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陰翳礼賛

2008 年 12 月 15 日 月曜日

先月公開初日に「ブラインドネス」という映画を観に行った。
原作はノーベル文学賞受賞作家のジョゼ・サラマーゴ 『白の闇』という小説だ。
この映画は10月に開催された東京国際映画祭の招待作品でもあり、主演女優の来日や日本人役者の
活躍により国際色豊かなキャストで話題になったので、ご存知の方も多いはず。

映画は「全世界、失明」というキャッチコピー通り、恐怖の世界が映し出されていた。人類に失明症状が

蔓延し、街・人々が荒廃するなか主人公の女性だけが見えているという設定。この映画の中の失明症状が
実に異質で「光が目の中に溢れて真っ白で何も見えない」=白の闇という状態である。
ここから、私は谷崎潤一郎の『陰翳礼賛』を何となく連想していた。

谷崎は「(東洋人は)暗がりの中に美を求める傾向が強く、陰翳の中に無限の諧調をとらえる」といっていた。
この映画の舞台はアメリカ。人間の暗部や悲惨な状況下で新たに見えてくるものを描いているのだが・・・。
この舞台がもしも日本だったら・・・!?暗闇があってこそ物を「視る」ことが出来る私たちは、強烈な光のなかで
自己崩壊して終わるのではないだろうか。「ほのあかり」といった曖昧さがあるくらいが丁度良いとは、こういうことか・・・
などと一人考えていた。

この映画を観て原作・作家に興味を持たれた方、小社より同著者の翻訳作品が2点出ております。

他の作品も・・・と思われましたら、下記にリンクを貼っておきますので是非見てみてください!
あらゆる名前
リカルド・レイスの死の年

ついでにダメ彩です。
私は某俳優が好きで、その俳優を起用して某有名出版社が作った60周年キャンペーンの
「60年分の、 あ〇 とか ゆ〇 とか 絶〇 とか」ポスターを、毎日書店前で眺めてます。
何故かと言うと、どうにかして手に入れられないものか!?と日々苦悩している訳です。

そして、このようなキャンペーンが出来る大手出版社に、憧れのような悔しいような複雑な想いを抱いてます。
小社でも出来ないだろうか!?・・・負けてられない!(大きく出た) 是非やろう!(ダメかしら)

20年分の、IとかLOVEとか過激派とか。

コレって・・・あの本・・・だよなぁ・・・選書が出来ないか・・・。
I LOVE 過激派」絶賛(?)発売中!!

(事務員)

年末進行

2008 年 12 月 9 日 火曜日

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年末のぼくの仕事のひとつ……カバー、帯の整理。
長年、つもりつもった本社最後の無法地帯。
ちょっとでもキレイにしてよい年明けを向かえたいところ。

筆=一色

アイスランドに思いを馳せて

2008 年 12 月 7 日 日曜日

2週間ほど前から始まったスタッフブログ、私で一巡目終了です。

このところ、週末も家でこもって仕事をしているだけなので、ブログネタが難しく、「ほぼ日」はいいネーミングだなぁ~、と。

「ほぼ日」って言っているけれど、1日も休んでいないというのが素晴らしいです。

普段は英米文学系の仕事が多いのですが、ときたま海外の紀行書も編集します。

本を作っているときは、その本で頭がいっぱいになってしまう質なので、

紀行書刊行直後に旅に出られたらなー、と思いますが、そう簡単に行けるはずもなく、せっかく仕入れた情報もポロポロ忘れていきます。

あー、もったいない……

サンティアゴ巡礼へ行こう!』を編集したというと、たいてい「歩かれたんですか?」と聞かれるし。

いつかはガリシア州だけでも歩いてみたいんだけどな~。

アイスランドも行ってみたい国のひとつですが、秋に報じられた金融危機にはびっくりしました。

去年、増補版を出した『アイスランド紀行』で、バブルな状況は知っていましたが……

本のなかに登場するアイスランド人、ハルパ一家はどうしているか気になり、

著者の小林さんに尋ねてみると、問題なく暮らしているとのことで、ホッとしました。

今日の新聞報道では、EU加盟も考えているそうですし、クローナの急落で、もともと物価の高いアイスランド、

いまの時期、比較的リーズナブルに旅行できるかもしれません。

アイスランドはミュージシャンの多い国で、現在発売中の『PAPER SKY27(アイスランド特集号)も音楽がメインになっています

『アイスランド紀行』もオススメ本として紹介されています)。

いろんなバンドがいますが、私のなかでは、いまもビョークの国のイメージです

(そういえば、増補版出版にあたり、取材させていただいた大使館で、イギリスのバンド、エコー&ザ・バニーメンのアルバムジャケットとシングルのミュージック・ビデオがアイスランドで撮影されたと知り、驚きました。全然知らなかったー)。(M)

