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ジャズ選曲指南

2005 年 1 月 1 日 土曜日

『ジャズ選曲指南』表紙\
書籍名   : ジャズ選曲指南 秘伝「アルバム4枚セット」聴き
(ジャズセンキョクシナン )
著者名   : 後藤雅洋(ゴトウマサヒロ) 著
発行日   : 2004-11-25
税込価格 : ¥1680
本体価格 : ¥1600
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★「CDジャーナル」05年2月号

「ジャズ喫茶〈いーぐる〉店主の新著は、アルバム4枚1セットの鑑賞方式を提案する、いまだかつてないガイドだ。〈いーぐる〉では1枚から約20分(LPでは片面に相当)流し、考え抜かれた順番でそれを4枚繋げて1単位とする選曲システムをとっている。客は飽きないし、ジャズの奥深さも十分味わえるというのが理由だそうで、そのような店の〈知恵〉を惜しげもなく本書で披露した。ジャズ喫茶の空間が今でいうDJ的な感性で演出されていることを再認識」。

★「ジャズ批評」 2005年1月号
「ヒット中の『さわりで覚えるジャズ』(中経出版)、中山康樹・村井康司氏との一連の宝島社ムックなど、どちらかというと監修者としての仕事が続いた後藤雅洋が、久々にソロ作を発表\。門外不出の「いーぐる選曲ノート」を基に、ジャズ喫茶の名盤を、これまでの名盤ガイドとは努めてダブらぬように紹介。《K竏窒Pも真っ青! 稀にみる立ち技の応酬》、《前田対アンドレを彷彿、これぞまさにセメント・マッチ》など、見出しにも格闘技を愛し、柔道や空手にいそしみ、力道山の生も体験した著者ならではの男気があふれる。ゴッチイズムならぬ「後藤イズム」にあふれた力強い一冊だ」。

グレアム・グリーン文学事典

2004 年 11 月 20 日 土曜日

『グレアム・グリーン文学事典』表紙\
書籍名   : グレアム・グリーン文学事典
(グレアムグリーンブンガクジテン)
著者名   : 山形和美(ヤマガタカズミ) 編集・監修
発行日   : 2004-09-20
税込価格 : ¥12600
本体価格 : ¥12000
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★図書新聞 11.20 田村一男・白百合女子大学教授

「グレアム・グリーンは1929年の『内なる人』をもって小説家として知られるようになり、1990年の『最後の言葉とその他』によって作家生活にピリオドを打った。この60年を越える年月にわたってなされた文業上の仕事は、長・中・短編の小説作品をはじめ、戯曲、エッセイ、評論、紀行文、自伝、伝記、回想録、さらには対談集や子供向けの読み物に至るまで、幅広く文芸の領域をカバーし、それと同時に数多くの著作物を世に送り出すこととなった。そしてこれら「グリーンの文学的全作業」をグリーンの没後13年にして生誕100年に当たるこの年に刊行されたのが、600頁を越える大冊となった本書なのである。本事典は、著作一覧・年譜・グリーンの生涯・グリーン文学の魅力・著作・重要概念項目・関係事項項目・関係人物項目・著作目録・参考文献(外国と日本)から成っていて、全体の構成は三つにまとめることができる。即ち、グリーンという作家を鳥瞰的に眺めた「グリーンの生涯」と「グリーン文学の魅力」、虫瞰的に捕らえた「著作」、そしてこれらの遠景と近景の中を迷うことなく歩くために必要な道標に相当する「重要概念項目」以下の項目の三つである。「グリーンの生涯」は、一味違った‘こく’と風味豊かな評伝となっており、「グリーン文学の魅力」はエズラ・パウンドに始まりエリオットで終わる展開の中に、シェイクスピアヘの言及も加味され、グリーンの文学の魅力が巨視的観点から述べられている。本事典の中核を成す「著作」の部は、300頁以上にも及び、習作から伝記に至るまで11の細目から構成されている。特にA「習作時代」C「長編・中編小説」D「短編・短編集」E「戯曲」F「児童向け物語」には「あらすじ」と「解説」が付けられている。「解説」はどれを読んでも巧みにまとめられていて、研究文献からの言説も適宜引用されており、この作家に接するあらゆるレベルの愛好者の要求を満たしてくれるものになっている。グリーンの小説作品の八割以上が映画化、もしくはTV化されていることを知り、驚きを新たにした。「重要概念項目」とそれに続く二つの「項目」は、グリーンの著作をより正確に、またより豊かに読み解く上でなくてはならない部分である。特に「重要概念項目」は、グリーンと同じカトリックの信仰を共有する者の人口が1%にも満たない日本にあってはなおさらである。ここには「愛の祈り」から「憐憫」まで44の項目が採られており、それらは単に字義の定義にのみ終始する辞典の類とは異なり、その概念が、作品世界を構築する上でどの様に機能\しているか、といった点を重視しての記述となっている。したがってその説明は、具体的作品に基づいてなされており、ある意味でグリーンのコンコーダンス的役割を果たしていると言うことができるであろう。本事典はグリーンを読む者を、その親しんでいる度合いに応じて受け入れてくれる許容度の大きい事典である。これまで彼の作品に点としてしか触れていなかった者でも、これを読み進むことにより、その点を足場としてどの方向に向かえば点が線となって延び、さらに面となって広がっていくか、その方向を見出すことができる。したがって本事典は引いて終わりにする類のものではなく、そこから始めるための刺激とヒントを得るための事典でもある。これをナビゲーターとして、私達は〈グリーンランド〉を安全に旅することができるようになったことに感謝したい」。

