急激な経済成長のなかで貧富の差の拡大に苦悩する中国、構造改革の行き詰まりから表面化した諸問題を抱える日本…。解決に必要なものは何かをさぐる一橋大学社会学研究科、清華大学人文社会科学学院、中国社会科学院政治研究所による画期的なシンポジウムの記録。
「新自由主義が二つの国に共通する社会的危機を作り出したという判断の成功が本書の最大のメリットであるが、それは糸口であり、さらに必要なこととして、「政治」的モメントから目をそらさないで立ち向かう知的勇気が必要であろう、と私には思える。」(週刊読書人1.15付より)