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姜 尚中に接近遭遇

2008 年 12 月 5 日 金曜日

、神保町の喫茶店で著者と打ち合わせ中、隣のボックス席に、低音で良く響く精神科医のような声が聞こえたと思ったら姜先生だった。雑誌の取材らしく編集者とカメラマンも同席していた。

神保町界隈を昼間うろついているとこういうことが良くあって、すこし前には立花隆とすれ違ったりもした。佐木隆三も何度か見た。ほかにもいろいろあるけど、ただ見るだけでということはない。でも、ちょっと得した気分になるから我ながらしょうもない。

打ち合わせ中の著者はすこし耳が遠いせいもあって、あたりはばからぬ大声で話すことが多く、かなり広い店であっても話の内容が筒抜けになるなどしょっちゅうである。

この日はいま取り掛かっている古代史の本のことで、「日本の古代国家の起源は百済から日本に渡ってきた兄弟によるものだ」という内容を天皇制やら、ロシア文学やらに脱線しながらいつもどおりやっていたのだが、さすがに姜先生の横で大声で話すのは気が引けたらしく、いつもよりはやめに切り上げることになり、僕としてはかなり助かった。姜先生ありがとう。

著者は某出版社の編集長を長年務め、直接ではないが姜先生の本の出版にも携わったことがあるらしく、「やあ、姜先生こんにちわ。ご活躍ですね」と臆面もなく、そして大声で挨拶した。

姜先生もさすがに大人で(著者のことはきれいさっぱり忘れているはずなのだが)「こんにちわ。いえいえとんでもない」とちょっとはにかみながらもにこやかに応じてくれた。さすがに控えめながら、売れっ子オーラみたいなものが漂い、なるほど女性にもてそうだななんて思ったりした。

さて、姜先生このごろ多作だが、当然、著作の中にはご自身のルーツに関わるものが多い。熊本の在日部落のことも書いている。じつは昨年ちょっと思いついてある本を献本してみた。

『満州被差別部落移民』である。http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-7791-1320-8.html

熊本県の某被差別部落が、部落ごと(半分だまされて)満州に移民し…という移民史上例を見ない史実を元にした長編小説なのだが、この小説のモデルになった部落は、姜先生がうまれ育った部落のすぐ近く。時代設定は戦前であるが、飛び交う熊本弁と主人公の少年の姿がちょっと先生とダブったりして「もしやどこかで紹介してくれるのでは」とダメモトで送ってみた。

その後音沙汰もなく(あたりまえだ)読んでくれたかもさだかではないが、僕は読んではくれているという気が結構している。(根拠ないけど)

僕は著者とは違いフツーの、気弱な人間なのでその場で確かめることはできなかったけれど、いつか話す機会がきっとあると思っている(これも根拠ないけど)。

T.T

小松菜本営業

2008 年 12 月 3 日 水曜日

12/5(金)の見本出し予定の新刊『小松菜と江戸のお鷹狩り 江戸の野菜物語 (亀井 千歩子 ) 四六判|本体2,200円 +税』と12月末刊行予定の復刊新装本『新装版 小松菜の里 東京の野菜風土記 (亀井 千歩子) 四六判|予価1,800円 +税』の販売できそうな書店を回っている。地域的に「荒川」沿いの「小松川」付近(江戸川区・葛飾区・江東区)がご当地になるが、著者の亀井さんが代々「宮司」を務めるJR新小岩駅からバスで5分ぐらいの「小松菜ゆかりの里」の碑がある「新小岩厄除香取神社」 近辺など、回るところは広く見ればたくさんある。もっとも、売れずに、あるいは入荷してすぐ返品で、返品手数料が高くつくだけとなる可能性も広がってくるかもしれないが。

最初は「野菜の本だから「実用」か」と、「実用書」担当を回るものの、「これは学術書だね。要らない。」と小松川から少し離れたところJR平井駅近辺では言われ、料理の作り方を豊富なカラー写真・レシピ付きとともにというわけではないので「民俗学、日本史か」とも思ったが、「買う層は、おそらく年配の女性客かな」とも思うので、実用書向けとして回っている。もっとも、八重洲BCイトーヨーカドー葛西店の髙田リーダー曰く、「こういうの「実用」でも「歴史・民俗学(あるいは、文芸棚・江戸本と一緒に「東西書房葛西店・小林店長・談」)」でも「どっちにもおさまりが悪いんだよね。どこ置こうかな・・・」という感じで、やはり割り切れない。