ラフカディオ・ハーンの思想と文学

2004 年 11 月 3 日 水曜日

『ラフカディオ・ハーンの思想と文学』表紙\
書籍名   : ラフカディオ・ハーンの思想と文学
(ラフカディオハーンノシソウトブンガク)
著者名   : 大東 俊一(ダイトウ シュンイチ) 著
発行日   : 2004-09-15
税込価格 : ¥2310
本体価格 : ¥2200
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★『ダカーポ』04.11.3号

「今年はラフカディオ・ハーン=小泉八雲の没後100年にあたり、さまざまな催しを通じてその再評価の機運がめざましい。まさにくめども尽きぬ泉のように、ハーンは魅力に富んでいる。本書では、ギリシャの小島で生まれ流転ののちに日本にたどり着いたハーンが、明治の日本に魅了された姿が思想史的な解説のもとに解析されている。当時の日本人の暮らしの中に息づく宗教心と道徳を、宇宙的な生命の進化史の中で了解するハーンの営みを鮮やかに描き出していて、小著にして好著。

自然と文学のダイアローグ

2004 年 9 月 25 日 土曜日

『自然と文学のダイアローグ』表紙\
書籍名   : 自然と文学のダイアローグ
国際シンポジウム沖縄2003…都市・田園・野生
(シゼントブンガクノダイアローグ )
著者名   : 山里 勝己、高田 賢一ほか
(ヤマザトカツノリ、タカダケンイチ) 編
発行日   : 2004-09-15
税込価格 : ¥2940
本体価格 : ¥2800
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★「沖縄タイムス」04..25 岡本恵徳
「アメリカの詩人ゲーリー・スナイダーをメーンゲストに韓国、台湾、日本の優れた詩人や作家、研究者を招いて、琉球大学で開かれた〈ASLE-Japan/文学・環境学会〉主催の国際シンポジウム「自然─都市、田園、野生」の記録が本書である。さまざまな議論をまとめた本書には、それだけに文学や環境問題についての興味深い発言が多数見られるが、ここでは評者の印象に残った二、三を取り上げることで書評に代えたい。その一つは、「環境文学研究」が手付かずの「原生自然」に留まらず「都市の自然」や「田園」にまで視野を広げているという指摘と、そのことと関連するカレン・コリガン=テイラーの「レフュージ」(安らぎの場)を見直そうとする発言であった。また、スコット・スロウィックの紹介した「感覚のエコロジー」や崎山多美の発言は、それぞれ文学を考える上で示唆に富むと思う。これらの詳細については本書を手にとって貰うしかないが、中でもとりわけ印象に残ったのは、森崎和江も言及したが、山城新の「環境正義」(この語句にはいささか違和感がある)という言葉を「語り」の問題とかかわらせる発言であった。そこで山城新は、安里清信の金武湾反CTS闘争の記録『海はひとの母である』を取り上げて、その語りが「複数」であることに「金武湾の闘いを多元化しよう」とする試みを読み取り、「環境問題だけではなくそれを語る環境言説の類型化を避け、極めてラディカルな形で環境をめぐる言説の再編成を試みている」と指摘する。これは例えば、映像の面での比嘉豊光や村山文江たちの試み「島クトゥバで語る戦世」に通底する重要な指摘として興味深い。今沖蝿は、辺野古沖への米軍基地建設や泡瀬干潟埋め立て問題など多くの自然破壊の危機を抱えている。その時期に人と自然とのかかわりを根元から考える本書が公刊されたことの意味は極めて大きい」。

