書店をたずねて三千里

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『越後 毒消し売りの女たち』行商記

昨年8月『越後 毒消し売りの女たち』を営業するために新潟に出張した。

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なかなかまとまった時間がなく、ずっと書き上げられなかったものだが、とても思い出に残る、営業マン魂に火を点けさせられた出張営業だったので、どうしてもいつか発表したかった。
例によってまたかなりの長文になるが…どうかお許しを。

私は、新潟県には過去に一度も営業に行っていない。今回が初だ。
数軒、ずっと小社のDMに反応してくださり、注文をし続けてくれている気になる書店があるのだが、いまだ訪問適わず。不徳の致すところだ。

そして、その好機がやっと訪れた。新潟県にとても関わりのある本が発売になったのだ。
そう『越後 毒消し売りの女たち』である。
この本のゲラをはじめて担当のS編集長からもらってざっと読んだ瞬間、「これは間違いなく売れそうだ!」と久しぶりに(笑)に強く感じたのである。

舞台は、現在の新潟県新潟市西蒲区。角海浜と呼ばれる浜がある。

本の内容説明をしよう。
特異な運命を辿った集落の歴史を追う謎解きの旅!「毒消しゃいらんかね」宮城まり子の唄で歌われ、越後の美しい女たちが全国をけなげに毒消し(腹痛薬)を持って行商した村は消滅した。その村には意外な歴史が秘められていた…。

この行商の村があった場所、それが角海浜なのである。
とても興味をそそられた。

この浜を訪れた話は最後にとっておこうと思う。

先に新潟の営業の話をしたい。

今回も恒例の、本を車に載せ、書店を訪問営業したその場で、注文をもらった数の本を仮伝票を切って即納品するという方法をとった(通常、出版社の営業マンが書店営業をする時は、注文書に書店の仕入れ担当者から番線印(書店さんが持っている書店名とコード番号等が彫られたハンコ)を捺してもらい、それを会社に持ち帰ってから、その注文書を、該当する本につけて取り次ぎ(問屋のような会社)に渡し、その取次ぎから、注文をもらった書店に本が納品されるという流れをとる)。
この場合のメリットは流通過程で取次ぎを通さない分、早いし確実に本を並べてもらえる。
そして、本を直接見せて、しかも遠方からわざわざ持ってきたとなると、本屋さんの対応も少しは違ってくるし、こちらの熱意も伝わる。宣伝力が無い、ヒット作が無い等で無名社で、しかも小部数なので地方の書店に配本されないなど、弊社のような小さな出版社の場合は、特にこれらのことが重要になってくると思う。

私の自家用車、スズキ・アルトラパンに『越後 毒消し売りの女たち』を200冊積み込む。
わりと重量が軽い本なので、あまりラパンも苦しそうではなさそうだ。

《8月6日(水) 出発前日・当日 営業第一日目》

(※撮影と営業について本ブログに掲載の許諾を得た書店のみ担当者様名を掲載した。)

出発前日の夜、会社で本を積み込み、一度自宅に帰る。そして当日、自宅から新潟に向け出発した。

新潟に車で行くのは、プライベートを含めて、今回が初であり、果たしてどれぐらい時間がかかるのか、ネットの高速道路情報のサイトとかでざっとしか分からない。
「とにかく行くしかない」という思いで出発する。

自宅を出発し、外環の入り口に向かおうとするも、いきなり渋滞にはまる。まずい…このままだとどんどん到着がおくれてしまう…心配だ。
すこしするとやっと車は流れ出し、やっと外環の入り口にたどり着いた。
外環はかなり混み合っている。それでも50キロぐらいで走り続け、やっと関越との分岐点に差し掛かる。
さあ、一路新潟県長岡市に向けて時速100キロでダッシュだ。
関越道は東名とかと比べると、やはり空いている感じだ。

東松山、花園、藤岡、高崎、前橋と、あっというまに過ぎていく。だんだん山が増えてくる。渋川伊香保、赤城、昭和、沼田、月夜野、水上、そして谷川岳が見えてくる。関越トンネルだ。
関越トンネルと抜けると、湯沢に出る。そして、いよいよ新潟県に入る。塩沢石打、六日町、小出、堀之内、越後川口、そして小千谷。だいぶ運転も疲れてきた。結構遠いなあ…。もう少しで最初の目的地、長岡だ。

