書評・広告掲載本

最新の記事5件

このコーナー内を検索

月別一覧

アルゲダス短編集


『アルゲダス短編集』表紙\
書籍名   : アルゲダス短編集
(アルゲダスタンペンシュウ)
著者名   : ホセ・マリア・アルゲダス(ホセ・マリア・アルゲダス) 著
杉山晃(スギヤマアキラ) 訳
発行日   : 2003-06-19
税込価格 : ¥2625
本体価格 : ¥2500
画像をクリックすると紹介文が読めます(注文もできます)。

★『スタジオ・ボイス』9月号・越川芳明
「20世紀のペルーを代表する小説家であり、民俗学者でもあったアルゲダスが描くのは二つの文化(山岳文化と海岸文化)のぶつかり合いである。ここに訳出された13編の短篇のほとんどの舞台が山岳でもなく海岸でもない、その中間の麓の草原地帯であるのも、そうした理由からだ。麓の草原にこそ、二つの文化がぶつかりあうペルーの現実が見られる。その端的な例が水の権利だ。ごく少数の白人農場主は自已の経済力にまかせて、インディオの長老と手を組み、軍隊や警察を抱きこみ、水の権利を一人占めする。熱帯の草原では、水は命の次に大切なものだが、水を確保できない多数のインディオの小作人たちの畑は干からび、トウモロコシも実が小さく貧弱なものしか出来ない。アルゲダスは慈悲心に欠けた強者の海岸文化(白人農場主、軍隊)への怒りを隠さない。かれらはインディオと寝た自分の女を崖から突き落としたり(「復讐」)、村一番の乳をだす牝牛をインディオの手から強引に奪いとったり(「小学生たち」)、未成年の少年を力ずくで軍隊に徴用し善良な母親を狂気に陥らせたり(「ドニャ・カイターナ」)するような「悪魔の心」をもつ人間として描かれる。

★「産経新聞」7/28
「ペルーに生まれた白人の作家が、白人とインディオの二つの文化のはざまで暮らすアンデスの人々の姿を描く短編集。恋い焦がれていたインディオの娘を白人の農場主にとられた事件を通して、少年が大人の世界の汚さを垣間見る「ワルマ・クヤイ」。毎年洪水をおこす雄大な川やパンパを舞台に、自然と共存する村人の素朴な生活を礼賛する「ケルカタイ・パンパ」。浮気性の妻を使用人に寝とられ、復讐を決意する男の心情描写が鬼気追る「復讐」。優しく信心深いインディオのお針子が、最愛の息子を亡くした悲しみから狂気に向かってゆくさまを少年が見つめる「ドニャ・カイターナ」など。生活の中に迷信や伝説がいまも息づく世界と、情感豊かな人間の姿を鮮烈に描いた十三編。」