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われら星野党

2005 年 11 月 21 日 月曜日

『われら星野党』表紙\
書籍名   : われら星野党-星野仙一・夢に向かう道のり
(ワレラホシノトウ )
著者名   : 西中和光(ニシナカカズミツ) 著
発行日   : 2005-11-15
税込価格 : ¥1470
本体価格 : ¥1400
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★「日刊ゲンダイ」05.12.16
「阪神タイガース前監督星野仙一氏の大阪後援会「虎仙会」幹事長がつづるスポーツコラム。18年ぶりに優勝を勝ち取った2003年の春から今年のリーグ優勝まで、報道では知ることができない名将の素顔を伝えながら、ダメ虎が猛虎に変貌していく軌跡をたどる。選手の団結と潜在能力を引き出し優勝に導いた星野氏の人間性をはじめ、監督辞任の裏事情や、昨年の球界再編問題、今季の巨人監督就任要請まで。虎ファン、星野ファンにはたまらないエピソ\ードが満載」

★「日本海新聞」11.21

「大阪日日新聞運動面の名物コラム「がんばれ星野仙一/虎仙会だより」の4年分が1冊の本になった。阪神タイガースの星野仙一オーナー付きシニアディレクター(58)の2001年秋の阪神監督就任から、現在までの足跡をまとめた本だ。新聞紙上には出なかった秘蔵写真も満載している。著者は大阪星野仙一後援会「虎仙会」の初代会長で、現在は幹事長を務める西中和光さん(68)。中日時代からSDと家族ぐるみの付き合いがあり、阪神入りの際から西も東も分からない関西初居住の星野氏を支えた。後援会結成から組織拡大に始まり、03年の18年ぶりにリーグ優勝を飾った当時のエピソードや日本シリーズ敗戦の夜の裏話。さらに去年から続く球界再編問題とのかかわりや、今年関西を揺るがせた「星野巨人入り」騒動のてん末、村上ファンドとの問題まで一気に展開している。 構\成は?@〇二、〇三年の「猛虎復活」のらつ腕ぶり?A〇四年球界改革への提言とアテネ五輪前夜?B虎仙会を支える人々?C〇五年ますます球界が必要としているその存在感竏窒?事セに解き明かしている。 今回の出版に対しSD自身は「お父さん(SDは西中さんをそう呼ぶ)あんまり書くなよ。世間は??星野が書かせている?≠チて思うじゃないか」と苦笑しながら西中さんに注文しているという。
西中さんは「星野仙一という人は、決して自画自賛しない。だから、代わって最も近くにいる人間として彼がやってきたことをキチンとまとめて後世に伝えようと思った。これを読めば、なぜ世間で??星野をプロ野球コミッショナーに?≠ニの待望論が出るか分かってもらえると思う」と説明。
今回の出版に推薦文を寄せた虎仙会名誉会長の福井俊彦日銀総裁は「星野さんに親近感を抱く方はぜひ一読を」、また同会長でこのほど日本郵政会社初代社長に内定した西川善文三井住友銀行特別顧問は「一昨年のリーグ優勝前後のエピソードはほかでは読めない内容。ファン以外にも読んでほしい」と最大限の賛辞を送っている」

破天荒な人々

2005 年 11 月 19 日 土曜日

『破天荒な人々』表紙\
書籍名   : 破天荒な人々叛乱世代の証言
(ハテンコウナヒトビト)
著者名   : 荒岱介(アラ タイスケ) 著
発行日   : 2005-10-07
税込価格 : ¥1890
本体価格 : ¥1800
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★「図書新聞」11.19・府川充男

「1968年。すでに歴史的叙述の対象である。本書は現代のノンフィクション稗史小説とでもいうべき『破天荒伝』『大逆のゲリラ』(いずれも太田出版)を著した荒岱介が聞手となって、6人の「叛乱世代」小嵐九八郎、花園紀男、青砥幹夫、古賀暹、望月彰、斎藤まさしと、全盲のハンディを乗越えて医師国家試験に合格した一人を相手に行った対談を編んだもの。荒が「序に代えて」で記しているように日本の新左翼が最も光り輝いていた時代は意外に短く、せいぜい10年強に過ぎない。思えば37年は一睡の中にして兵どもが夢の跡である。

