本を並べるのも手伝ってくれる。ずらっと並んだ『古角イズム』。「う縲怩?ヌい眺め」。
西田店長様からはいろいろと今の和歌山の書店のことや現状などを伺い、お茶までご馳走していただく。今日は幸先が良い。心の中で何度も感謝しつつ店を後にする。

写真4
写真5

「さあ。そろそろ和歌山市から出るか」。午前中に訪問した宮脇書店和歌山店の西田店長から「え!今日の宿の予約をしていない!? それは早くしないとまずいですね。今は行楽シーズンだし、白浜あたりではまず予約はとれませんよ」と言われていたのを思い出す。北但馬出張の時もそうだったけど、初日の宿の予約だけして、和歌山に乗り込んできたので、この後の日程、ホテルは全て当日予約するつもりである。なぜかというと出張前に宿の予約などを全部決めてしまうと、もし現地で想定外のことがあった場合(例えば書店の店長に気に入られて、「俺の家に泊っていけ」と言われたり(以前九州に出張に行った時にえらく気に入られてそう言っていただいたことだある)、営業しようと思って訪れた街が予想以上に寂れていて、書店がほとんど無くなっていたりした場合)、急遽予定を変更して、別なルートを組むことがあるので、柔軟に対応するためにもホテルの予約はなるべく初日だけにしている。あと書店へのアポも取りすぎると、約束の時間に訪問しようとするあまり、偶然訪問した書店でとても厚遇してもらった時に、足早に去るわけにもいかないので困る。なのでアポもどうしても必要な書店以外は取らないようにしている。ただ・・今回の和歌山出張はいつもと事情が違っていた。そうもうすでに8月。行楽シーズンである。子供たちは夏休みだ。これから行く予定の紀伊半島の海岸沿いはまさに観光地・・・。「ホテルの予約をしとくべきだった・・」携帯電話で当日予約可のホテルや旅館を検索するも白浜あたりでは一軒も見つからず、結局やっと見つかったのは、和歌山市からかなり遠い那智勝浦町のホテルだった。「那智勝浦まではかなり距離がある。今日行く予定だった海南市や有田市はパスするしかないな・・・」、急遽予定を変更。御坊市と田辺市に攻略目標を絞ることにする。
和歌山市から阪和自動車道に入り一路御坊市へ。道は空いていたので、思ったより早く御坊市に到着。老舗らしきS書店を訪問。S店長と書籍仕入担当のHさんにお会いする。御坊市の書店はCDやDVDとの複合書店が多く、あまり地元本は売れないとのこと。それでもなんとか『古角イズム』を5冊置いてもらうことになる。次に和歌山では一番店を持っていると思われるチェーン店のW書店を訪問。ストアマネージャーのFさんにお会いする。「僕は新宮出身ですけど、たまたま転勤でここに来ただけです。御坊市にはあんまり新宮の人は居ないと思いますね」とのこと。う・・ん御坊市はキツイか。嶋清一のこともみんな知らなかったし・・。早々に御坊市は切上げ次の目的地、田辺市に向かう。
宮脇書店和歌山店の西田店長から「田辺には地元本をよく売るT書店があるらしい」との情報をいただいていたので、早速そのT書店を訪問。T社長様にお会いする。明日棚卸しとのことで、ちょっとタイミングが悪かった。「新宮はちょっと遠いですね」とのこと。それでもなんとか『古角イズム』を3冊地元本コーナーに置いていただけることになる。次に海のすぐ近くにあるY書店を訪問。一軒CDとの複合書店で地元本はあまり置いてなさそうであったが、よく見るとちゃんとした地元本コーナーがある。これはいけるかも、と思い営業をかける。書籍仕入担当の女性の方に5冊置いていただくことになる。