越境するトポス

2004 年 9 月 3 日 金曜日

『越境するトポス』表紙\
書籍名   : 越境するトポス 環境文学論序説
(エッキョウスルトポス)
著者名   : 野田研一、結城正美(ノダケンイチ、ユウキマサミ) 編
発行日   : 2004-07-31
税込価格 : ¥4725
本体価格 : ¥4500
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★英語青年 05年1月号 笹田直人
「本書は、ネイチャーライティングやエコクリティシズムなど、日本での「環境文学研究」のさらなる展開をめざして編まれた論文集である。…野田氏は「序」で吾国の環境文学研究が第二段階にさしかかっていると指摘し、「ジャンル論としても文学理論としても輸入品の域を出なかった諸要素を、真に日本における文学ジャンル、文学研究の方法論として定着させる」こと、この分野の作品を「享受できる読者層を見いだし、息の長いジャンルとして日本的に成熟させる」ことの必要性を熱く静かに説く。実際、この論集の扱う作家のうち、生田論文が三木卓・石牟孔道子・内山節、野田論文が藤原新也、小谷論文が林京子、山里論文が宮沢賢治、結城論文が石牟礼、高田論文が戸川幸夫・宮沢、山城論文が柳田国男・森崎和江・堀江謙一、アレン論文が石牟礼という具合に、半数以上が日本の作品を検討している。いずれも、アメリカ文学との比較文学的視座に立ちつつ、「場所の感覚」「人間中心主義批判」など環境文学研究の核を成す主要な批評題目から読み親しんだ日本文学に新しい光をあてており、新鮮な読みと日米文学の喜ばしい邂逅へと読者を導いてくれるだろう。「トポス」とは、定型の表現形態の謂いでもあるが、また引き出されるべき表\\現の隠された場所の謂いでもある。本書は、『越境するトポス』という書名に相応しく、そうした場所を求め種々のディスプリンを越境する真率な探求の書である」。

★週刊読書人 9/3

「伝統的な文学研究では主題はもっぱら文明社会における人間存在の意義に終始してきた。そのようなアプローチでは現在進行しつつある環境危機には対処できない。環境危機は文明や文化の危機であり、同時に私たち人間性の危機でもある。というのも地球上に住むただ一つの種にすぎないホモサピエンスの、倣慢ともいえる営みがその大きな要因であるからだ。環境文学は従来の文学研究の反省に立ち、自然や環境の視点から私たちの文明の質を問い、私たちの生き方を問い直す。日本に紹介されてまだ10年余り、若い文学研究の分野である。環境文学という場合、一般的に知られているネイチャーライティング(人間と自然をめぐるノンフィクション、エッセイ)に小説、詩、演劇をも合むジャンルを指す。本書の意義を「場所の感覚」、「日本文学へのアプローチ」、「アメリカ人研究者の寄稿」という観点から紹介したい。本書には十三の論考が収められているが、そのほとんどが「場所の感覚」に関するものであることに注目したい。場所の感覚とは、「場所」についての意識をいっそう深化させたもので、場所を生態系ばかりか歴史や文化をも含めた複合体として捉え、そこの共同体の一員として根づくことによって初めてアイデンティティが確認されるという考え方である。アメリカ文学で言えば、ソ\ローの『森の生活(ウォールデン)』がその原型となり、日本文学で言えば、石牟礼道子の『苦海浄土―わが水俣病』は、逆に愛すべき場所が高度成長とともに崩壊していった遇程を描いている。本書の執筆陣の顔ぶれから、英米文学論が予\想されたが、タイトル『越境するトポス』(トポス=自然をめぐる言説)にあるように、トポスは各地、各領域に越境する。執筆陣自身が自らの文学研究を越境し、日本文学の読み直しを強く迫っているのが本書の特徴である。その対象は野尻抱影、三木卓、石牟礼道子、内山節、藤原新也、林京子、宮沢賢治、戸川幸夫等、実に多彩だ。そこにアメリカの作家ミューア、ステグナー、スナイダー、テリー・テンペスト・ウィリアムス、スコット・ラッセル・サンダーズ、ゲーリー・ポール・ナブハンが入り混じり、さらに海洋文学と動物文学に関する論考が加わって、一大「環境文学論序説」が展開する。アメリカ人研究者の寄稿はどれもそつなくまとまりがある。特にスロヴィックの「Xのなめらかな表皮をめくると」は、サンダースやナブハンのもつグローバリズムの間題点を分析したものである。アメリカではグローバリズムまでもが文学研究の対象となっていることに驚かされる。本書に関心をもたれた方に、次のような環境文学からのメッセージを紹介しよう。「自分がどこにいるかを知らなければ、自分が誰であるかわからない。」「私たちは場所を語る語彙をもっとゆたかにしなければならない。」あるシカゴの動物園の出口には、大きな姿見の鏡が掛っている。その上に「今あなたが見ているのは、地球上で最も凶暴\な動物です」と書かれている。環境文学研究が必要とされる時代が到来したようだ。」