スプーン曲げに夢中

2005 年 11 月 1 日 火曜日

『スプーン曲げに夢中』表紙\
書籍名   : スプーン曲げに夢中
(スプーンマゲニムチュウ)
著者名   : 板垣真理子(イタガキマリコ) 著
発行日   : 2005-11-15
税込価格 : ¥1890
本体価格 : ¥1800
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★『Spoon』12月号
ある日突然スプーン曲げが出来るようになったというカメラマンの板垣真理子さんが、自ら曲げたスプーンをスキンヘッドの音楽家に王冠みたいにつけてもらったり、桜の枝にくくりつけたり、女の子のアクセサリーっぽくつけてもらったりする一風変わった写真集。これを見て自分もスプーン曲げができるようになったという人が現れるとこれは世界初の実践ニューエイジ思想写真集として話題になるような気がする」

★『CAPA』11月号

「曲がったスプーンが木に下がり、海辺に並び、アクセサリーとして髪を飾る。正真正銘“スプーン曲げ”をテーマにした写真集だ。“スプーン曲げ”と言えば、ユリ・ゲラー。初来日時、話題になり世間を騒がせた。そして数年前、再びこの超能力がテレビで放送され、そこで板垣氏はスプーン曲げを初体験し、成功させた。だが、その事実を彼女の親しい友人ですら信じてくれず、彼女を困惑させた。人が人を信じるってどういうこと? と。そして、スプーン曲げは次の展開に発展した。曲がったスプーンは作者と共に自然の中を散歩し、新たな人と出会わせた。未知の力を信じる人に贈る1冊だ」

論説委員室

2005 年 10 月 2 日 日曜日

『論説委員室』表紙\
書籍名   : 論説委員室竏?60年安保に賭けた日々
(ロンセツイインシツ)
著者名   : 小林金三(コバヤシキンゾウ) 著
発行日   : 2005-09-05
税込価格 : ¥1995
本体価格 : ¥1900
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★北海道新聞」10.2 笠井嗣夫
「副題に「60年安保に賭けた日々」とあり、北海新報社という地方紙の論説委員たちを主人公として、彼らが歴史の潮流に熱く向き合う様子を描く。「60年安保」というのは、1960年に結ばれた日米新安保条約のこと。批准に反対する大衆運動が空前の盛り上がりをみせ、新聞論調の多くも、与党の強行採決や条約の批准に批判的であった。だが数万人規模のデモ隊が連日国会を取り巻き、死者まで出る事態になると、論調は一変する。在京の7新聞社は、急遽、異例の共同宣言を掲載して反対運動の中止を呼びかけた。これが有名な、「その事の依ってきたる所以を別として」という文言を含む、政府支持へ向けた新聞キャンペーンである。ほとんどの地方紙がこの宣言に追随するなか、主人公たちだけは、これまでの主張をつらぬく。もちろん孤立感に苛まれ、それぞれがさまざまに苦悩しながら、である。著者の小林金三も、かつて北海道新聞社の論説委員であり、小説のかたちをとっているが、内容は、ほぼ事実にもとづくものであろう。自衛隊のイラク派遣などが、すぐさま既成事実化されていく現状への危機意識も、執筆の動機として強く感じられる」

