1937年、東京都生まれ。
1962年、中央大学法学部卒業、
同年早稲田大学文学部学士入学。
在学中、60年安保闘争に参加、以後70年安保闘争、
全共闘運動に参加。
「現状分析研究会」、「ヘーゲルを読む会」に
会員として参加。
現在、「ドストエーフスキイの会」会員、
「伊東市国際交流協会」会員、
反原発運動に参加。
著書 『民族問題とレーニン』
(BOC出版部・高梨純夫のペンネーム)、
『神なき救済 ドストエフスキー論』(社会評論社)、
『悪霊論 自我の崩壊過程』(作品社)等。 彩流社 サイリュウシャ 【Ⅰ】
作家の特徴──『渺茫』によって
【Ⅱ】
わたしが真犯人なの……? ──『ロンリー・ウーマン』
第一章 乾いた響き
第二章 なりすまし
第三章 「それは私です」
【Ⅲ】
目眩く灼熱を歩いたのだ──『空の果てまで』
第一章 エピソードいくつか
第二章 哲学少女
第三章 第一の犯行
第四章 第二の犯行
第五章 火急の自分
【Ⅳ】
心性への侵犯──『誘惑者』
第一章 言いようもない
第二章 私、不安だわ
第三章 ロマンのかけらもない
第四章 何でもできる
第五章 詰襟の学生
【Ⅴ】
自分探しの旅路──『奇妙な縁』
第一章 老女るりこ
第二章 出会い
第三章 幻影
第四章 羽岡フレーズ
あとがき 孤高の作家、高橋たか子の作品世界を読み解く!
高橋たか子は、泉鏡花賞、川端康成賞、田村俊子賞、
女流文学賞、読売文学賞、毎日芸術賞を受賞し、
高い評価を受けながらも、
一般読者に敬遠されたことは否めない。
本書は、難解と言われる観念論的な領域に軸足が
置かれた小説世界に分け入るために
作品5点を選び、
それぞれの作品世界を個別に読み解くことで
作家の諸相を描き出すとともに、
高橋たか子文学への招待をめざしたものでもある。