この時点でもう夕方。夜の9時ぐらいまでには今日予約した那智勝浦のホテルに着きたい。のんびりしている暇もないので、田辺市を後に一路那智勝浦に向かうことにする。
途中山間を抜ける時は本当に真っ暗で、国道なのに携帯電話が圏外で繋がらなかったりする。「う・・ん那智勝浦までどれぐらいかかるのか・・」。なんとか夜9時過ぎに那智勝浦に到着。ホテルにチェックインする。
営業第2日目の『古角イズム』の納品部数は63冊。あと車に175冊の『古角イズム』がある。

<7月31日(日)・営業第3日目>
今日は日曜日である。そう日曜日になんて普通は営業するものではない(笑)
ホテルのフロントの方としばし歓談。僕が「出版社の者で新宮高校の監督だった人の評伝を営業に来てます」と言うと。「そうですか。私は新宮出身ですから、新宮高校野球部が強かった頃のことは覚えていますよ」とのこと。話が弾みいろいろと話しているとその人の旦那さんは写真家で本も数冊だしている人とのこと。とりあえずその旦那さんの写真家の名前を聞いてホテルを後にする。後で家の妻に電話してインターネットでその写真家を調べてもらったら、熊野地方をずっと撮り続けている写真家で、講談社とか大手版元からも写真集を出している有名な写真家だった。偶然すごい人の奥様と知り合った。これだから出張は何が起こるかわからない。こういう出会いがまた出張の面白さでもあるわけだが。
那智勝浦は大きな港のある町で、鯨や海豚が捕れ、とても美味しいらしい。僕は昔子どもの頃給食で出る鯨の肉が大好きだったのを思い出した。ただ日曜日であんまり店も開いてなくて、あいにく鯨の肉は食えなかったが・・・。
さすがに日曜日は書店も休みが多く、今日はあまり無理をせずに那智勝浦周辺を営業をすることにする。まず昨日来た道を和歌山に戻る形になるが、『古角イズム』の編集担当の河野の故郷でもある串本町に向かう。ここにも和歌山に多くチェーン店を展開するW書店があったが、地元本のコーナーも無く社員もあまり居なくて、ちょっと厳しい。とりあえず訪問するだけに終わる。
次に串本の商店街にあるK書店を訪問。「もう串本の個人経営の書店はうちだけになりました」とのこと。確かに書店総目録には串本にあと数軒書店があるはずだったが、ここ2年の間に全て閉めてしまったみたいだ。地方の書店の厳しい現実を垣間見る。K書店では『古角イズム』を3冊置いていただくことになる。これで串本はもう書店が無いので、とりあえずまた那智勝浦に戻ることにする。

那智勝浦へは『古角イズム』の著者の田中氏も近いのでよく書店にも来るらしい。よく田中氏を知るO店長の居るN書房を訪問。出発前に電話をいただいた時は10冊の注文だったが、訪問すると「もうすでに3冊予約注文が入っているから、あと5冊追加します」とのこと。計15冊注文をいただき早速納品させていただく。O店長からいろいろと那智勝浦や新宮の書店のことなどを教えてもらう。「ここまで来るのは大変でしょう」とのこと。「取次ぎの営業マンも年に2回ほどしか来ないからね」とのこと。
次にT書店を訪問。CDとの複合書店だが、那智勝浦では一番大きい書店のようだ。T店長と書籍仕入担当のIさんにお会いする。T店長はとても元気でな方で「こりゃ売れるでえ縲怐vと30冊の注文をいただく。Iさんも小社の他の書籍にも興味を持っていただき何点か置いていただけることになる。那智勝浦には他にも2軒ほど書店があるが、日曜日はお休みとのこと。また明日訪問することにする。
ちょっと時間が余ったので、車で15分ほどで行けるので那智の滝を見に行く。落差日本一の滝。「う・・ん確かに美しいけど、華厳の滝の方が大きいような・・」
営業第3日目の『古角イズム』の納品部数は48冊。あと車に127冊の『古角イズム』がある。

