ニグルマノペラジー ウシナワレタクニヘノタビ 978-4-88202-506-1 9784882025061 4-88202-506-X 488202506X 0397 荷車のペラジー Pélagie-la-Charette 失われた故郷への旅 カナダの文学 カナダノブンガク アントニーヌ・マイエ 大矢タカヤス アントニーヌマイエ オオヤタカヤス Antonine Maillet 1929年カナダ、ニューブランズウィック州の東海岸で生まれる。1950年にノートルダム・ダカディコレージュで学士号を取得、その後あちこちで教鞭をとりながら創作活動を始め、同時にサン・ジョゼフ大学、モントリオール大学、ラヴァル大学、あるいはパリなどで文学研究も続けた。1970年にラヴァル大学で文学博士号を取得、論文名は『ラブレーとアカディにおける民間伝承』であった。創作活動は、1957年に最初の戯曲を書き、今日まで芝居やドラマの台本を書き続け、1970年にラジオ・カナダの放送で彼女自身が朗読した『ラ・サグインヌ』は、その後ヴィオラ・レジェの一人芝居として上演されて大成功を収め、作者の名を世界的に有名にした。小説に関しては、1958年に『はまぐり岬』を刊行して以来、2008年の『リヤンの不思議な旅』まで20篇近くを発表しており、作者の創作活動の続く限りさらに新しい作品が生み出される可能性が十分にある。 1944年生まれ。東京大学博士課程中退。現在、東京学芸大学教授。著訳書等に『地図から消えた国、アカディの記憶 「エヴァンジェリンヌ」とアカディアンの歴史』(大矢タカヤス著、ヘンリー・ワズワース・ロングフェロー著、書肆心水、2008年)、『バルザック人間喜劇セレクション 別巻1』(バルザック他著、鹿島茂他編、藤原書店、2000年)、『バルザック人間喜劇セレクション 第1巻』(バルザック著、鹿島茂他編、藤原書店 、1999年)、『バルザック人間喜劇セレクション 別巻2』(バルザック他著、鹿島茂他編、藤原書店、1999年)、『バイカルチャーものがたり』(大矢タカヤス著、日本図書刊行会、1997年)、『トイレの文化史 ちくま学芸文庫』(ロジェ・アンリ・ゲラン著、大矢タカヤス訳、筑摩書房、1995年)、『シャベール大佐 河出文庫』(オノレ・ド・バルザック 著、大矢タカヤス訳、河出書房新社、1995年)、『羞恥の歴史 人はなぜ性器を隠すか』(ジャン・クロード・ボローニュ著、大矢タカヤス訳、筑摩書房、1994年)、『トイレの文化史』(ロジェ・アンリ・ゲラン著、大矢タカヤス訳、筑摩書房、1987年)、『フランス語を読むために 2訂新版』(大矢タカヤス著、早美出版社、1986年)、『十九世紀フランス小説 文庫クセジュ』(ローズ・フォルタシェ著、大矢タカヤス訳、白水社 、1985年)、『二人の天使』(大矢タカヤス編、三修社)等がある。 彩流社 1979年度ゴンクール賞受賞作品 本邦初訳!
18世紀植民地戦争に敗れたカナダのフランス人移民=アカディが辿った
悲劇と民族の誇りを謳う長編傑作!
物語の背景 カナダのノヴァスコシア州を中心とする地域には十七世紀初めからフランス人が入植し、アカディと呼ばれていた。一七一三年、英仏両国の抗争の結果としてイギリスの領有となるが、しばらくは本格的な入植に取り組まなかったために、フランス系住民はイギリス軍政下にもかかわらず、独自の生活を維持・発展させ、フランス本国とも異なる独特な社会を形成し、人口も一万数千にまで増えた。しかし、英仏両国の関係悪化に伴って軍政当局は、一七五五年、すべてのフランス系住民、いわゆるアカディアンの土地・財産を没収し、彼らを強制的に船に乗せて、南のイギリス領植民地に追放したのである。その後も、フランス領は次々に制圧され、そこに住んでいたアカディアンは、捕らえられ追放された。船に乗せられたアカディアンは約七千人、その他に北へ逃れた者、森に隠れ続けた者などもいた。そして、一七六三年、北アメリカのすべてのフランス植民地をイギリスが領有することになり、これらのアカディアンたちには帰るべき故郷を失うこととなった。現在のケベック州のフランス系住民は追放されることがなかったため、苦しみながらもアイデンティティと言語・文化を維持しながら今日に至ったが、アカディアンたちはまったく別な歴史を辿ることになった。
本書は、追放先のアメリカ南部からの故郷への愛着と帰還の想いに焦点を当てた物語である。
(社)日本図書館協会 選定図書 18世紀植民地戦争に敗れた仏系のアカジア人は民族離散という悲惨な運命を辿る。この小説はアメリカ南部から故郷を目指して遠路帰還を試みた人々を讃え、民族の誇りという古くも新しいテーマを高らかに歌う叙事詩である。ゴンクール賞受賞作。