ダイヤモンドと火打ち石

2005 年 9 月 2 日 金曜日

『ダイヤモンドと火打ち石』表紙\
書籍名   : ダイヤモンドと火打ち石
(ダイヤモンドトヒウチイシ)
著者名   : ホセ・マリア・アルゲダス 著/杉山晃(スギヤマアキラ) 訳
発行日   : 2005-06-01
税込価格 : ¥2625
本体価格 : ¥2500
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★『読書人』9.2、立林良一
「ラテンアメリカの現代文学が世界的な〈ブーム〉を引き起こしたのは1960年代のことであったが、アルゲダスはそうした〈ブーム〉の先駆的作家として、同じペルー出身の若い世代に少なからぬ影響を与えた。代表作である『深い川』(1958)は、まさに〈ブーム〉の端緒を開いた作品のひとつで、今なお多くの読者に広く読み継がれている。今回の短編集には、『深い川』をはさむ作者の後半生に書かれた全部で11の作品が収められており、同じ訳者によって二年前に紹介された『アルゲダス短編集』の続編と位置づけられる。彼はペルー社会の底辺で暮らすインディオの姿を、様々な物語の中に描き出していくが、それは決して虐げられた者たちの現実を告発するといった外部の視点からではなく、彼らの豊かな感受性に共感し、その思いを自分のものとして語っており、彼の文学が高く評価される理由もまさにその点にある。表題作の中編に描かれているのは、アンデス山脈の「火打ち石とダイヤモンドの山」を削って流れる深い川の谷からやって来たイルマという女性と、彼女に思いを寄せる少し知恵遅れのインディオ、マリアノとの悲劇である。川の流れを髣髴させるケチュア語を話すイルマと、金髪の若い娘アデライダとはペルーの二つの文化圏の象徴であり、農場主ドン・アパリーシオと、ハープ弾きのインディオ、マリアノも、男性優位のマチスモの価値観に立つ支配する側と、それになすすべなく従属させられる側とを体現している。1959年のキューバ革命は、作品発表とまさに同時代の出来事だったが、作者は従属させられる者たちの側に立ちながらも、決して彼らをあからさまに暴\\力に駆り立てたりはしない。しかし「下男の夢」という題名の掌編において発揮された文学的ユーモアは、ある意味で暴力以上に現実を変革する力を秘めているように感じられる。アルゲダスはその数奇な生い立ちによって、支配する側である白人の血を引きながら、ケチュア語を自分の言葉として話し、その言葉の背後にある豊かな精神世界に深く共感することができた。それはスペイン語の中にケチュア語を効果的に交えて語られる文体だけでなく、自然や動植物との交感を描く独特の語り口にもはっきりと現れている。しかし、白人としての肉体とインディオとしての精神の狭間で、どちらの側にも自分の居場所を見出せなかったことは、彼を繰り返し深刻な心の病に苦しませる原因ともなった。本書の最後に収められた4編の連作は、精神科医のすすめで心理療法の一環として、幼いころの性的体験を描き出したものだどいう。心の闇との葛藤が優れた文学作品へと昇華したわけだが、結局彼は58歳のとき自ら命を絶ってしまう。南米のペルーは地理的には日本と遠く隔たった国だが、インカ文明の遺跡がテレビ番組などで取り上げられる機会は決して少なくない。「ラス・ニーティの最期」で描かれているハサミの踊りも、映像的には単に絵になるアンデスの風俗に過ぎないが、アルゲダスの作品からは、それを踊る生身の人間の姿が読む者の心に鮮やかに浮かび上がってくる」

漢字の生態学

2005 年 9 月 1 日 木曜日

『漢字の生態学』表紙\
書籍名   : 漢字の生態学 日本語を鍛える漢字力のために
(カンジノセイタイガク)
著者名   : 川越泰博(アカワゴエヤスヒロ) 著
発行日   : 2005-07-20
税込価格 : ¥2100
本体価格 : ¥2000
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★『東方』295号

「「子子子子子子子子子子子子」は何と読む?竏秩uねこのこのこねこ、ししのこのこしし」。双弓米は何の異名? 無塩バターならぬ「無塩女」って? 蜃気楼(しんきろう)の「蜃」はなんと「大きなはまぐり」。「柿落とし」の「柿」は柿(かき)ならず…(注:ワープロソフトでは、「こけら」と「かき」の違いが表\\現できず)。一つの漢字に多様な読み方・意味があったり、ほんの一画で別物になったり、故事を知ってやっと分かる熟語もあり。知れば知るほど面白さ底無しの漢字の世界を散策する一冊。」(『東京新聞』『中日新聞』8.25) 「漱石が金銭のことを「堵物」と表現した由来(知らなければまるで見当がつかない漢字の異称)、柿(かき)と柿(こけら)の違い(似ているけれども異なる漢字)など、読んで日本語の表\現も鍛えられるエッセイ集」

