書店をたずねて三千里

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分野に特化した書店営業か

5月刊行の『ロシアを動かした秘密結社』(植田樹)が、ロシアを動かしているのはフリーメイスンだ、との切り口で興味ある内容になっている。中国の幇・黒社会を歴史的背景から記述したものは、東洋史研究者・酒井忠夫氏が出している。社会を動かす表社会と、ある種インターナショナルで国の枠を超えて動く「裏=闇社会」があり、「秘密結社」として現実味を帯びてくる。「秘密」は見えない部分が強い結社的繫がりと規律で成り立ち、その存在を意識化させる。探偵推理小説の世界にも、その秘密性が強いほど、惹かれるものが強いといえる。人の闇は世の闇。視点を自然社会に向けても、宇宙の闇は計り知れず厳然としてある。ミクロの原子、分子の世界にも、ある。大型化する書店の中で、潰れる本屋さんは多く、街の本屋がコンビにショッピングセンターに取って替わられた。ネット検索で調べ、調達し手に入れられる時代になっている。その網に絡められないものが、人文、自然科学にあり、地道な調査・研究が続けられている。それら2030年坦々と続く研究。決して闇ではない「仕事」をまとめる本造り、本屋さんは、特化した中で表社会に光を放つものである。(力丸@)