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長岡到着

やっと着いた。思った以上に遠かった。
今日は天気が良くて、かなり暑い。
長岡駅の隣にあったパーキングに車を止める。

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長岡駅

う~ん…最初にどの書店に行こうか…。持ってきた地図と書店リストを見比べながら考える。
とりあえず最初は長岡駅ビル内にあると思われる文信堂長岡店を訪問する。広さ的には中規模の書店ではあるが、人文書の棚もちゃんとツボをおさえた品揃え。これはいけそうな予感…。
店長のHさんに対応してもらう。突然のアポ無し訪問にもかかわらず、忙しい時間に快く対応してくださる。
『越後 毒消し売りの女たち』を5冊注文いただき、さっそく直納。POPも付けてもらう。
売れることを祈る。

次に訪問した書店は、長岡駅前の商店街の中にある文進堂(先程の書店と読みは同じだが字が違う)。
店長の五十嵐さんはとても気さくな方で、ここも初の訪問にもかかわらず、一人で切り盛りして忙しいなかに快く対応してくださる。
超大型書店が出店しまくっている昨今の書店の規模からすると、小規模と呼ばれる書店ではあるが、郷土本コーナーがとても充実しており力を入れているようだ。
さっそくその郷土本コーナーに『越後 毒消し…』を3冊面陳で置いてもらう。
長岡の景気や書店の状況についていろいろと教えていただく。やはりかなり状況は悪くなっているようである。老舗の書店が次々と無くなり、この商店街もどんどん活気がなくなっていっているようだ。
途中白人の留学生らしき一団が来店。店長は英語で話しかけながら、長岡の観光についてかかれた冊子などをプレゼントしたりしていた。

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持参したPOPを貼り付け、郷土本コーナーに面陳していただく

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気さくに対応してくれた五十嵐店長さん

次に訪問したのはK書店外商部。かつては店舗も構えていたらしいが今は外商部のみの商いとのこと。
特に地元本についても積極的に営業していないようで、お客様から注文があった場合のみの対応とのこと。とりあえずチラシを渡して早々に引き上げる。

あっという間に日が暮れ始める。
早いものだ…。

長岡は旧帝国海軍、連合艦隊司令長官の山本五十六が生まれた街であり、復元された生家や記念館があるらしいが、時間が無いので今回は行くのを諦める。

次に長岡駅近くの商店街内にある書林長岡を訪問する。
この書店は、長年弊社の新刊DMに返信をいただき、少しずつでも弊社の本を売ってくださってくれていた書店だったので、一度は訪問してご挨拶をと思っていたが・・・、とても残念なことではあるが、まさにこの8月で店を畳むとのこと。ギリギリ最後の最後でご挨拶できたが、本当に最後のご挨拶になってしまった。
土田社長は18歳の時から書店員をしてきたとのこと。今では80歳。「日配の頃からこの業界を見てきたが、もうそろそろ書店で売るのは厳しいし、年齢的にももう潮時。今月いっぱいで店を畳みます」との淋しいお言葉。まだまだとても元気そうだが、もう疲れたらしい。取次ぎの問題、大手版元の問題など、1時間以上語り続ける。出版業界の生き字引のような書店員の話を最後に聞けたのは貴重な体験ではあった。
『毒消し売りの女たち』は閉店までの3週間で売るとのことで、3冊注文をいただき直納する。
最後の最後まで、本当にありがとうございました。

もう日は完全に暮れてきたので、最後にこの商店街とは反対側の東口に最近出店した宮脇書店長岡店を訪問する。
東口は商店街もほとんどなく、ちょっと寂しい感じだが、そんなところになんと700坪もある巨大な宮脇書店が出店していた。
対応してくれたTさんはとても気さくな方で四国から転勤されてここで働いているとのこと、まだまだ客入りも少ないが確実に硬い本も売れているらしい。

郷土本はぜひ売りたいとのことで、突然の訪問にもかかわらずTさんはすぐに10冊も注文を出してくれた。さっそく直納。郷土本コーナーに平積みしていただく。

もう夜遅くなってきたので、本日の営業はここまで。
これから高速道路を飛ばして、新潟市に移動。
予約してあるホテルを目指す。

●出張第一日目の売り上げ
『越後 毒消し売りの女たち』×21冊(直納・返条付注文(一部3延べ)扱い)
計37,800円なり。

《8月7日(木) 営業第二日目》

新潟駅のすぐ近くのホテルで一泊。
出張二日目の朝は、まだまだ先が長いので、緊張していて疲れもとれないことが多いが、今回も同じだった。
かなり体がダルイ・・・。
まだまだ大きな成果も出ていないので、テンションを上げていきたい。