ウェールズ「ケルト」紀行

2004 年 8 月 30 日 月曜日

『ウェールズ「ケルト」紀行』表紙\
書籍名   : ウェールズ「ケルト」紀行-カンブリアを歩く
(ウェールズケルトキコウ)
著者名   : 武部好伸(タケベヨシノブ) 著
発行日   : 2004-07-10
税込価格 : ¥2415
本体価格 : ¥2300
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★「日経」夕刊・大阪版ほかに『月刊TARU』04年9月号にも紹介あり
例えば映画「ハリー・ポッター」シリーズに出てくる魔法魔術学校の校長や「ロード・オブ・ザ・リング」の魔法使いガンダルフ。彼らのモデルになっているのが「古代ケルト部族の命運をにぎった呪術師であり、天文学者であり、倫理学者であり、裁判官でもある」ドゥルイド僧だという。/本書は、日本人にはいまひとつピンとこないケルト文化を、そんなエピソードで紹介する。/ケルト人は紀元前には全欧州に居住していたものの、ローマ帝国支配、ゲルマン民族移動などの歴史の波にほんろうされながら、次第に辺境に追いやられていった。しかし、キリスト教受容以前のケルトの持つ異教的なにおいは、文化や意識の古層になお残っている。そんな遺風の濃い故地を訪ねるのがライフワークという著者の、これが六冊目となる紀行だ。好意あふれる人々との出会いが楽しい。

イエロー・ペリルの神話

2004 年 8 月 22 日 日曜日

『イエロー・ペリルの神話』表紙\
書籍名   : イエロー・ペリルの神話 帝国日本と「黄禍」の逆説
(イエローペリルノシンワ)
著者名   : 飯倉章(イイクラアキラ) 著
発行日   : 2004-07-30
税込価格 : ¥2625
本体価格 : ¥2500
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★歴史読本 04.10号
「イエロー.ペリル、すなわち「黄禍」とは、日本や中国といったアジア地域の経済的・軍事的な近代化による国力増進を西欧先進諸国にとっての脅威とみる考えであり、そのイメージ全般を指し示す。「黄禍(論)」について語られる時、西欧人の東洋人に対する優越感や差別意識、人種問題をその底硫に見て、白人=加害者、黄色人種=被害者という図式にあてはめて事足れりとする風が見受けられる。しかし、著者は黄禍をめぐるさまざまな社会現象を、その源流に遡りつつ分析し、言説・芝居・寓意固・ジャーナリズムなどにおける具体的諸相をロシア、イギリス、ドイツ、アメリカ、そして日本それぞれの豊富な事例をあげて紹介する。そして黄禍と黄禍に対する反論・反発を含め、ときに国際政治の場で論じられ、B級映画のネタにもなり、高級新聞紙の紙面を飾る一方、煽情的なジャーナリズムの道具ともなる黄禍論の複雑な性格と、従来の固定的なイメージ、すなわち「神話」の解体へと論を進める。専門的知識に裏打ちされながら、平易な語り口の論考である」