<8月1日(月)・営業第4日目>
やっと最終日。長かったような短かったような・・・。「あと残り127冊の『古角イズム』を全部納品できるだろうか・・」今回の僕が立てた目標は積んできた350冊全てを納品することである。
「絶対やる!」という信念のもと出発。
まず昨日日曜日で休みだった那智勝浦のH書店を訪問。予約注文が1冊入っているとのことで、プラス5冊注文をいただく。計6冊納品。「日曜日は兼業でやっている旅館で働いている」とA店長。やはり書店だけだと結構大変なのか・・・。次ぎに同じ那智勝浦のN書店を訪問。文具主体の書店だったが、熊野地方の郷土研究誌「熊野誌」は結構売れたとのこと。とりあえず3冊注文をもらい納品させていただく。これで那智勝浦の書店は全て訪問し、直納したので、いよいよ新宮高校のある『古角イズム』の舞台である新宮市へ向かう。
まず新宮市の老舗書店のA書店を訪問。A社長にお会いする。「今日棚卸しなんや縲怐vとのことでバタバタしている。事前では20冊の注文だったが、「近くのくまの書房さんからは50冊注文いただいてます」と僕が言うと「じゃあ50冊いこうか!」とA社長。これから配達に行くとのことで、あんまりお話できなかったが、配達する雑誌の多さには驚いた。ざっと50冊ぐらいはあるか。かなり地元に根ざしていて、馴染みの顧客も多く持っている書店であるのは間違いない。これはかなり売ってくれそうである。

次ぎにくまの書房を訪問。こちらも地元に根ざした老舗書店らしい。大江店長様はとても気さくで面白い人。新宮高校卒業で、あの偉大な小説家、中上健次と同級生だったとのこと。『古角イズム』のお店オリジナルの販促チラシや、店長様の息子さんがパソコンで作っているという店オリジナルの本の情報誌にも『古角イズム』の広告を出してくれてる。僕が訪問した時、店長様は電話中だったのだが、その相手はなんと著者の田中氏だった。「まだ彩流社の営業は着いてないんか縲怐vとのことらしかったが、電話を切ったら目の前に僕が居たとのこと。早速「50冊じゃあ足らなくなりそうやから、あともう50冊欲しい」とのこと。車を見ると後残りが68冊・・・。すぐに会社に電話して、50冊くまの書房に送ってもらうよう手配する。店頭だけでなく、国際熊野学会でも売ってくれるとのこと。これは本当にかなり売ってくれそうだ。
営業第4日目の『古角イズム』の納品部数は127冊+(追加分50冊)。というわけで、最後はあっという間に本が出て行き、積んできた『古角イズム』は全て無くなっていた。さらに追加50冊もいただけた。ちょうどきりが良いところで営業を終えられることになった。気持ちもスッキリ。ただもうヘトヘトである。
帰路につく。ここから東京まで車で何時間かかるのだろうか・・・。とりあえず名古屋に向かう。結局名古屋に着いた頃には夜中になっていたので、名古屋で一泊。8月2日の夜。やっと帰社する。ここまでは大成功。でもまだ売れたわけじゃない。今度の出張の成果は本が売れた時点で初めて叶えられる。
今回の和歌山出張の成績は思った以上だった。具体的に記すと、営業日数4日、訪問書店は延べ20軒、合計納品部数は400冊、合計納品本体価格は60万円、という感じである。

<8月中旬・出張約2週間後>
宮井平安堂本店では順調に売れているとの情報。三木店長様に電話すると「今秋の宮井平安堂の週刊ベストセラー第3位に入ってます」とのお言葉。すごい! うちの本が第3位。めったに無い(笑)。しかもその翌週は第1位になっていた。宮井平安堂様本当にありがとうございます。
那智勝浦のN書房さんからは二度目の追加注文。「23冊売れてます」とのこと。新宮のA書店は「初回の50冊は全部売り切れた」とのこと。おお!すごい。著者の田中氏が新宮や那智勝浦で宣伝活動をしているお陰でもあります。

