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【紹介】『睡蓮みどり写真集 BAD MOOD』――「図書新聞」(2019年11月9日号)にて

この写真集には物語がある

パリとヴェネツィアという街の人格によって変化した女性についての写真集

フランス文学者の巌谷國士氏と睡蓮みどり氏による対談

巌谷 この『BAD MOOD』を拝見して、一種の映画だなと思いました。映画の予告編、映画の切り貼り、あるいは映画のパロディかもしれない。いわゆる写真集とは違うのは、写真家の石黒健治さんのなかに、あるいは睡蓮さんのなかに、あるいはお二人のなかに、シナリオがあるんだろうという気がしました。

睡蓮 おっしゃる通りで、最初に石黒さんに「こう撮りたい」という壮大な物語がありました。それを私が咀嚼したうえで撮影に臨みましたが、いざ写真ができあがってみると、最初のストーリーとイコールではなくて。

(……)

巌谷 (…)多くの人は、写真集を最初のページから見ないかもしれません。ただしこの『BAD MOOD』に限っては、最初から順番に読んでいくのがいい。その間に流れが生まれてきて、それが見どころ、読みどころですから。

(……)

巌谷 パリとヴェネツィアって、世界でも選りすぐりの街ですね。歴史は古いし、あらゆる時代のものと、その記憶が残っている。しかるべき街には「人格」があります(…)だからこれは、パリとヴェネツィアという街の人格によって変化した女性についての写真集、というふうにも読めるでしょう。

睡蓮 街の吸引力に私が翻弄されているところは確かにあると思います。これを東京で撮ったら全然違うものになったはずですが、なぜだろう、いまの東京に身を委ねる気にはなれないですね。

巌谷 東京にはもうほとんど人格がない。それを「記憶」とともに放棄しようとしている街かもしれない。

 

 

 

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