焼肉横丁を行く

2005 年 9 月 1 日 木曜日

『焼肉横丁を行く』表紙\
書籍名   : オフサイド・ブックス40 焼肉横丁を行く
コリアン・タウンのディープな歩き方
(ヤキニクヨコチョウヲユク)
著者名   : 中山 茂大、チュ・チュンヨン、水野あきら
(ナカヤマシゲタ チュチュンヨン、ミズノアキラ) 共著
発行日   : 2005-07-10
税込価格 : ¥1785
本体価格 : ¥1700
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★『散歩の達人』2005年9月号
「表紙だけ見ると単なる焼肉食べ歩きガイドのようだが、侮るなかれ。上野、大久保、三河島など、各地に散らばるコリアン・タウンの焼肉屋、食材店を訪ね歩くうち、浮かんできたのはコリアン・タウンの形成史、そして在日韓国人・朝鮮人の歴史だった。なぜ下町にコリアン・タウンが多いのか。済州島出身者の在日が多いのはなぜか。アジュンマ(おばちゃん)たちの豪快な笑みに潜む真実に迫る」

男泣きスタジアム!激動のパ・リーグ編

2005 年 7 月 4 日 月曜日

『男泣きスタジアム!激動のパ・リーグ編』表紙\
書籍名   : オフサイド・ブックス39
男泣きスタジアム!激動のパ・リーグ編
(オトコナキスタジアム!ゲキドウノパ・リーグヘン)
著者名   : オフサイド・ブックス編集部
(オフサイドブックスヘンシュウブ) 編
発行日   : 2005-05-05
税込価格 : ¥1680
本体価格 : ¥1600
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★週刊ベースボール」石富仁 7.4号
「この本、一言でまとめてしまえば『コアなパ・リーグファンのためのファンブック』だろうか。昨年の球界再編問題と同質の問題をはらむ、1970年代の東映、西鉄の球団譲渡問題に端を発したリーグ再編問題を掘り起こしたり、消えた球団へのオマージュを熱く語ったり、いかにもパ・リーグ的なキャラクターを研究したりと、内容は実にバラエティに富んでいる。まあ『パ』を愛する複数の著者が好き勝手書いているので、正直なところ、一冊の書籍としてはまとまりを欠いているキライもあるのだが、その無秩序ささえも魅力になっているという変な本なのだ。著者たちに共通しているのは、『パ』への熱い思い入れ。その熱気は『パ』初心者は暑気あたりするのではないかと心配になるほどで、交流戦でパ・リーグに興味を持ち始めたという人の『パ』入門書というわけにはいかない。本書はまず生粋の『パ』ファン、特に西武ライオンズ誕生以前からのファンにこそ楽しんでもらいたい。たとえば『球場を格闘場に変えるオトコ・山本八郎』なんて、それこそコアな『パ』ファン以外にはわかりにくい実にディープな題材が扱われていたりするのだ。もちろんコアな『パ』ファンでなくても楽しめるものもいくつかある。川崎球場を中心にしたいかにも『パ』らしいヤジの研究などは、日本のヤジ文化を考える上で、また両リーグの選手とファンの距離の違いを考える点でも参考になるはずである。少々クセはあるが、一度ハマったらやみつきになる味。そんな『パ』を徹底的に礼賛した本書も、『珍味』としてビール片手に読むのが似合いそうだ」

幼年論

2005 年 7 月 1 日 金曜日

『幼年論』表紙\
書籍名   : 幼年論 21世紀の対幻想について
(ヨウネンロン)
著者名   : 吉本隆明、芹沢俊介
(ヨシモトタカアキ、セリザワシュンスケ) 著
発行日   : 2005-06-20
税込価格 : ¥1680
本体価格 : ¥1600
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★『東京新聞』『中日新聞』9.4
「消滅寸前の幼年」には人間を根源から解く鍵がある、としながら語り合う全九章の対談。「軒遊び」ができない時代と引きこもりにふれた吉本の発言や、太宰治、夏目漱石、そして天皇の家族をめぐる議論が印象的。「幼年」とは「母親が傍らにいることが必要な時期」と芹沢は述べ、「軒遊び」の大切さを語る吉本の言葉と通じ合う認識を語る。副題に「21世紀の対幻想について」とある」