今回は多くの方のご支援をいただき、営業結果、そして実売結果ともに予想以上の売れ行きが記録できました。和歌山で出会った多くの書店員の方々。突然の飛び込みにもかかわらず、注文を出していただき、そして急遽売場を設けていただきました。本当にありがとうございました。この場を借りて深く御礼申し上げます。(※今回この「営業部便り」には小社HPへの掲載の許諾をいただいた書店員の方のみお名前を掲載させていただきました。)

(筆・春日)

営業部便り・2004.5 『長野&山梨・御柱祭ミッション』

2004 年 5 月 1 日 土曜日

今年は長野県・諏訪大社の六年に一度の大祭、『御柱祭』が行われる。この祭りは約千二百年前の平安時代から信濃一国を挙げて行われてきたとのことで、非常に歴史的な祭事なわけであるが、この『御柱祭』に関係する本で「諏訪神社謎の古代史」という本が小社から出版されており、ちょうど品切れになりそうだったので、今年は六年に一度の『御柱祭』という絶好の機会、ぜひとも重版がしたい。この本は1995年3月に発売以来ロングセラーを続けていて、なんと今回重版すると5刷り!という快挙を成し遂げることになるのだが、昨今の出版不況、今までのようになんでもかんでも即重版というわけにはいかない情勢が続いていて、最低でも重版前に200冊ぐらいの事前注文が欲しいということになった。『御柱祭』は4月上旬から始まる。2月時点での溜まった注文分が約100冊。あと100冊以上の注文を取ってこないと理想的な重版をすることはできない。私は入社以来まだ一度も長野県の書店に出張営業したことがなかったが、「今行かねば何時行く!」ということで、あまり準備も出来ていなかったが、ちょうどスケジュールに空きができたので思い切って行って見る事にした。
長野の書店は郊外店が多く、駅から離れているので徒歩やタクシーを使うと非常に効率が悪い。なので今回は車で高速道路を使って行くことにして、途中山梨県も営業することにした。3月9日縲怩R月12日まで、4日間で「諏訪神社謎の古代史」の注文を最低100冊以上取ってくるのが第一の目標である。
3月9日、今回は自家用車を使うので練馬の自宅から朝出発、中央道を使って一路甲府まで。PM1:00に甲府に到着。意外と近い。まず甲府駅周辺の書店を周る。やはり地方都市の情況は何処に行っても同じで、駅前なのに通りを歩く人は少なく商店街も8割がたシャッターが閉まっている。「うーん・・・早速厳しい雰囲気・・」萎えそうな気分をなんとか奮い立たせ、駅前の百貨店内にあるS書店を訪問する。人文担当のSさんはとても礼儀正しく丁寧な対応をしてくれ、平積みを3点もしてくれることになった。Sさんは高校生の頃から小社の「連合赤軍関連本」などを図書館で読んだことがあり、どんな出版社なのか気になっていたとのこと。私よりずっと若そうだが、最近の若い書店員からはあまり聞かれない言葉に驚き、また感心する。幸先が良い。
その後は甲府駅周辺の老舗書店などを歩いて周る、なかなか注文を出してもらえない。R書店本店では、ちょっと無理を言って注文をもらったりする。とりあえず甲府駅周辺はこれ以上難しそうなので郊外に営業目標を拡げることにする。駅から車で10分足らずの所にあるR書店本店を訪問。ここも山梨の老舗書店だが、郊外型書店にしては珍しく、人文関係の本の品揃えが非常に充実していた。小社の本も比較的売れており人文担当Kさんから何点か注文をいただく。「まだまだ老舗書店も頑張っているなあ」と思い直された。この後周った郊外店は首都圏と同じような新刊書と雑誌中心の品揃えをしている書店が多くなかなか注文には至らなかった。この日の最後に訪問した書店、敷島にあるY書店は以前から小社のDMやFAXに反応してくれていて、よく注文が来ていたので気になる書店だった。市街からだいぶ離れていてとても小社から出ているような小部数の本は置いてなさそうな場所にあったが、S店長、仕入れ担当とKさんはとても快く対応してくれ、何点か注文もいただいた。9日は韮崎まで行った時点で夜遅くなったのでここで切り上げることにする。山梨県は初の訪問だったが、何軒か頑張っている書店、書店員の方々との出会いがあり、それなりに満足できる内容だったと思う。
