〈オキナワ〉人の移動、文学、ディアスポラ

琉球大学 人の移動と21世紀のグローバル社会 Ⅶ
〈オキナワ〉人の移動、文学、ディアスポラ

山里 勝己 編, 石原 昌英 編
A5判 / 220ページ / 上製
定価:2,200円 + 税
ISBN978-4-7791-1676-6 C0020
奥付の初版発行年月:2013年01月 / 書店発売日:2013年01月15日
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内容紹介

〈移動〉による新たな〈オキナワ〉アイデンティティの生成とは…!
移民など、そのエネルギーはどのような社会変動や文化混交を生みだし、どのような文学表現を生み出したのか。

「二〇世紀初頭の沖縄人(あるいは琉球人の痕跡を強く保ったままの人物たち)の海を越えて環太平洋に拡散していく移動は、征服、亡国、併合そしてそれにともなう旧体制の融解がその背景にあった。沖縄をめぐる一九四五年の日米の激烈な地上戦は、土地を強奪され、住み慣れた場所を喪失してふたたび海を越えて環太平洋に拡散する人々の移動(または流浪)をもたらした。このような移動は故郷(定住する土地)や伝統や固有文化の喪失をともない、文学には〈移動の不安〉に苛まれながら土地を追われ、漂流し、定住地を求めて新たな世界へと浸透していく大衆が描かれるようになった。
 そして「移民」という経験やその「成功」という物語も、文学ではクリティカルなまなざしをともなって書かれるようになった。異郷への越境の不安や混乱に満ちた移動は、やがて移動先での定住と「誠実な労働」による成功という神話を生みだし、同時に、〈移動される不安〉と〈移動してきた者たち〉の力に翻弄され、自らの土地で他者化される人々をも生み出した。これはハワイの歴史をふり返ると自明のことであろう。そしてじつは「移民県」と呼ばれてきた沖縄が、歴史的には近世――例えば一八五三年のペリーの来航――から継続して〈移動される不安〉と悪夢に苛まれてきた場所であることも確認しておく必要があるだろう。
 このような〈移動される人々〉や〈移動される土地〉に向けられた人の移動のエネルギーはどのような社会変動や文化混淆を生みだし、新たな〈オキナワ〉アイデンティティの生成に繋がり、どのような文学表現を生み出したのか。……」(「まえがき」山里勝己)

著者プロフィール

山里 勝己(ヤマザト カツノリ)

山里勝己
琉球大学法文学部教授
主要著書:
『〈移動〉のアメリカ文化学』編 ミネルヴァ書房(2011)
『琉大物語―1947-1972』琉球新報社(2010)
『場所を生きる―ゲーリー・スナイダーの世界』山と渓谷社(2006)
『自然と文学のダイアローグ―都市・田園・野性』共編 彩流社(2004)ほか。

石原昌英
琉球大学法文学部教授
主要著書
「琉球諸語を巡る言語政策」石原昌英・喜納育江・山城新編『ハワイ・沖縄 コンタクト・ゾーンとしての島嶼』彩流社(2010)
「琉球語の存続生性と危機度」パトリック・ハインリッヒ/松尾慎 編『東アジアにおける言語復興 中国・台湾・沖縄を焦点に』三元社(2010)、ほか

目次

まえがき    山里勝己  
第1部 沖縄ディアスポラの文学
 第1章 歴史の証言
     ――沖縄人ディアスポラにおける自伝的著述に関する考察
   ベン・コバシガワ(カルフォルニア州立大学教授)/浜川仁訳
 第2章 ディアスポラにおける沖縄人の詩と歌
   ウェスリー・巌・ウエウンテン(カルフォルニア州立大学教授)
                         /山里勝己訳
 第3章 受け継ぐ文化――オキナワ系カナダ人の経験
      ダーシー・タマヨ(オキナワ系カナダ人作家)/兼本円訳
 補・沖縄の「修復」――ダーシー・タマヨさんに聞く 
                         与那嶺松一郎
第2部 移動する沖縄文学
 第4章 『カクテル・パーティー』の上演はなぜ必要であったか
     フランク・スチュアート(ハワイ大学教授)/山里勝己訳
 第5章  大城立裕&フランク・スチュアート 特別対談
    ――『カクテル・パーティーを語る』/進行・本浜秀彦
 第6章 宮里静湖抑留三部作に見る「移動」
     ――「異国の丘」を中心に 仲程昌徳(元琉球大学教授)
第3部 「旅」と文学
 第7章 旅を書くことを考える
     ──ストレンジオグラフィにむかって 管啓次郎(明治大学教授)
 第8 章 コンコードを〈旅〉するソロー
     ──移動のレトリック    野田研一(立教大学教授)
 第9 章 『ブレーク、またはアメリカのあばら家群』
     にみる旅と移動のポリティクス 笹田直人(明治学院大学教授)
あとがき    石原 昌英

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