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新潟駅

午前中は新潟駅前に一年前オープンしたジュンク堂書店新潟店を訪問するが、担当者が不在だったので明日営業することにして、新潟駅ビル内にある文信堂ココロ本館を訪問。
50坪ぐらいのそれほど大きくはない書店ではあるが、担当者のTさんは弊社の新刊DMを毎月見てくれていて、この店で売れそうなものがあるときは、ちゃんと注文を出してくれていた。Tさんは「毎月DMは必ず見てますよ。うちで置けるような本があったら注文してますけど、滅多にないかな(笑)」とのこと。
こんな地方の小さい書店でも弊社のDMをちゃんと毎月見くれている書店員が、こうして本当に現実にいる。こういう店でも売れる本をもっと作らねばとも思った。
『越後 毒消し売りの女たち』を3冊注文をいただき、直納する。

次に新潟駅前の繁華街をずっと歩いて、思ったよりも離れた場所にある紀伊國屋書店新潟店を訪問。
担当のNさんが不在だったので別の担当者の方に、事前に注文をいただいていた『越後 毒消し売りの女たち』3冊の直納の手続きをしてもらう。
郷土本コーナーに置いてもらうように頼む。
店員さんはみなさん忙しいそうであまりゆっくり話す余裕もなさそうなので早々に店をあとにする。

次の書店へ移動中に、新潟のTSUTAYAを統括している担当者にアポを取ろうと何度も試みるも、なぜかいつも不在で、今日は諦める。

次に新潟駅前の一番大きな商店街の中にある老舗書店、萬松堂を訪問。
棚もとても充実しており、客入りも良い。ちょうど本日栗田からパターン配本で『毒消し』3冊入荷したとのこと。
「トーハンにも事前注文を出しているはずだが、もしかしたら注文漏れの可能性があるので、15冊もらいます」とのこと。
「日本経済評論社の「毒消し売りの社会史」はずっとロングでかなり売ったからこの本も売れるでしょう」と、相馬店長はとても気さくな方。
私が本を20冊リュックに入れて書店に現れた様を見て「そんなリュック背負って登山しに行くみたいだね」といわれる。
棚担当の中山さんに本を並べていただく。店のショーウィンドウにある棚にも並べていただき感激である。

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ショウウィンドウに並べていただく

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中山さん、目を瞑っている時に撮影してしまってすみません…

次に、萬松堂から歩いてすぐのところにある、ここも老舗書店であろう、北光社を訪問。
ここもしっかりした品揃えをしており郷土本コーナーをかなり広くとってある。萬松堂と競いあっている感じだ。
担当のSさんに「萬松堂にはもう行った?」と聞かれて「あ…はい。ついさっき行ってきました。」と答えると、「うちの方が後なの?」という顔をされたような気がして、ちょっと緊張感が走る。
萬松堂も売るならうちも、という感じで、10冊注文をいただく、かなり忙しい時間帯だったみたいだが、話もよく聞いてくれて、頑張って売っていただけそうだ。

次に、新潟駅ビルの地下にある文信堂万代店を訪問。
30坪ぐらいの小さな書店だが、レストランが多くあるフロアにあるせいかかなり客入りが良い。小さくても郷土本コーナーある。
担当の女性(名刺をもらい忘れて名前不明)は快く対応してくださり、10冊注文をいただく。

今日は良い感じで注文が取れる。
外はまさに夏真っ盛りでかなり暑くてきついけど、モチベーションも上がってきた。

次は書店ではなく、取次ぎ(全国の書店に本を卸す問屋のようなもの)の日販の新潟支店にターゲットを絞る。
ここは店売(書店へ卸したり、逆に書店が買い付けにくるために本を並べておく倉庫のようなもの)もあるから成功すれば、かなりまとまった数の注文がもらえそうだ。
ここは同業他社の営業の先輩である現代書館の中澤さんに「日販新潟支店には、ぜひ行ったほうが良いですよ」と事前に情報をいただいていたこともあって、とくに気合を入れて訪問する。
担当の幡さんはとても気さくて、そして本を売ることに熱心な、本当に“熱い”方だった。

「これをどうしたら売れる本にできるか、いろいろと考えます」と言ってくれる。
「私もぜひ読みたいので、良かったら1冊いただけませんか?」と頼まれたので、ここは読んでもらって面白さを分かってもらったうえで頑張って売っていただこうと思い、快く1冊献上する(後日幡さんに電話をすると、本当にちゃんと読んでくれていて、「とても面白かったです。100点満点ですよ!」と言ってくれた)。
日販のような業界最大手の取次ぎ会社が、弊社のようなヒット作もない小さな出版社に対して、ここまで良い対応をしてくれることはほとんどない。
本当に感激した。
そして…幡さんから注文冊数を聞いて、ちょっとビックリ。
「う~ん…とりあえず100冊ぐらいいただけます?」
あ…でも車にはあと残り130冊ぐらいしかない・・・・
ここで100冊置いていってしまうと、明日も書店を周るからちょっと足らなくなってしまう可能性がある…。
なので、とりあえず50冊置いていき、後日会社に戻ってからさらに追加分を直接日販新潟支店に送ることにしてもらう(後日さらに追加100冊注文をいただいた)。