3月10日、いよいよ今回の出張の最大の目標である御柱祭が行われる中心地、諏訪、茅野、岡谷周辺の書店へ営業攻勢をかける。このあたりにある有力書店はほとんど郊外店のため、車でないととても周れない。まず諏訪湖近くでたまたま通りかかって見つけたS堂書店を訪問。T店長に『御柱祭』のことをいろいろと教えてもらい、今後の営業に役立つ情報になる。小さい書店だったが、ちゃんと御当地本の充実した棚があったので「諏訪神社謎の古代史」も置いてくれることになる。次に訪れた書店は長野の最大手のチェーン店、H書店の諏訪店。この店は『御柱祭』に向けて大きなフェア台を設けており、神社の模型まで飾ってあって面白い棚ができていた。ここで担当Mさんから20冊の注文をもらい、一気に勢いづいて茅野周辺の書店に向かう。今度は同じチェーン店、H書店の茅野店を訪問。この店も『御柱祭』のフェア台があり、担当のGさんから30冊の注文をもらう。まだ午後1時前だが、かなり調子が良い。「これは行けるぞ!」と喜び勇んで次の書店へ。以前からよく小社のDMやFAXに反応してくれていて注文もよく来ていたB書店へ。ホームセンター内にあるはずだが・・・。フロアの何処を見渡しても書店らしきものがない。フロアの案内図にはちゃんと書店名が載っているが・・・。フロア内の電気屋の店員に聞いて見ると。「最近撤退したみたいです」とのこと・・・。残念・・。気を取り直して、岡谷方面へ向かう。老舗のK書店本店を訪問。意外に首都圏の郊外型書店のような品揃えをしていた。店長は外出中で会うことができず、別の担当者にチラシを渡してもらうように頼む。この後の行程はずっと厳しい情況が続き、何処も不作に終わる。場所を変えようと思い、いったん茅野に戻りそこから杖突峠を越え伊那方面に向かう。途中、私の先祖にあたる武田信玄の家臣「春日河内守昌吉」が織田信忠、滝川一益の大軍と戦って壮絶な戦士をしたと言われている高遠城を訪れ、先祖の霊に今度の旅の無事を祈り。いざ伊那市へ。数店訪問するも思ったような結果が出ず今度は飯田方面に向かうも夜になってしまい、途中の駒ヶ根近辺で通りかかったH書店駒ヶ根店を訪問。担当Iさんは夜遅い訪問ながらも快く対応してくれ、注文もいただける。ここで体力、精神力ともに限界に達したので10日の営業は切り上げることにする。Uターンして松本で一泊するために高速に乗り、一路松本へ・・・。
11日、さすがに松本駅周辺は都会といった感じで少しは活気があるが、やはり地元の老舗書店などは経営が厳しいらしく何処も慎重な数の注文をくれるか、全く注文は出せないといった感じであった。R書店は2週間前に廃業したらしい。結局一度も訪問できなかった。残念・・・。ただ何処の書店も御当地本や長野県の版元の本を置いているコーナーが充実していて面白そうな本が結構あり、思わず買いたくなる。唯一外国文学の棚が充実していたR書店で文芸担当のNさんから小社の外国文学の既刊本の注文をいただき、その後昼休みに松本城を見学する。小学生の頃訪れたことがあり、すごく大きな城だった印象があるが、20年ぶりに訪れてみると、「え・・こんなに小さかったっけ・・」と思ったが、やなり美しい城であることは変わらず、「日本の城は美しい」と改めて感じさせられる。午後は周辺の老舗書店のT書店、K書店などを訪問。