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小松菜本営業

12/5(金)の見本出し予定の新刊『小松菜と江戸のお鷹狩り 江戸の野菜物語 (亀井 千歩子 ) 四六判|本体2,200円 +税』と12月末刊行予定の復刊新装本『新装版 小松菜の里 東京の野菜風土記 (亀井 千歩子) 四六判|予価1,800円 +税』の販売できそうな書店を回っている。地域的に「荒川」沿いの「小松川」付近(江戸川区・葛飾区・江東区)がご当地になるが、著者の亀井さんが代々「宮司」を務めるJR新小岩駅からバスで5分ぐらいの「小松菜ゆかりの里」の碑がある「新小岩厄除香取神社」 近辺など、回るところは広く見ればたくさんある。もっとも、売れずに、あるいは入荷してすぐ返品で、返品手数料が高くつくだけとなる可能性も広がってくるかもしれないが。

最初は「野菜の本だから「実用」か」と、「実用書」担当を回るものの、「これは学術書だね。要らない。」と小松川から少し離れたところJR平井駅近辺では言われ、料理の作り方を豊富なカラー写真・レシピ付きとともにというわけではないので「民俗学、日本史か」とも思ったが、「買う層は、おそらく年配の女性客かな」とも思うので、実用書向けとして回っている。もっとも、八重洲BCイトーヨーカドー葛西店の髙田リーダー曰く、「こういうの「実用」でも「歴史・民俗学(あるいは、文芸棚・江戸本と一緒に「東西書房葛西店・小林店長・談」)」でも「どっちにもおさまりが悪いんだよね。どこ置こうかな・・・」という感じで、やはり割り切れない。

内容は「小松菜」の「名付け」の由来、名付けをした「江戸時代・将軍吉宗」の「鶴」を狩る「鷹狩り」に纏わる話のため、実際に用いることができる本というわけではないが、一応、小松菜は卵と相性がよく、簡単でおいしい「卵料理」の作り方なども入っている。当時「葛西菜」と呼ばれていた「小松菜」を、鷹狩りに来ていた「吉宗」が、当地で「お吸い物」として出され、いたく感動し 「小松菜と名付けよ」となったということだ。

最初に回った新宿駅すぐの2店では、共に実用書担当、「この人、出版営業の振りした人さらいで、私を東南アジアかどこかに売っぱらおうというのでは」という「不安」を持たれた様子で(営業センスが悪く)、チラシを見て「やっぱり」という感じの、あるいは、「口裂け女になってあげてもいいけれど、こんな「売れない版元」に、ただでさえ忙しい仕事の邪魔をされて、そんなことできません的な「痙攣的な途惑い」見せる書店員」等、「受注」には「ほど遠い」状況(売れない本という反応)で、今回復刊する20年前に出た「小松菜の里 東京の野菜風土記 (亀井 千歩子)」などは、3000部ぐらいは売れたようだが、現在のただでさえ本が売れない中、「70~80年代前半で、売れると考えられている本の作り方?」では「初速のいい本になるのは難しい」のが当然なのか?あるいは「歴史棚」を回らない営業感覚の無さ?で、東京駅近辺でも「何勘違いして営業になんか来たのかな」という感触というわけで、「地域本」として売ってもらうしかないと、その「地域」を集中して30坪から60坪ぐらいの店まで、回ってみた。

江戸川区東小松川の「小川書房」さんは、営業が来るのが珍しかったのか、店主小川さん(もう70代ぐらいの好々爺)は、一時間弱ほど、業界の状況を話して下さり、大変勉強になった。ここ10年は年間300万づつ売り上げが下がり続け、10年前の友人のヤマト証券などにいたため他業界の情報などにも強かった近くに住む友人の助言どおりだったとのこと。取次ぎは「協和」だがとにかく「新刊がうまく売れなくなった」から「本が回らず、どうにもならない」。50年前、富山から出てきて、始めて、「貸本時代」や「手塚治のマンガ」の売れた時代、近所の書店仲間との「組合」で組合長をやり、調子が良かった時代はあったんだと熱心に話して頂く。今では、組合の会でも「なにもすることがなく」顔を合わすだけで「帰ってしまう」とわびしいばかりな様子、当時の書店仲間もほとんど亡くなってしまったとのこと。「小松菜」については、近所で「おかみさん」の会をやっていて、そこで「小松菜」実際に販売しているから、と新刊・復刊本「1冊」ずつ発注頂く。「このあたりもね、店でたすぐ前で、小松菜作っていたんだ」「このあたりは、蓮田ばかりで、昔は何にもなかったんだ。葛西の駅の方も、地下鉄が入るまでは、何にもなかった」と当時の「小川書房」の写真を見せて頂く。他の書店でも、話をするまでもなく、受注も難しいといった店も多かったが、まだ、これだけの書店ががんばっている(無理に続けている?)というのには感動した。小川さんも、「「協和」がつぶれるまでは、まだやるんだ」とのこと。小社の近刊が、少しでも売り上げに貢献してくれるといいのだが、とは思うのだが・・・。(玉崎)