★瀬尾育生、中国新聞ほか共同通信配信
「乳児期のあとにやってきて、やがて学校という「社会」に出てゆく手前の時期竏窒サれが幼児期である。「家遊び」と「外遊び」の中間の、いわば「軒遊び」の世界。/乳児はまず母親から、自らの「存在」への無条件の肯定を受け取る。幼児期は、この存在肯定の上にたって、そこから生きることを始める時期だ。そのとき母親は「そばにいる」。幼児期とは「母親が傍らにいる必要のある時期、時間」である、という定義が、この対談の出発点になっている。/私たちはふだん、自分が「一人の人間」であることを出発点にして、他人や社会との関係を考えている。そういうとき幼児期は、私たちの意識の背後に追いやられている。だが幼年期とはほんらい、私たちが「一人の人間」になるまえの、その土台をつくる時期なのだ。
/ところでいま私たちは幼年期を失いつつある。自分の幼年期がどういうふうだったか、もうだれも思い出さない。子供に対しても私たちは、大人になってしまった自分の感覚を押しつけているだけなのかもしれない。/おまけに現在、教育や社会が、子供との関係の中にあまりに早く入り込むので、大人たちは子供に存在肯定を与えるゆとりも、ただ黙って子供の傍らにいる時間も持てなくなっている。「引きこもり症」はある意味で、幼年期が失われたことへの代償行為なのだ、という吉本の指摘はするどい。
/幼年期について考えるということは同時に、ふつうの大人の言葉や論理によっては考えにくいような、人と人の関係の、深い陰影の世界について考えることでもある。なぜある人には無条件な親しみを感じるのに、他の人との関係は疎遠さからしか始まらないのか。兄弟姉妹を支配している情感の濃淡とは何か、日本は現在にいたるまで、深層においては女系社会なのではないか、等々。
/この本はそれらの世界を、対話者自らの体験的な記憶や、漱石や太宰の文学作品、柳田国男や折口信夫の知見などのなかに探ってゆく。「一人の人間」であることを出発点とした私たちのふだんの思考からは、決して触れられないような世界の感触を、ありありと思い出させ体験させてくれる。」

初稿 チャタレー卿夫人の恋人

2005 年 7 月 1 日 金曜日

『初稿 チャタレー卿夫人の恋人』表紙\
書籍名   : 初稿 チャタレー卿夫人の恋人
(ショコウチャタレーキョウフジンノコイビト)
著者名   : D.H.ロレンス(D.H.ロレンス) 著
増口充(マシグチミツル) 訳
発行日   : 2005-05-10
税込価格 : ¥2940
本体価格 : ¥2800
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★「書標」(ジュンク堂)7月号
あの「チャタレー」に幻の初稿が存在した!! もうそれだけで、興奮するではないか。わくわくする手で美しい装丁の扉を開き、私はもう一人のチャタレー夫人の恋人に会いに出かけた。作者のロレンスは、推敲しながら作品を仕上げるのではなく、初稿を書き上げると、また一から第二稿を書き始めるという稀有な作家だ。それゆえ、現在知られている第三稿のチャタレーと本作品は似てはいるが、全く異なる物語になっている。醜聞が純愛に、とでも言おうか。初稿ではコンスタンスは貞淑な貴婦人であり、優しい魅力にあふれている。森番は方言まるだしの、荒々しい風貌の抗夫で、最後は共産主義に走る。互いに憎悪と嫌悪を抱きながら、どうしようもなく惹かれあう二人、そしてその間にある階級という壁。性描写は三稿に比べるとほぼなく、ただコンスタンスと森番の会話から推察される程度だ。だが、それが逆に生々しかった。忠実に訳された方言が、この愛の本質を語っている。労働者と支配階級、永遠のテーマだ。初稿で、ロレンスが描きたかったのは性ではなく、生ではなかろうか。どうしてコンスタンスは、森番を必要としたのか。なぜ森番は、コンスタンスと一緒になることをあれだけ拒んだのか。私はそこに革命前の労働者が放つ、痛々しいまでにまっすぐな、生命の輝きを感じる。支配階級が恐れながらも魅了されたその力に、現在の読者も虜になる。チャタレーを読んだことがある人も、ない人も、これはお勧めの一冊。」(天)