新潟日報に紹介記事が出たときにいっきに販促営業をしたいとのこと。
幡氏のご厚意に応えるためにも、ここはどうしても良い紹介記事を期待したい。

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日販新潟支店

いっきに爆発した感じ。
今回の出張はこの時点で大成功ともいえるので、後は遊んで帰ってもいいかな…と誘惑にも駆られるが、まだジュンク堂書店も営業してないし、まだまだ他にも訪問したい書店はたくさんあるから、もう少し頑張ろう。

日販新潟支店を後に、ちょっと新潟駅から離れたところ、車で30分ぐらいいったところにある本の店・英進堂を訪問。
訪問した時点で午後7時になってしまっていたが、店長の諸橋さんから、ちょうど落ち着いた時間帯だったみたいで、じっくりといろんな話をさせていただけた。

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本の店英進堂

「越後 毒気巣売りの女たち」は事前に注文をいただいていた5冊に、わざわざ持って来てくれたということで、さらに追加して10冊注文をいただける。
そして、さっそくポップまで作ってくれて、店の入り口を入って目の前の一番良い場所に並べてもらう。

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「やっぱりキーワードは“美人”でしょう」と、諸橋店長は帯タイプのPOPを書いて本につける

店は想像していたよりもかなり大きく(300坪ぐらいある)、そして棚構成がとても面白い。
出版社からではなく諸橋さんが独自に企画している3社合同文庫フェア。
新書を版元別ではなく内容別にしていたり、雑誌を先月号と最新号を一緒に並べていたりする。

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三社合同テーマ別文庫フェア

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出版社別ではなくジャンル別に並べた新書棚。この棚を作るのに10時間以上もかかったらしい…

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雑誌を先月号と最新号を一緒に並べて売る。雑誌の返品期限ギリギリまで売ればこういうことも可能とのこと。
ギリギリで先月号を買い逃したお客さんにはありがたい陳列だ

音楽書の棚で、なぎら健壱の「日本フォーク私的大全」がロングセラーということなので、弊社から出ている『三上寛』を薦める。1冊注文をいただく。

店のありとあらゆる棚について熱く語る諸橋店長。
気づいたら、閉店の9時まで2時間半、書店の今度について語り明かしていた。

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POSデータだけでなくスリップをいまでも重視する諸橋店長。データでは数字しかみれないので頭に入りにくい。
スリップは版元によっても、シリーズやジャンルによっても、デザインや色が違うから売れ行きが頭に入りやすいとのこと。
確かにそうだ

今日はこんな感じで、夜の9時まで営業をしまくり。
もうお腹いっぱいである。

●出張第二日目の売り上げ
『越後 毒消し売りの女たち』×101冊(直納・返条付注文(一部3延べ)扱い)
『三上寛』×1冊(返条付注文扱い)
計183,500円なり。

《8月8日(金) 営業第三日目》

いよいよ最終日。
昨日大きな成果が出たが、まだまだ車には77冊、『越後毒消し売りの女たち』が積んである。
今日これを最後の1冊まで売り切って晴れやかに東京に戻りたい。

まず最初に新潟でもっとも大きな書店、ジュンク堂書店新潟店を訪問。
午前中でお客さんもあまりいない。
地下1Fの人文書フロアは、かなり広く、まるで巨大な図書館のようだ。
担当のNさんはレジ当番の時間が迫っているらしく、全然時間がないとのこと。
若干無理に『越後 毒消し売りの女たち』を5冊注文いただき直納する。

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ジュンク堂書店新潟店

次に昨日取次ぎの日販新潟支店での営業大成功に気をよくした私は、もう一つの大取次ぎ会社であるトーハンの新潟支店を訪問する。
住宅地の中にあってなかなか見つからない。車を降りて歩いて探し周る。
少し迷ってしまう。さすがに気温も32℃以上あるなか歩き続け、頭がクラクラする…車を遠くに駐車し過ぎた…。
車に戻ってもう一度、あらためて探す。そしてやっと見つける。今度出張する時はやっぱりカーナビを付けてこよう…。
日販と違って店売は無いが、トーハン新潟支店では約200店舗の新潟の書店とのお付き合いがあるとのこと。

