書店をたずねて三千里

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Amazonは便利だが……

気がつけば出版社で営業スタッフとして働き始めて14年以上経ってしまった。

その間、本当に多くの人と出会った。書店員、取次の人、同業者の版元の営業スタッフや編集者さん、作家さん、ライターさん…..
数えたら軽く千人は超えていると思われる。

そんななか、ここ数年でいっきに業績を拡大しているAmazonがどんどん本の販売のシェアを伸ばし続けている。
リアル書店の楽しさは、本との偶然の出会いを、実際に手に取って触れることで、直接感じることができることだと思うが、もう一つ忘れてはいけない存在がある。

そこで働く書店員さんだ。

それこそ、全国各地に数多ある書店に、人間だから当たり前だが、それぞれまったく違う個性をもった書店人たちが働いていて、その方々と、特に営業スタッフは、日々各地の書店で出会い続けている。

ネット書店で、電話注文すら受け付けないAmazonには、人間と直接会話を交わして買ったり仕入れてもらったりすることは基本的にはない(大手版元や、Amazonと直契約している場合は別なのかもしれないが)。

ちょっと極端かもしれないが、分かりやすくするため、例えていえば、もし全国のリアル書店が潰れてamazonだけになったら、amazonの仕入れとやりとりをするだけで、すべての営業活動が完結してしまう世界になってしまうということだと思う。

そうなったら版元の営業スタッフは、いままで全国の数多の書店員さんと出会う喜びを喪失してしまうことになる。
そんな世界は……絶対につまらないと素直に想像して、そう思った。

寺山修司ではないけれど、「人生は出会いだ」と私は思っている。
人生の大半の時間を占める、仕事は人生そのものでもあるから、「仕事は出会いだ」ともいえると、私は思っている。

ということで、リアル書店で働く、様々な個性や思いや志をもった書店員が、この先もずっと存在し続けてもらうことを、切に願っております。

【文責 春日俊一】