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羊と日本人

波乱に満ちたもう一つの近現代史

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文明開化以降の日本にはいつも羊がいた!関係者への聞き取りと膨大な調査により羊を巡る人々の生き様と波乱に満ちた牧羊史を描く

¥3,850(税込)

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著者 山本 佳典
ジャンル 現代社会を考える
現代社会を考える  > ノンフィクション
歴史から学ぶ
歴史から学ぶ  > 日本史
歴史から学ぶ  > 日本史  > 日本近現代史
出版年月日 2023/03/24
書店発売日 2023/03/28
ISBN 9784779128639
判型・ページ数 4-6 ・ 404ページ
定価 3,850円(税込)
在庫 在庫あり

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内容紹介

文明開化以降の日本には、いつも羊がいた!

戦争や貿易摩擦、不景気や震災のなかで牧羊(緬羊:めんよう)が何度も国策とされたがそのつど挫折を繰り返した。戦後は御料牧場を始めとした農地解放と産業の変化等、その歴史は波乱に満ちていた。そこには、不屈の挑戦を続けた多くの技術官僚や民間人がいた。信念を持ってたゆまぬ努力を続けた羊をめぐる人々の生き様――忘れられた日本の緬羊史を在野の若手研究者が独自の視点でとらえ、執念とも言える膨大で緻密な調査と関係者への聞き取りで浮かび上がらせた、渾身のノンフィクション。

目次

プロローグ──忘れられた牧羊史
羊の記憶
二枚の絵葉書より
発掘された記録映画
空港から見た景色
第一章 創業の志
本邦初の牧羊部門
開牧者たち──岩山敬義とアップジョーンズ
下総牧羊場の誕生
「十万頭」増殖計画
羊の病の波紋
有望な牧羊生徒
ジョンス遭難
牧羊事業が残したもの
牧羊家になった侍たち
開牧者の最期
第二章 前途を拓く
駒場の初穂──新山荘輔
藤波言忠に随行志願
御料牧場創設へ
畜産経済──三里塚の生い立ち
「畜主耕従」の経営改革
外山御料牧場と小岩井農場
日清戦争と日本毛織の創立
日露戦後の外地展開
獣疫と乳肉──時重初熊と佐藤悠次郎
下総の家畜輸入と羊の改良
去りゆく時代
第三章 「緬羊」時代の到来
北海道の牧羊創業期
開拓地と牧羊──北村の取り組み
外地へ渡る──新渡戸稲造と後輩たち
石澤達夫の牧羊実験
月寒と滝川の開業──立案者・岩波六郎
羊毛飢饉──国内自給と大陸の可能性
「百万頭」の羊たち──緬羊飼育を奨励す
緬羊課のホープ・岸良一
外地の緬羊奨励──朝鮮・樺太・満州
下総の成熟期──辻正章と新山荘輔の引退
関東大震災と行政整理
第四章 ユートピアの伴侶
十勝鹿追で始まった牧羊業──アメリカ帰りの小室道郎
ハイカラな牧羊場──知性の人・熊代好一
アメリカから朝鮮へ──井上厳二の牧場経営
新国家建設と岸良一の渡満
動き出した満蒙開拓移民──中村孝二郎の赴任
開拓に寄り添った技術者たち──田村一郎と吉崎千秋
鐘紡の牧羊事業と農政学者・池本喜三夫
ニュージーランドに学ぶ──牧草研究家・川瀬勇と羊の関わり
羊毛専門家・井島重保の満蒙調査
朝鮮半島の「北羊」政策と旗振り役・鎌田澤一郎
「緬羊船」の波紋
疲弊する農村と羊の需要  
第五章 戦争と羊
三度目の緬羊国策
龍爪緬羊牧場を拓く
日米開戦前夜の大量輸入
田村場長の決意
牧場に落ちる影
獣疫学者たちの戦時期
満蒙へ向かう二人
日米開戦
緬羊報国
戦争末期の下総──那須分場を拓く
第六章 復興を支える
敗戦難民
畜産技術者たちの挽歌
北海道に戻った二人
出番を待ちながら
引き継がれた夢
生かされた人
農地改革と大牧場の危機
緬羊推進者たちの戦後
いの一番の羊
再び「百万頭」の羊たち
エピローグ──それでも羊を飼う理由
羊の重鎮逝く
所得倍増と新農政
新空港、新牧場
牧場が去った町
その後の羊たち
あとがき
主要参考文献
取材・調査協力機関一覧
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