書店をたずねて三千里

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何故か顔は忘れない…

子供の頃の私は、体は大きかったのですが、性格は大人しくて引っ込み思案で、恥ずかしがり屋で、絶対に営業マンなんていう仕事をするなんて夢にも思わなかった人間だったのですが、出版社で営業マンという仕事に就いて、気が付けば14年ほどの月日が流れ、まあ本当に…自分でも驚きです。

今では営業が天職だったと思う瞬間もあるほどです(といっても基本的に今も根本は変わらず、恥ずかしがり屋で不器用な営業ですが…)。
そんな自分の特技というか、唯一人より勝っていると感じた特性を、営業マンになって初めて見つけることができました。

それは…「人の顔を覚える力が他より秀でている」ということでした。

私の特技なんていうものは、あったとしても、子どもの頃から、学校では勉学の役にも立たず、人の役にも社会の役にも立たないものばかりでした。
例えば、当時、流行っていたエアガンで、友達同士で射撃が誰が一番得意かゲームをして競い合ったりすることがよくありましたが、ほとんど毎回、圧倒的なスピードと、的を正確にど真ん中を射ぬく天性の技術で、常にぶっちぎりでトップの射撃の腕前でした。子供の間ではその間だけは神です。ダーティハリー状態です。
とまあ、ドラえもんの野比のび太君のように、社会ではなんの役にも立たない特技しか持っていない子供でしたが、営業マンになって気付いた特技も、たぶん大して社会では役に立たなそうな「人の顔を覚える力が他より秀でている」とうものでした。

でもこの特技、実は営業マンという仕事においては、結構役に立ちました。
この特技をうまく使うことができれば、商談相手(主に書店員)に、とても印象が良くなることがあるのです。

顔を覚える力がかなりある、と思ったきっかけとなる出来事はたくさんあるのですが、例えば、10年前ぐらいに熊本に出張営業に訪問したリブロという書店でわずか10分ぐらいしか話さなかった書店員のMさんの顔をずっと覚えていて、その5年後ぐらいに、川崎に営業に行ったとき、しかも営業先の書店はリブロではなく、あおい書店でしたが、人文書の担当者を見つけて、その担当者が振り向いた瞬間「この人会ったことある!」と気付き、すぐに「どこかでお会いしましたよね?」と確認しましたが、Mさんは10年前に10分しか話さなかった版元営業のことなど全く覚えていないのですが、私は「絶対に会ってますよ!」と言い張って、名札を見て「あ!」と熊本のことが甦り、「熊本のリブロにいたMさんですよね?」と確認したところ、「そうです! ちょっと前にリブロから、あおい書店に転職して、いまこの川崎店で働いてるんだけど…よく覚えてましたね」という風に、さすがにそこまで自分のことを覚えてくれていると、人ってなぜか嬉しかったりするもので、簡単に打ち解けてしまったりすることが、いままでの営業マン人生のなかで多々ありました。

まあ、そういうことで、たいした特技ではないのですが、この「人の顔を覚える力が他より秀でている」という特技を持って生まれてきたことに、営業マン春日俊一42歳は、深く感謝したいと思います。

自画自賛で今日は終わり!

【文責 春日俊一】