書店をたずねて三千里

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今月から「編集部だより」に続き「営業部だより」も設けることにしました。よろしくお願いします。

世間一般の人達の思い描く出版社のイメージは、やはり編集部だと思います。実際に出版業界で働いたことのない知人、友人から「出版社の営業マン・・!?、それって具体的にどんな仕事してんの?」と聞かれることもよくあり、「印象が薄い=大した仕事をしていない」などと思われてしまいかねない出版社営業部の名誉のため(ちょっと大袈裟だが)読者に最も近い存在である書店様との関係、読者に小社の本がどうやって届いているかなど、私、書店営業マンの目から見た「現場の真実」をお伝えしていきたいと思います。
全国に何万軒とある書店に本を流通させているのは主に取次ぎ会社(日販、トーハンなど)であるわけですが、大雑把にい言いますと各取次ぎ会社独自の配本パターンがあって、「この地域の何処そこの書店にはこの本は何冊配本」、というふうに決められた数が効率的に全国の書店に配本される仕組みになっています。毎日何百点と出版される書籍を時間やコストの制約の中で書店に配本するには自動化、効率化はやむを得ないのですが、やはりこのパターンに任せきりになると、実際はもっと売れそうな書店に1冊しか配本がないとか場合によっては配本なしで書店の店員はその本が発売していることすら知らない状態ということもおこりえます。そこを出版社の営業マンは調整するため、発売前に書店を訪問して今度出るこの新刊はぜひこの書店で売れそうなので、置いてみていただけますか、とお願いをする、それに答えて書店の仕入れ担当者が「じゃあこの本はうちは3冊欲しいとか、売れそうだから20冊欲しいなど、はたまた、売れそうもないから見本で1冊で良いよ」などと事前注文をいただき、その注文書を発売直前に取次ぎ会社に持っていって配本パターンに一部組み入れてもらうことによって、全体の3割から多いときには7割の配本を出版社の方で指定して書店に置いてもらうというわけです。配本が済んだ後も全体の売れ行き状況を見て予想以上に売れているから、もっと他の書店を訪問したり、DM、広告などの宣伝活動を加えて販売促進をする。この他にも物流の改善、書店からの受注データ、売上データの分析、またそのデータを営業活動に活かしたりなど、取り組んでいることはたくさんあります。
仕事の全体を簡単にまとめて言うとこんなところです。読者の皆様も書店に立ち寄った際に注意して見てみるとと売り場のあちらこちらに書店員と折衝をしている出版社営業マンの姿を見ることができると思います。今度じっくり観察してみたらいかがでしょうか。

(筆・春日)