その後松本駅ビル内にあるK書店へ、この書店から、かなり以前になるが小社の鉄道本の注文がよく来ていたらしく気になっていたので訪問してみる。結構\\\広い店内は客入りも良く充実した品揃えの書店だった。M店長から松本の情報などをいろいろと教わり、注文も多くいただく。鉄道本の注文がよく来ていたのは、この店に鉄道マニアがよく来るとのことで鉄道本のコーナーは常に充実させているからだった。小社の鉄道本はもうなくなっていたので、もう一度置いてもらうことにする。その後はS大学生協へ、人文書がかなり充実している生協だった。ただ担当Iさん曰く「それでも人文書はだんだん売れなくなってきていて、棚も縮小しつつある」とのこと。松本周辺を周り尽したので、郊外店を営業することにする。かなり大きいという噂のM書店を訪問。確かに大きい、400坪ぐらいはありそうだ。小社の「新右翼」が平積みになっていて、ちょっとこだわりのある陳列をする書店員がいそうな気配が漂う。担当のM店長さんはM書店チェーンの中心地、四国の香川から来ている人で、関東の人間にはほとんど大阪弁と同じに聞える香川弁で弾丸トークを浴びせられる。今年に入って2日しか休んでいないそうで、かなり忙しいということだったが、いろいろと話を聞いてくれて注文も多くもらう。11日はここでとりあえず切り上げ、長野市に向けて出発、長野駅前のホテルに一泊する。
12日、いよいよ最終日である。長野駅前にあるH書店を訪問。洒落た内装、書棚で各ジャンルとも充実した品揃えの店だった。次に長野駅ビルにあるK書店を訪問。小社の販売実績はほとんどないにも拘わらず、御当地本コーナーで「諏訪神社謎の古代史」を置いてもらえることになる。その後は善光寺方面に向かう。蔵造りの書店が多く、書棚に歴史の匂いが染み込んだようでとても良い感じだった。その中のC書店のH店長は知的な雰囲気でかなりのベテランといった雰囲気を漂わせていた。小社の本は「よく図書館から注文がくる」とのことだったが、何点か試しに店売でも売ってもらえることになる。その後は善光寺の近くの書店、K書店、N書店を訪問。店長はどちらも不在だったが、K書店の新刊棚に小社の「ジョン・コットンとピューリタニズム」がひっそりと陳列してあった。都内の超大型書店ぐらいにしか置いていないその本がこんな所で売られていたのにはちょっと驚いた。長野駅と善光寺周辺の書店を周り尽くして、夕方になり、最後にどうしても行ってみたかったM書店大豆島店に向かう。長野市街からかなり離れており、道を間違えたかと思うぐらいだったが、なんとか辿り着く。一見普通の駐車場付きの郊外型書店だったが、店長のNさんはサブカル本好きで小社の本もよく売ってくれている人だった。ただ「注文しないと彩流社の本は新刊で取次ぎから入ってこないね・・」と言われる。取次ぎの配本パターンに頼るのはやはり問題で、ちゃんと売れている店でも配本が無いことはよくあるということを改めて実感させられる。この後、日が暮れるまで周辺の郊外型書店などを周るがなかなか良い書店に出会えず川中島の古戦場近くで日没を迎えたのだった・・・。
今回の「長野&山梨・御柱祭ミッション」は4日間で延べ34軒の書店を訪問し、約50人近くの書店員の方々と出会えた出張営業だった。別に狙ったわけではないのだが、終わってみて「諏訪神社謎の古代史」の合計注文冊数を数えてみると、ちょうど100冊ぴったりだった。こういうことってよくあるんですよね縲怐E・不思議なものである。
この場を借りて、山梨、長野で出会った多くの書店員の方々、初めての突然の訪問ながらとても礼儀正しい対応をしていただいたこと、生涯忘れません。本当にありがとうございました。「諏訪神社謎の古代史」を何卒よろしくお願い申し上げます。

