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歩く民主主義 第8回

2020 年 1 月 16 日 木曜日

第8回 世の中すべてカネか?

村上稔

 

ちょっと何かを勉強し始めると、自分は歳だけ食って何も知らないなあ、といつも反省させられるのである。

なんでトランプみたいなヤバそうな人間が大統領になれるのか不思議でたまらなかったが「お金」について少し勉強すると見えてくるものがある。お金をものさしにして考えるとこの世はもっと単純、というか複雑? ……一体どっちやねん? という感じだが、要するにこれまでと違った見え方がしてくる。

そのトランプの友達のロバートキヨサキが書いたベストセラー『金持ち父さん貧乏父さん』を遅ればせながら読んだ。

中身は、要するにこの資本主義の世の中ではみんなが「ラットレース」を強いられている、そこを抜け出して自由になりたいと思ったら「ビジネスオーナー」か「投資家」になるしか方法はないよというものだ。 (続きを読む…)

産婆さんを訪ねて 第8回

2020 年 1 月 15 日 水曜日

第8回 疎開

むらき数子

 

●「生まれてしまったんで、産婆さん、頼んで来い」

1949(昭和24)年のある朝、宮城県本吉郡松岩村水梨の中学2年生佐々木徳朗さんは、「生まれてしまったんで、畠山さん、頼んで来い」と言われて、登校の途中、中学校の近くの産婆さんの家に行きました。

松崎五駄鱈(まつざきごんだら)(松岩村字松崎浦田。現・気仙沼市の沿岸、市街地)に、産婆・畠山正さん(まさし。1913=大正2、神奈川県生れ)が開業していたからです。当時、法的には「助産婦」となっていましたが、地域の人々は「産婆さん」と呼び続けていました。

徳朗さんの母・みのるさんは、6人目のお産で初めてプロの助産婦を頼みました。5人まではトリアゲバアサンに取り上げてもらい、助産婦を頼むことはしませんでした。 (続きを読む…)

一杯の紅茶と英文学 第5回

2020 年 1 月 15 日 水曜日

第5回 『赤毛のアン』のお茶会

南野モリコ

お茶会は「素敵な暮らし」の発表会

 

世の中の女性全員を筆者と同類にしたら申し訳ないけれど、社会経験のある女性であれば、家をどんなにきれいに整えても、冷蔵庫にある食材だけで手際よく料理を作っても、誰に評価してもらえる訳でもないことを物足りなく感じることもあるだろう。かといって、「私ってこんなにおしゃれな料理を作っているのよ」、「息子は○○部でイケメンなのよ」、「私って家でもこんなに頑張ってるのよ」などと自分から言ったら、後からどんなにディスられるか分からない。だから見せたい自分はインスタグラムに載せるのだ。そして一番、見せたいものは、彩りよく盛りつけられた料理ではなく、遠くに無造作に置かれたバッグだったりする。まるで偶然写ってしまったかのようにさりげなく載せるのがコツである。承認欲求と言われるけれど、友達の間でちょっと認められたい、優位に立ちたいだけ。世界征服とか略奪愛とかと比べたらささやかなもの。女子の欲望とは「かわいい欲望」なのだ。 (続きを読む…)

オーラルヒストリー・三輪祐児 父と原発の記憶 第5回

2020 年 1 月 15 日 水曜日

第5回 「自分手政治」の故郷

木村英昭

電通に勤めていた三輪祐児の父、正巳(まさみ)は反原発運動つぶしに関与していたのか──。私たちは正巳が生まれ、育った地に立った(*1)。

 

日野川に沿って広がる黒坂の集落=2019年12月20日、鳥取県日野町黒坂

 

そこは鳥取県の南西部の山あいの里、日野郡日野町の黒坂地区。鳥取県を代表する一級河川、日野川が大きくうねる。鳥取県の商業都市・米子市と岡山市を南北に結ぶ伯備線が日野川に併走する。1時間に数本、電車がガタゴトンと走る。429世帯975人が暮らしている(*2)。

まずは、黒坂の歴史をざっと遡ってみよう。 (続きを読む…)

あてにならないおはなし 第3回

2020 年 1 月 15 日 水曜日

第3回 「野宿者襲撃事件と寿識字学校との出会い」

阿部寛

今回は、わが人生のライフヒストリーを28歳まで先送りして、本連載の副題にもなっている「識字」との出会いについてふれたい。
横浜市役所や横浜スタジアムのすぐそばに寄せ場(日雇労働者の就労斡旋と簡易宿泊所街)「寿町」がある。東京・山谷、大阪・釜ヶ崎とともに、日本の高経済成長を支えてきた、日雇労働者の街だ。
1982年から1983年にかけてこの街の周辺で野宿生活を強いられていた人々が、十代半ばの少年たちによって襲撃され、3人が殺害され、多数の人々が重軽傷者を負う殺傷事件が続いていた。

 

実は、かなり以前から野宿者に対する暴力や襲撃は日常的に繰り返されていたが、警察の捜査も遅々として進まず、マスコミの報道もなかった。 (続きを読む…)

耳にコバン ちょっとためになるボク的ロックンロール通信 第8回

2020 年 1 月 15 日 水曜日

第8回 ヤクにご用心

コバン・ミヤガワ

 

