書店をたずねて三千里

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血の通った本造り!

またまた懐古談。地方の書店は、それこそ「文化」の発信源だった。
その地域の老舗書店主は時に相談役として地域の問題を解決し処理する要だった。世の動きに地方が翻弄される時も的確に方針を出す「旦那」の役目を担っていた。

このころ、地域の本を企画出版するとき、この「旦那」店主に相談して造ることが、必須だった。
ほとんど違わずに、書き手を指名し、資料の良し悪しにもすすんで見解を示し、それに沿う形で進めていくと、実際の販売にも確実に成果をあげてくれた。
郷土史家との打合せ、取材・撮影にもアドバイスを頂くこともあった。そこには「商売」を超えた、本を造る喜びを共有する「間柄」があった。

いま、そうした書店主には出会わない。郷土史家もいない。あの血の通った本造りは、過去のものとなってしまった。
地域が空洞化し、機能性や時間的短縮が優先され、「技術」が優先される。何かおかしい、と思う。

SNS的「文化」がしたり顔でまかり通る風潮に、恐れを覚える。まだ、間に合うと思いながらの時間に幻惑されず、だ。

(力丸@)