★東京新聞 04.8.22

「イエロー・ベリル=黄禍とは、東洋人が白人に及ぼす災禍のことで、中国移民が白人の職を奪うという具体的なものから、西欧が中国や日本に侵略されるというSF的なものまで、さまざまなレベルがある。本書は主に、日本と黄禍論のかかわりを政治学的に考察。黄禍論がヨーロッパではむしろ問題にされていなかったのに対し、日本人の方が過敏に反応してゆがんだ自己像を作り上げたとする」。

韓国陸軍、オレの912日

2004 年 8 月 18 日 水曜日

『韓国陸軍、オレの912日』表紙\
書籍名   : オフサイド・ブックス33
韓国陸軍、オレの912日 いま隣にある徴兵制
(カンコクリクグンオレノキュウヒャクジュウニニチ)
著者名   : チュ・チュンヨン、中山茂太
(チュ・チュンヨン、ナカヤマシゲタ) 著
水野あきら(ミズノアキラ) 絵
発行日   : 2004-06-15
税込価格 : ¥1575
本体価格 : ¥1500
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★『セヌリ』04年11月号
「火山の噴火のように韓国社会を賑わすのが兵役非理事件(ビョンヨクピリサゴン)。今回はドラマ『秋の童話』で一躍有名になったソン・スンホンを始め、多くの俳優・野球選手が兵役逃れをしていたことが発覚、大騒ぎになった。ソ\ン・スホンは謝罪文で、「世間から忘れられてしまうかもしれないと思った」と、動機を告白したが、動きの早い韓国芸能界、ファンが待っていてくれるという保証はないのだ。韓国男児なら誰もがクリアしなければならないのが「徴兵」。韓流の影響もあり、今回の事件は日本でも大きく扱われたので、徴兵制に興味を感じた人も多かったのではないか。そこで、私たちには未知の世界、「徴兵」について書かれた本を紹介しよう。……『韓国陸軍縲怐xは、軍隊生活を体験談とイラストで紹介した「爆笑ノンフィクション」。韓国男子はなぜ「軍隊の話で始まりサッカーの話で終わる」といわれるようになるのか、そんな秘密が解ける強烈な話が満載だ。……新兵訓練が終わり各部署に配属される前に、自殺者の写真を見るのが慣わし。小銃をくわえて自殺、頭部が粉々になった惨い写真の数々が並ぶ。毎年、かなりの兵士が自ら命を絶つ、そんな不気味な現実が韓国軍隊にはある。……(韓国の)徴兵制は一九四四年、日本の手によって施行されたことも記憶にとどめておいてほしい。

★『ダ・カーポ2004年8.18号』
収監者よりも過酷な毎日 韓国・兵役の中の男たち
評者 丸目蔵人 フリーライター

日曜午後ののどかな時間帯、テレビには、なにやら軍服姿のトリオが登場し、軍事教練をネタにしたコントで、盛んに笑いを取っている。といっても、日本で放映されている番組のことではない。韓国の『爆笑オンエアバトル』に相当するバラエティでの一場面だ。
そもそも、韓国ではトンデムン・シジャン(東大門市場〉といった繁華街を歩いていても、軍服姿の若者に頻繁に出くわす。もちろん、彼らがおしゃれでミリタリー・ファッションを着こなしているわけではない。兵役中、外出許可をもらった訓練兵が、しばし羽を伸ばしている日常の光景なのだ。

