文学/文芸の世界 現代社会を考える 歴史から学ぶ 思想/哲学に触れる 芸術/アートをたしなむ ビジネス/経済を読む 豊かにくらす 《フィギュール彩》

日独伊三国同盟の虚構

幻の軍事経済同盟の実態

新刊

¥3,960(税込)

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著者 手塚 和彰
出版年月日 2022/07/22
書店発売日 2022/07/22
ISBN 9784779128257
判型・ページ数 A5 ・ 320ページ
定価 3,960円(税込)
在庫 在庫あり

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内容紹介

日独各々が、短絡的な都合の下に勝手な解釈を繰り出し実質を伴わずに成立した日独伊三国同盟を、独の最新資料から再検証し、この同盟の根本的無意味さを暴き、現代の情報化された外交問題にも示唆を与えようと試みる。

目次

プロローグ
「演出された日々」/日ソ関係/松岡の場合──ドイツへの傾斜/時代状況はどうであったか/冷静な眼/僥倖頼りの発想/石橋湛山の見識/過去と現在

第一章 ナチスドイツの登場
日独防共協定への途/戦勝国と敗戦国/ドイツ――産業・経済・国民生活の壊滅的状況/巧妙な再軍備化/赤軍との共同演習/ラインラント進駐/リッベントロップ/大島浩/ムッソリーニ/ファシズムの席捲/欧州の緊張と三国同盟/有澤廣巳と斎藤茂吉
▼コラム ミュンヘン=ヒトラーの支援者と暴力装

第二章 日独の接近と日独防共協定
大島‐リッベントロップの秘密交渉/当事者の座談会記録/大島独断専行の容認 /外務省にナチス否定論はほとんどなかった/人事配置の問題/敵国の捉え方/協定初発の事情/イニシャティブは誰がとったか/リッベントロップのプロフィール/重光の回想/三つの課題/イギリスとの一時的妥協/人種問題――第三の課題/コミンテルンとソ連は別との方便/ゾルゲの情報/日独指導体制の違い
▼コラム 貴族からナチスへ
▼コラム 奇妙な「からくり」――財政破綻への道

第三章 親英米派と親独派
ドイツ重視の伝統 /リットン調査団のドイツ人/親独派の典型・大島浩/親英米派の抵抗/吉田茂の抵抗/「英米と握手」?
▼コラム 戦争不可の報告書
▼コラム 官僚の世界認識と行動

第四章 ナチスドイツの対日工作
日本側資料の四系統/ドイツ側の三系統/オイゲン・オット/冷え切っていた日独関係/秩父宮訪独/広田弘毅/電報に見える日独関係 /ヒトラー支持の要人たち/ヒトラー参り/武者小路公共/東郷茂徳/実は冷えていた日独関係/流動的な要素/気骨の外交官シューレンブルク/「ヒトラーの外交官」ディルクセン/満州国承認
▼コラム クーデターとテロ

第五章 防共協定の強化
四年の経緯/高木惣吉メモ/ドイツの用意周到/張鼓峰事件/山本五十六の反対論/三井池田成彬の見識/錯綜する論議 /第三項問題/正式提案/五相会議での決定/翻弄される首相平沼/「急に」という虚言/大戦の足音
▼コラム 参謀本部とその暴走
▼コラム 兵士の命

第六章 日独関係の背景──日本側の事情
唐突の出来事/軍事技術の導入/統制経済への傾斜/中国大陸での経済関係/防共協定への危惧/日独文化交流の進展(日独文化協定)/映画『新しい土』と親善図画展覧会/万葉集のドイツ語訳
▼コラム 技術導入の苦難――「届かなかった手紙」
▼コラム カール・ツァイスと日本

第七章 反ソから軍事・経済同盟へ
日本外交の弱み/シューレンブルクの慧眼/大島の態度/リッベントロップの電報/日本の曖昧、ナチスドイツの一枚岩/阿部内閣の迷走/オットの情勢分析/本国方針と異なる言動/日本政治の混迷/クノールのメモランダム/アメリカの働きかけ/「親密度を深めることが重要である」/ドイツの代理人/アメリカの不介入論/七点の確認事項/追い込まれ行く日本
▼コラム ドイツ人の戦争観とダッハウ
▼コラム スペイン内戦と日本

第八章 独ソ関係の実像と日本の対応
経済協力の進展 /具体的な要求項目/スターリンの老獪さ/浅間丸事件と反英感情の拡大/独伊の切り札、汪兆銘承認問題 /オット大使解任/来栖-クノール会談の中身/シュターマーの日本側親独派への働きかけ/フィリピン新移民法/「洞ヶ峠」の限界/ドイツの西部戦線勝利とアジアに対するドイツの三条件/親独政権への展望/日本への不満の鬱積/「バスに乗り遅れるな」
▼コラム アンジェイ・ワイダ
▼コラム バトル・オブ・ブリテン

第九章 太平洋戦争への道
日本の南進/独ソ決裂/松岡洋右/親英米派の抵抗/イギリスへの働きかけ/なしくずしの傾斜/アメリカのドイツ打倒第一主義/バルバロッサ作戦の開始
▼コラム 斎藤茂吉のドイツ称賛歌
▼コラム 深海の使者

第十章 日独連携の真実(幻の軍事・経済同盟)
空虚な期待/「勝手読み」の横行/独日経済委員会/委員会のメンバー/第一回会議の内容/カール・ツァイスの製品輸入/輸送の不確実/南米ルート/第二回会議――ヴァイベルの報告/代表調査団の派遣/パテント問題の内実/原材料不足の深刻化/陸海軍の不毛な先陣争い/池田成彬の認識/機会主義の限界/画餅としての日独協力/第三回独日経済委員会/委員会の終焉
▼コラム 指導者たち

補論1 信州人の満州植民問題
1 はじめに
2 満州へ、満州へ!
3 満蒙青少年義勇軍
4 ある村長の記録
5 県政トップの考察
▼コラム 信州の満洲残留孤児
▼コラム 信州学校教育への軍の影響

補論2 トラウトマン工作:歴史は繰り返すのか──ロシアのウクライナ侵攻(2022)と重ねて考える

■参考資料
日独伊三国同盟御前会議と三国同盟条約(昭和十五年九月一九日)
日独伊三国同盟の虚構