「日販は50冊取ってくれました」ということと、「新潟日報に紹介記事掲載予定です」の2段攻撃でグイグイ推していく。
「じゃあ、とりあえずうちも50冊もらいましょう」と担当のWさんは言ってくれた。
車で東京から本を運んできたことを話し、実際に車に積んである本の山を見るとWさんは「きてますね~!」と感心しているのか呆れているのか分からないが、とにかく驚いていた。

車にはいよいよ残り22冊!!
あともうひと踏ん張り。

次に向かったのは、この書店もまえまえから気になっていた店で、よく弊社の新刊DMにも反応してくれる書店、知遊堂赤道店を訪問。
新潟から車で15分ぐらいの、国道沿いにある郊外型書店。想像以上の大きさ、とても広いフロア。
訪問してみて納得。とても品揃えがしっかりしている。人文書も思想書などもかなりちゃんと分類分けされている。
最初に声をかけた書店員の方がたまたま仕入担当のB店長で、すぐに5冊注文をいただけ、さっそく直納。

次に訪問した書店は、ここも以前から気になっていた書店。
結構売れているらしいと営業マン仲間の間で評判だった。戸田書店新潟南店を訪問。
ここもまたまたかなりデカイ書店。
300坪ぐらいはある。人文書もかなり置いてある。男性客が多く、歴史の本もわりと売れるとのこと。
対応していただいたS店長は「毒消し売り」の話にとても興味をもってくれて「20冊ください!」と言ってくれる。
こういうやる気のある書店員がこんな地方の郊外店にいると思うと嬉しくなる。
しかし…もう車に残り17冊しかなかったので、とりあえずこの最後の17冊を直納する。

やった!!
ついに東京から車に積んできた『越後 毒消し売りの女たち』×200冊をすべて売り切った。

まさか足らなくなるとは思わなかった。
3日で200冊。
予想以上の大成功。
これだから出張はどんなに大変でも、また行きたくなるものだ。

まだ日も暮れていない。
最後にせっかくここまで来たのだから、『越後 毒消し売りの女たち』の舞台である、角海浜の美人村があった場所を訪問してみようか…。
今日は新潟に泊まらずに、夜通し高速を突っ走って東京に戻るので、本当はこのまま帰路についた方が体力的にはキツクないのだが…やはり一度は見てみたい。美人村があった場所を!

というわけで、角海浜を目指して車を走らせた。
そんなに遠くはないはず…。

しかし、結構遠かった…。

新潟の海は美しく、人影も少ない。
新潟市の中心部から日本海に向かうと、ほんの10分ほどで日本海が見えてくる。ずっと続く砂浜を右手に見ながら車で下っていき、越前浜、角田浜を通り、海岸まで山が迫り出している場所に達し、さらに数箇所トンネルと潜ると、周囲を切り立った山に囲まれたあまり人気のない美しい浜辺が見えてくる。 五ヶ浜だ。
この浜よりさらに下り、トンネルを潜ると、突然国道が急カーブし、山に登る道と海岸のほうに向かって茂みにかくれて先が見えない行き止まりの道に分かれる。
山の方に登る道は、さらにいくとまた海岸の方に急カーブし、山を降ると、また浜に出る。そこは間瀬海水浴場と云われる浜だ。
先が見えない「行き止まり」と書かれた道。この道を入っていくと…。
ついに本の舞台の角海浜に出た。
間瀬海水浴場からも五ヶ浜からも山に隠れてみえない浜があったのだ。

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美人村があったとされる角海浜。昔は海岸線があと数百メートル沖合いにあり、250戸の家、寺や小学校、病院まであったという

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家のあった痕跡すら見当たらない…

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本当にこんなところに村があったのだろうか…

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ひっそりと佇む石碑。ここにはかつて寺があったらしい

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そして…日没

私の『越後毒消し売りの女たち』の行商も終わりを迎えた。

新潟で出会った書店員の方々、取次ぎの方々、本当にありがとうございました。
お蔭さまで本当にすばらしい出張営業になりました。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

●出張第三日目の売り上げ
『越後 毒消し売りの女たち』×77冊(直納・返条付注文(一部3延べ)扱い)
計138,600円なり。

●営業三日間の合計
『越後 毒消し売りの女たち』×200冊(直納・返条付注文(一部3延べ)扱い)
『三上寛』×1冊(返条付注文扱い)

合計359,900円なり

営業部・春日俊一