台湾、シンガポール、タイ。アジアには適齢の男性に兵役義務を課している国が少なくないが、韓国の訓練の厳しさはとりわけ有名。最近の大ヒット映画『シルミド』でも、その壮絶なシゴキは紹介されているが、ネット小説を原作とする恋愛コメディ『猟奇的な彼女』でさえ、脱走兵の願末がエピソードとして・加えられていたことを、この本を読みながら改めて思い出した。
「19歳になったあなたは、一般国民として軍事訓練を受ける義務があります……」
兵務庁からの素っ気ない通知で、否応なく兵役へとかり出された若者たちが、実際どのような体験をするのか? 85年の夏から約2年半〔現在、・兵役は約2年に短縮)、それまでの自由を奪われた著者の苦難の日々がここには図解入りでリアルに紹介されている。
「脳みそ取り出してハイターで洗ってやろうか」
過激な表現でハッパをかけられながら、規律遵守のために、繰リ返される体罰。むさ苦しい男どうしの共同生活は、不恩議とユーモラスな印象を与えるが、それは兵役義務を乗り越えた者ゆえの記憶の美化という自戒もある。
幽霊との遭遇、他愛のない猥談、チョコパイへの執着。そして、愉快な話の合間合間に、明らかにされる真実。適性のない者、不運な者は、ときに過酷な訓練の犠牲となる。
たとえ死亡しても、軍事演習中の場合、兵士への見舞い金はわずか2400円。死亡原因も、他殺が事故死として処理される例があるらしい。
モムチャン。これはひきしまった体を意味する韓国の流行語だが、日本でもブームを巻き起こしている俳優たちのスタイル、さらに精神の素地は、こうした厳しい兵役体験に負う部分もあるのだろう。
一見、軍事マニア向けのようでいて、似て非なる隣国の事情を伝える一冊。エネルギッシュな劇画のように、久々にぐいぐい引き込まれた。

文化アイデンティティの行方

2004 年 7 月 9 日 金曜日

『文化アイデンティティの行方』表紙\
書籍名   : 文化アイデンティティの行方
一橋大学 言語社会研究科 国際シンポジウムの記録
(ブンカアイデンティティノユクエ)
著者名   : 恒川邦夫、三浦玲一、他
(ツネカワクニオ、ミウラレイイチ) 編著
発行日   : 2004-03-15
税込価格 : ¥5040
本体価格 : ¥4800
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★週刊読書人 7.9
「一橋大学言語社会研究科が2002年4月に主催した国際シンポジウムの記録である本書は、450頁を越える大冊で展示物の紹介や場の雰囲気まで盛り込みながら、議論の全容を伝える。編者のひとりである三浦玲一氏は序文で、文化アイデンティティの根本問題は社会的に構築された様々な言説内部における差別として捉え、とくに植民地主義的言説に焦点を合わせながら、「人間」というカテゴリーにおいて差別される被支配者による民族や共同体といった対抗的主体の構\築を論じて、アイデンティティの政治学の必然性を説く。続く二つの基調論文が対照的にこの文化アイデンティティの方向性を示唆して興味深い。一方でカリブ海出身でカナダ在住の作家エミール・オリヴィエが、グローバリゼーションによる移住・移動を文化的創意の動態的複奏化として肯定的に捉えているとすれば、アメリカ合州国の批評家ウォルター・ベン・マイクルズは、多文化主義を徹底化すれば文化アイデンティティ(少数者のそれを含む)を擁護することは論理矛盾となるとして、文化相対主義の限界を指摘する。文化アイデンティティの代わりに、マイクルズが闘争の場としていまだに有効であるとするのが階級概念である。このような基調に続く各章では、カリブ海フランス語圏のクレオール文化、ドイツ語圏・中国語圏・イスラム圏・アメリカ合州国文化におけるアイデンティティの歴史的検証、英語圏のハイブリットなポストコロニアル文学といった主題が取り扱われている。」

天下御免の極落語

2004 年 7 月 1 日 木曜日

『天下御免の極落語』表紙\
書籍名   : 天下御免の極落語 平成の爆笑王による”ガーゴン“的自叙伝
(テンカゴメンノゴクラクゴ)
著者名   : 川柳川柳(カワヤナギセンリュウ) 著
発行日   : 2004-06-15
税込価格 : ¥1890
本体価格 : ¥1800
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★「東京かわら版」2004.7月号
「川柳自身の手による書下ろし自伝プラス国立演芸場での口演4席を収める。師から見た落語協会分裂騒動が特出。志ん生、文楽、円生、正蔵、小さん、談志、志ん朝、円楽、好生らと時間を共有した新旧しくじり噺満載。やはりバレが可笑しい。素人時代の写真、鹿芝居で円生と収まった写真に注目。笑福亭鶴瓶師、仕掛け人・塚越孝アナウンサーの筆による川柳賛歌も。」