(筆・春日)

営業部便り・2002.6 『本が輝く棚とは』

2002 年 6 月 1 日 土曜日

書店に行くと実に多種多様な本があります。特に大型書店などの巨大な棚は、単にベストセラー本や新刊本だけを並べただけではスカスカになるので、かなり以前に出版された本や規模が小さい出版社の本も置いて、様々なお客さんのニーズに答える商品構成をしなくてはなりません。当然この作業をするのは現場の書店員であり、それぞれのジャンルの棚の仕入れ担当者であるわけです。“棚に本を並べる”実はこれが簡単ようでいてかなり奥が深く難しい作業なのです。今現在私は出版社に在籍していますが、以前割と長い期間書店で働き書籍仕入れと棚担当をしていたことがある経験上、身に染みてそのことはよく分かります。最近巷(特に出版業界内)では、「金太郎飴書店が増えた」とか「ついつい衝動買いしてしまうような棚のある書店がなくなった」などとよく耳にします。私も一時期そう思っていました。しかし私は営業で全国の様々な書店を周る間に、その考えが誤りであることに気付かされました。ちゃんと頑張って、本を仕入れて魅力ある棚を作れる、または作ろうと努力している若い書店員達と数多く出会ったからです。
今回紹介させていただく三省堂書店神田本店で文芸書棚を担当する奥澤さんもその中の一人です。本が輝く棚、つい買う目的の本だけでなく、その隣りに並ぶ本や、その書店でしか見られない個性的なフェア台の本も衝動買ってしまうような棚。それを作れる書店員です。ただ、奥澤さんの作った棚に感心し、興味を持った人が私だけなら、たまたま私と奥澤さんの好きな本の趣味が一緒だっただけで、悪く言えば自己満足の棚に過ぎないと思う人もいるかもしれませんが、奥澤さんの棚に感心しているのは、私だけではないということを、最近出版社同士の会合や、三省堂神田本店を訪れたことのある友人、知人複数人から「あそこの外国文学の棚は凄いよね、ポップとかも個性的だし本好きにはたまらないよ」と言うのを聞きくにつけ、確信へと変わりました。この前なんて某出版関係の業界紙の記者の方が「あそこは凄いよね、ぜひあの棚の担当者の取材をしたいな」と言っていたぐらいです。
毎月奥澤さんが仕入れて行う外国文学のフェアは実に面白かった。今月はサッカーワールドカップに因んで「ワールドカップ文学フェア」それぞれの出場国の文学を集めたフェアで、小社からも「あらゆる名前(ポルトガル)」、「カカオ(ブラジル)」、「僕のうちは殺された(クロアチア)」などを並べていただきました。先月のフェアは「自殺の文学史フェア」で自殺に関係する作家や内容の本を並べて、自殺をイメージさせる洒落たポップ(ちょっと恐い・・)もついていました。その前の月は確か「ダメ男フェア」とかいうので、例えばニック・ホーンビィ著の「ハイ・フィデリティ(新潮文庫)」(この本は私も読んだことがあるが、本当にうだつのあがらないダメ男が主人公だった)が並んでいたのを覚えています。さらに凄いのはこれらのフェアはただ面白いというだけでなく、ちゃんと売れていてフェア全体で百冊以上売れることもあったということです。
ただここで残念なお知らせをしなくてはなりません。そんな素晴らしい書店員の奥澤さんが移動になることを本人の口から先週営業で三省堂を訪れた際に聞くことなりました。三省堂書店の別の部署(売り場ではない)に移動とのことです。

そこで私は言いたい「三省堂書店さん!!もったいないですよ。奥澤さんの作った棚を見てください!!!」と。
会社だから人事異動はしょうがありません。でもせめて後半年、一年はやっていただきたかった。奥澤さんがいつか売り場に戻ってくる日を願っています。
他にもぜひ紹介したい素晴らしい書店員の方々は日本全国にたくさん居られます。みなさんも今度書店に行った時はじっくり棚を観察してみてください。その棚の本を仕入れて並べた書店員の想いが感じられるかもしれませんよ。

奥澤さん
ワールドカップ文学フェア

(写真・三省堂書店神田本店にて、左:奥澤さん、右:「ワールドカップ文学フェア」)

(筆・春日)