内容は「小松菜」の「名付け」の由来、名付けをした「江戸時代・将軍吉宗」の「鶴」を狩る「鷹狩り」に纏わる話のため、実際に用いることができる本というわけではないが、一応、小松菜は卵と相性がよく、簡単でおいしい「卵料理」の作り方なども入っている。当時「葛西菜」と呼ばれていた「小松菜」を、鷹狩りに来ていた「吉宗」が、当地で「お吸い物」として出され、いたく感動し 「小松菜と名付けよ」となったということだ。

最初に回った新宿駅すぐの2店では、共に実用書担当、「この人、出版営業の振りした人さらいで、私を東南アジアかどこかに売っぱらおうというのでは」という「不安」を持たれた様子で(営業センスが悪く)、チラシを見て「やっぱり」という感じの、あるいは、「口裂け女になってあげてもいいけれど、こんな「売れない版元」に、ただでさえ忙しい仕事の邪魔をされて、そんなことできません的な「痙攣的な途惑い」見せる書店員」等、「受注」には「ほど遠い」状況(売れない本という反応)で、今回復刊する20年前に出た「小松菜の里 東京の野菜風土記 (亀井 千歩子)」などは、3000部ぐらいは売れたようだが、現在のただでさえ本が売れない中、「70~80年代前半で、売れると考えられている本の作り方?」では「初速のいい本になるのは難しい」のが当然なのか?あるいは「歴史棚」を回らない営業感覚の無さ?で、東京駅近辺でも「何勘違いして営業になんか来たのかな」という感触というわけで、「地域本」として売ってもらうしかないと、その「地域」を集中して30坪から60坪ぐらいの店まで、回ってみた。

江戸川区東小松川の「小川書房」さんは、営業が来るのが珍しかったのか、店主小川さん(もう70代ぐらいの好々爺)は、一時間弱ほど、業界の状況を話して下さり、大変勉強になった。ここ10年は年間300万づつ売り上げが下がり続け、10年前の友人のヤマト証券などにいたため他業界の情報などにも強かった近くに住む友人の助言どおりだったとのこと。取次ぎは「協和」だがとにかく「新刊がうまく売れなくなった」から「本が回らず、どうにもならない」。50年前、富山から出てきて、始めて、「貸本時代」や「手塚治のマンガ」の売れた時代、近所の書店仲間との「組合」で組合長をやり、調子が良かった時代はあったんだと熱心に話して頂く。今では、組合の会でも「なにもすることがなく」顔を合わすだけで「帰ってしまう」とわびしいばかりな様子、当時の書店仲間もほとんど亡くなってしまったとのこと。「小松菜」については、近所で「おかみさん」の会をやっていて、そこで「小松菜」実際に販売しているから、と新刊・復刊本「1冊」ずつ発注頂く。「このあたりもね、店でたすぐ前で、小松菜作っていたんだ」「このあたりは、蓮田ばかりで、昔は何にもなかったんだ。葛西の駅の方も、地下鉄が入るまでは、何にもなかった」と当時の「小川書房」の写真を見せて頂く。他の書店でも、話をするまでもなく、受注も難しいといった店も多かったが、まだ、これだけの書店ががんばっている(無理に続けている?)というのには感動した。小川さんも、「「協和」がつぶれるまでは、まだやるんだ」とのこと。小社の近刊が、少しでも売り上げに貢献してくれるといいのだが、とは思うのだが・・・。(玉崎)

「嶋清一野球殿堂入り記念祝賀会」開催!

2008 年 12 月 2 日 火曜日

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過日(11・30)、和歌山市にある東急インにて、「嶋清一野球殿堂入り記念祝賀会」が開催され、『嶋清一 戦火に散った伝説の左腕』(山本暢俊著・弊社刊)の編集担当として参列した。

この会には、和歌山県出身の野球関係者が多数集まった。
まずは嶋さんと一緒に海草中学で全国制覇したナインの一人である古角俊郎さん、『嶋清一』の著者・山本さん、日本高野連最高顧問・脇村春夫さん、NPB前コミッショナーで野球体育博物館館長・根来泰周さん、和歌山県高野連会長・田井伸幸
さん、古角さんの教え子で甲子園での大活躍によって「前岡旋風」を巻き起こした、前岡(現・井崎)勤也さん、そして先に殿堂入りしており、中学時代は嶋さんと対戦したがまったく打った記憶はないと語る闘将・西本幸雄さん。
そのほか、県知事、市長をはじめ、県の政界・財界の重鎮のみなさん、そして野球については博覧強記にして愛にみちあふれた作家・佐山和夫さんと、まさにオールスター勢揃いであった。

とにかく、嶋さんの驚異的な戦績については、松坂大輔投手の甲子園での大活躍が世の人々の記憶を呼びさました。メジャーリーグでのイチローの大活躍がジョージ・シスラーやウィリー・キーラー、ビル・テリーたち往年の名選手の記憶を蘇らせたように。
佐山さんがいつもいうように「野球(野球場)というものは本来、ノスタルジックなものだ」わたしもそう思う。まさに球場とは「フィールド・オブ・ドリームス」なのだ。この会でも、あちらこちらでかつての夢の記憶について語り合う方々の輪がひろがって
いた。西本さん、古角さんの笑顔は忘れられない。和歌山の出身者として、少しく野球に触れた者として、嶋さんの殿堂入りに微力ながらも貢献できたことはほんとうによかったと改めて実感したのであった。

[筆・南葵亭樂鈷]

『山形和美全集』出版記念会、盛大に行われる!!

