書店をたずねて三千里

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西武新宿線

このたび小社から刊行された『西武新宿線 街と駅の1世紀』を読むと様々な記憶がよみがえる…。

西武新宿線は私にとって、とても思い出深い路線のひとつだ。

西武新宿線の高田馬場から8駅目にある下井草という駅のすぐ近くで、ほんの1年半ほど一人暮らしをしたことがある。
駅から歩いて5分ぐらいのワンルームのアパート。当時フリーターだった自分にとってはかなり高い6万8千円の家賃。バイト代の半分は家賃で消えていく生活。
アパートは線路のすぐ側に建っていて、列車が通るたびに、電話の話しができないぐらいの轟音と地響きがした。時々いきなり警笛を鳴らす列車もいて、あまりの音の大きさにドキッとさせられることもあった。
終電が終わったあと、ひっそりと急にあたりは静まり返る。早朝は始発列車が通り過ぎる音で目を覚ました。

そんなある夜、確か夜中の午前2時頃だったと記憶している。もうとっくに終電も終わり、始発までもまだかなり時間がある真夜中に、驚いたことに電車が走ってくる音と地響きがしてきたのだった。一瞬夢かと思ったが、確かに自分は目覚めている。飛び起きて窓を開けた。そこには確かに黒っぽい列車がアパートの目の前の線路を走っている姿があった。まるでそれは子供の頃、銀河鉄道999で観た幽霊列車のようだった。

夢のように一瞬の出来事だったが、今冷静に考えると、たぶん何か緊急の工事のための列車か、貨物列車か、その手の列車だったかもしれないが、あの夜の不思議な光景が今も忘れられない…。

【文責 春日俊一】