書店をたずねて三千里

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溜まり続ける本達

版元営業マンになってから、今年の6月で早15年目になりますが、果たしていままで何軒の書店を訪れたことだろうか…数えきれない。
日本全国、最近は日本を飛び出して中国や台湾の書店まで、ありとあらゆる書店を訪問しましたが、超巨大書店のように何十万冊の本の海でしか出会えない本もあれば、代々木上原にある幸福書房のような20坪という狭いスペースに、店主の好みと地域のお客様の趣向が絶妙に合わさった感覚の上に研ぎ澄まされた長年の感(?)で選書された書店の棚でしか出会えない本や、模索舎のようにミニコミとか中核派の機関紙「前進」が置いてあるような書店でしか出会えない本、地方の過疎の書店にあったりする郷土出版社の棚でしか出会えない郷土史の本、中国の書店に置いてあった中国でしか売っていないと思われる若手の中国人の画家の画集などなど…

そう、版元営業マンは本に出会い過ぎてしまう困った職業(?)なんです。
そんな日々だから、かなり我慢して、買いたい欲望を抑えていても、気が付けば自宅の書棚から溢れた未読の本のタワーがニョキニョキと、あちらこちらに立っていきます。

数年前、無理して中古の一戸建てを30年ローンで購入して、「ついに夢の書斎が作れるかも!」と喜び舞い上がったのも束の間、木造の築15年の2階に、千冊を超える本を置いたら、間違いなく床や柱の耐荷重をオーバーして木造の家が歪んでしまう危険性があるということに、家を買った後に知った間抜けな私でした(生まれ育った実家は築60年の一階建ての平屋だったので、2階に本をたくさん置くのはダメだということを最近まで知らなかった)。

1階なら、2階よりは本をたくさん置けるようですが、リビングは、かみさんの許しが下りずダメ、1階にあるもうひとつの部屋にとりあえず半分本を置いて、あとは2階に置いている状態ですが、そろそろ2階は許容量を超えそうになってきました。大きな地震が来たら家がそうとう軋みそうです。

本はどんどん増えていくもので、新刊書は普通に買いますが、その他にも、古書店の100円コーナーやバーゲンセールで大量に買ってしまう、ネットで買う、人から貰う、道で拾う、版元の仲間から貰ったり買う、編集を担当した作家の本を買う、トークライブで買う、書店員に勧められた本を買う…流れに任せると、本当にどんどん増えていきます。

ということで、このままでは確実に無尽蔵に増え続けるので、最近はスマホで毎回購入額を全て記録して抑制し、どうしても欲しい本だけ買うように、かなり無理をしてそうしています。あと減らす作業も必要なので、先日断腸の思いで、100冊ほどの大事な本を古書店に売りました。ほんの少し自宅の本のタワーが減った感じですが…100冊売っても2490円にしかならなかったことからくる哀しさ(俺の本たちよ、安く売り渡してしまってゴメン)から、今度売るのは、さらに身を削られる思いをすることになりそうです。

この前、2ちゃんねるで同じような人達の悩みが書き込まれているスレッドを見つけました。
本が売れなくなったと言われて久しいですが、本が買いたくてしょうがない人間は私をはじめ、まだまだ日本にたくさんいるようです。

だから本屋さんにも、他社の版元にも、これからも未来永劫、諦めずに、いつまでも頑張って本を作って、売り続けて欲しいと、切に願ってやみません。

【文責 春日俊一】