「わざわざ調べるほどではないが、気になっていること」
生活していればそんなことがポツポツと頭の隅に鎮座している。
多分、生活してりゃあ答えがわかるだろうと考えて放置している。

 

ここ何年か気になっていたことがあった。

 

「厄年」である。

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ひあり奈央の占星術 1/1~1/31

2020 年 1 月 4 日 土曜日

ひあり奈央

いよいよ2020年が始まりました。先月26日には山羊座で新月(日蝕)が起こりました。現在、山羊座に多くの惑星が集中している影響で、今月は多くの人が「現実感」に直面し、現実を重視する時期となります。全体的に真面目で、まともな雰囲気に惹かれやすい、そういう雰囲気を演出したい空気感となりやすいでしょう。無駄なことを排除する気持ちも高まりやすい時です。また、不要な古い考え方やシステムに気がついて何らかのアクションを起こしやすいタイミングでもあります。

このような空気感がベースにある中、1月3日の夜から射手座に入る火星が冒険的で、結果を気にせずに自由に大胆に行動するエネルギーを持ち込みます。スポーツや旅行などは楽しい時期となりそうです。また2020年に大きな夢を持ちやすい火星となります。こちらは非現実的な妄想などを持ち込みやすいため、実際に動く時には、十分にプランを練るようにするとよいでしょう。

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歩く民主主義 第7回

2019 年 12 月 16 日 月曜日

第7回 矢沢永吉ビジネス論  後編

村上稔

 

永ちゃんは金を稼ぐのが天才的にうまい。

僕も小さな会社を経営しているので多少はビジネス書なども読むのだが、永ちゃんのやり方はビジネスの教科書に載ってもいいほど理論に適っている。

まずはブランド作り。商品の中身と世間的なイメージは商売の成否を左右するが、永ちゃんはこれを手抜きなしで徹底的に高めている。そして全てにおいて一石二鳥、三鳥を狙っている。

もちろん永ちゃんのコアにあるのは「良い音楽を作る才能」だ。僕は中三の時に『ルイジアンナ』のギャッギャ〜ンというイントロに出会って以来、30年以上も永ちゃん音楽に引き込まれている。しかし永ちゃんはその自分の才能をプロデュースするのも天才だった。

先のNHKのドキュメンタリーもそうだが、番組の中では永ちゃんの徹底的にストイックな音作りが強調されている。まずは「一人でロスのスタジオにやってきた」というところからシビれさせ、ドラムの一つの音、ギターの一つのフレーズを、一流の凄腕ミュージシャンたちに指示を出して、これでもかと作り込んでいく様子をカメラが追う。そして休日には仲間たちとリラックスしてハーレーを飛ばす姿が映され、そのカッコ良さに僕たちは酔う。 (続きを読む…)

日々是好日 第7回

2019 年 12 月 15 日 日曜日

#7 歳末脚立棚卸し編

林タムタム

 

年末ですね。皆さんは2019年が始まるにあたりどのような目標を立てていたでしょうか。タムは体重5キロ減、黒字の生活を守り、読書は1ヶ月5冊、映画は1ヶ月3本、芝居も1ヶ月3本、ジム通いと料理を日課とし、英会話を習って、いつも明るく朗らかに、人のことを気遣い、社会にアンテナを張って、生きて行こうという目標がありました。順調に各目標をクリアして、い、今は完全無欠のタムです、す、す……あれ……? 視界が歪んできた……

ごめんなさい。嘘をつきました。いまだに家には炊飯器すらないです。食パンをトースターで焼くことはするよ! サトウのご飯シリーズでいうと、普通にあきたこまちがおいしいと思う! オーケーストアで銀色の袋のドリップコーヒーと一緒に買うんだよ! その日暮らしのタム。 (続きを読む…)

産婆さんを訪ねて 第7回

2019 年 12 月 15 日 日曜日

第7回 「お産だ、保健婦さんを呼べ!」

むらき数子

 

●豪雪の無産婆村

1944(昭和19)年6月、石黒村役場勤務の保健婦となった中村サトさん(1920=大正9年生)から「お産の取り上げもやった」と聞いて、私はびっくりしました。法律上、保健婦は助産を許されないはずです。村(自治体)が違法行為を行わせていたのでしょうか。
サトさんは柏崎産婆学校を卒業しました。産婆学校は母が『女学校』として行かせたのであって、サトさん自身は産婆にも保健婦にもなりたいと思ってはいませんでした。
村長である伯父が、町村に保健婦を設置させる国策に沿って、村出身で産婆資格を持つ娘であるサトさんに白羽の矢を立てて養成講習を受けさせ、採用したのでしょう。
新潟県刈羽郡石黒村(のち、高柳町)は、現在は柏崎市です。柏崎刈羽原発からの距離は黒姫山を隔てて30km、今でもJR柏崎駅から南へバスを乗り継いで2時間近くかかる山奥です。自転車も使えない急傾斜地の棚田での農業と、冬の酒造りの杜氏や繊維産業の女工などへの出稼ぎが主な産業でした。積雪5メートルはあたりまえの豪雪地の冬は、女衆が隣りの集落までの「道ふみ」「雪掘り(=屋根の雪下ろし)」を担います。出産は1月から3月に多く、助産者は、かんじきを履いて、ときに吹雪の中を歩いて行かなければなりません。 (続きを読む…)