翻訳が拓く新たな世紀翻訳論とは何か

翻訳論とは何か 翻訳が拓く新たな世紀

早川 敦子 著
四六判 / 294ページ / 上製
定価:2,800円 + 税
ISBN978-4-7791-1871-5 C0090
奥付の初版発行年月:2013年04月 / 書店発売日:2013年04月01日
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内容紹介

新しい研究領域として文化批評を活性化させてきた「翻訳論」は、
現在、どのような展開を遂げているのか──

言語は「他者」にどう関わるのか、「他者」と「主体」の問題に、
ポストコロニアル批評と翻訳学はどう関わってきたのか──
他の批評理論も絡めながら、多様な「翻訳論」を紹介し、モダニズム後の
言語文化と歴史意識が「翻訳論」とどのような相互関係にあるのかを読み解く。
さらに「歴史」の再読を「自己翻訳」として拓いたホロコーストの言説を取り上げ、
「世界文学」とは何かを提示する。

版元から一言

13 年1 月27 日(日)「ポスト3.11 の道標をさがして」(津田ホール・無料)
第1 部リレートーク出演:早川敦子+萱野稔人+和合亮一 開催!

(社)日本図書館協会 選定図書

著者プロフィール

早川 敦子(ハヤカワ アツコ)

翻訳家/津田塾大学英文学科教授。
専門は20世紀から現代にいたる英語圏文学、翻訳論。

◉著書等:
『〈終わり〉への遡行──ポストコロニアリズムの歴史と使命』
(共著、英宝社、2012)、『世界文学を継ぐ者たち――
翻訳家の窓辺から』(集英社新書、2012)、
『吉永小百合、オックスフォード大学で原爆詩を読む』
(集英社新書、2012)、
『子どもの本がつなぐ希望の世界――
イェラ・レップマンの平和への願い』
(日本国際児童図書評議会40周年記念出版委員会 編、
早川 敦子・板東 悠美子 監修、彩流社、2016)ほか
◉訳書:A. A. ミルン『こどもの情景』(パピルス、1996)、
エレン・チェスラー『マーガレット・サンガー──
嵐を駆けぬけた女性』(日本評論社、2003)、
ブライアン・シブリー『クマのプーさんの世界』(岩波書店、2003)、
エヴァ・ホフマン『記憶を和解のために──
第二世代に託されたホロコーストの遺産』(みすず書房、2011)、
ロジャー・パルバース『驚くべき日本語 (知のトレッキング叢書)』
(集英社インターナショナル、2014)、
マイケル ボンド・エミリー サットン
『人形の家にすんでいたネズミ一家のおはなし』( 早川 敦子 翻訳、
徳間書店、2016)、
エヴァ・ホフマン『希望の鎮魂歌――ホロコースト第二世代が
訪れた広島、長崎、福島』(早川 敦子 編・訳、岩波書店、2017)ほか

目次

序章

第I章 文化批評としての「翻訳」
      ──ポストコロニアル批評と翻訳論
 1 多様性と越境のダイナミズム──翻訳論の現代的展開
   ◉スーザン・バスネットからガヤトリ・C・スピヴァクまで
 2 翻訳による植民化・脱植民化──共犯と批評の展開
   ◉ダグラス・ロビンソン
 3 異質性がせめぎ合う「コンタクト・ゾーン」──翻訳の磁場
   ◉シェリー・サイモン、ミカエラ・ウルフ
 4 時間軸と空間への介入──「普遍性」に対峙する文化「翻訳」
   ◉ホミ・バーバ
 5 翻訳者の立ち位置──翻訳の歴史の「読解」
   ◉ローレンス・ヴェヌーティ

第Ⅱ章 再・読/記述としての「翻訳」
      ──モダニズム後と歴史の解体
 1 再記述としての翻訳
   ◉アンドレ・レフェヴェール
 2 「再読」から「再翻訳」へ
   ◉テジャスウィニィ・ナイランジャナ
 3 インターテクスチュアリティとしての翻訳──バベル神話の崩壊
   ◉ジャック・デリダ
 4 歴史の「再読」──ディコンストラクションと翻訳論
   ◉スピヴァクのデリダ解読と翻訳

第Ⅲ章 「他者」を語る言説
      ──「物語」への注視
 1 ナラティヴ論の転回と「大きな物語」の解体
   ◉ヘイデン・ホワイト、ポール・リクール、
    ジャン=フランソワ・リオタール
 2 歴史意識に協働する「記憶」
   ◉ティム・ウッズ
 3 「ホロコースト」と歴史の記憶
     ──ポストモダニズムのナラティヴ
   ◉ロバート・イーグルストン
 4 ホロコースト言説への助走──「痕跡」の記憶
   ◉エマニュエル・レヴィナスとデリダ

第Ⅳ章 忘却への抵抗
      ──ホロコーストを語る自伝
  1 「ホロコースト文学」という言説
  2 ホロコースト「その後の生」と自伝──「不在」を語る言説
  3 表象の解体──「他者」へのまなざしが向かうところ
  4 「時間」への応答──「記憶」の主体

第Ⅴ章 世界文学とは何か
      ──越境のアポリアを超えて
 1 自身を語ること
   ◉アン・ホワイトヘッド、ローラ・マーカス
 2 他者を語ること
   ◉クリストファー・ビグズビィ、ベラ・ブロズキ
 3 未来への記憶と翻訳
   ◉V. ウルフ、ヴァルター・ベンヤミンからリクールへ
 4 世界という言説
   ◉ティム・パークス、デイヴィッド・ダムロッシュ

結び

関連書

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