2008 年 12 月 1 日 月曜日

山形和美(筑波大学名誉教授・聖学院大学大学院教授)著『山形和美全集』(全14巻)の出版記念会が11月29日午後5時から東京都文京区の茗渓会館で行われた。参加者は全国から参集した80余名。木原謙一北九州大学教授の司会で、川口喬一筑波大学名誉教授が発起人代表として挨拶、今年100歳を迎えられた清水護国際基督教大学名誉教授の祝辞、かつて同僚であった粂川光樹明治学院大学名誉教授の祝辞に続いて、岡本靖正東京学芸大学名誉教授の乾杯で、祝宴に入った。参会者同士の旧交を温めたり、山形教授の偉業を讃え、労をねぎらう会話が弾み、和やかな宴が続いた。

公務多忙のなか馳せ参じて頂いた阿久戸光晴聖学院大学学長の祝辞、同大学准教授氏家理恵、同大学院生の島田桂子、大妻女子大学教授河本仲聖、東北学院大学教授下館和己各氏のスピーチ、やがて山形教授の長女で世界的なフルート奏者山形由美さんとギタリスト西村正秀氏の演奏が会場を盛り上げた。
最後に荻野昌利南山大学名誉教授の祝辞と激励?の挨拶。謝辞に立った山形教授は、参会者から体を厭うようにとの声にも拘わらず、「続全集はないが……」と言いながら、ランボーへの強い関心と今後の健筆を匂わせて降壇した。

今回の『山形和美全集』(全14巻)は、小社にとって画期的なことである。一つは個人全集(『マーク・トウェイン・コレクション』全20巻があるが)として最初のものであり、二つ目は、オンデマンド方式の印刷で公刊したことである。ご存じのようにオンデマンドは基本的に受注生産で、注文があれば印刷・製本してお届けする。最初に製作部数を決めないから、定価は少し高くなるが、最低の採算ラインを設定、クリアーできれば、その後は一冊からでも要望に応えられるのである。
コマーシャルベースでいえば、あまり利益は出ない(特別予測以上に部数が伸びれば別)が、貴重な論考や資料的価値のある書籍が、半永久的に読者の注文に応えられる道を開いたことになる。
小社のように、少部数の専門書を多く手がける版元にとって、この全集の成否は極めて大きな意味を持つ。記念会の会場でも「全14巻が既に出来ていたのか」という声があったが、山形教授の場合は全ての著作物の原稿をデータ化してお持ちであったという条件が、今日の電子化された出版事情にマッチし、ご本人の努力もあって、この偉業が可能になったのである。
(竹)

●全集公刊に当たっての著者の言葉

 私は過去50年ほどの間に批評集、編集物、辞典類、翻訳本その他ほぼ50編ほど公刊してきました。
 私の処女批評集は25歳から書き始めたものを集めて『岩のつぶやき』と題しましたが、このたびの全集も第1巻を同じタイトルにして、第2批評集『現代文学の軌跡——想像力と変容』に入れたものを加えました。私の終生の文学研究のモチーフがこれら2冊の表題にいみじくも如実に現れていることに今更ながら気づいて驚いています。第1巻の序章は、筑波大学定年退官記念最終講義を入れました。
 第2巻第3巻は私が終生考えてきたT・S・エリオットに関する文章を2巻にわたって集めてみました。第4巻第5巻は私の博士論文を分けて入れました。そして第6巻は、グリーンに関する単行論文を20編ほど選んで入れました。第6巻は、友人であったイギリスの詩人ジョン・シルキンに関する文章と、G・K・チェスタトンに関する単行本でまとめました。第7巻第8巻はC・S・ルイスにあてました。

 第10巻は現代批評の状況を描くために、ポストコロニアル文学論から始めて、サイード、ブルーム、ハンデルマン、ポール・ド・マン、イーグルトン、マークス、カーモード、フライなどの現代批評の巨匠たちを論じた文章を集めてみました。第11巻は近著『文学の衰退と復活』をもって宛てました。第12巻は現代日本文学と題して、夏目漱石から丸山健二まで15人ほどの作品を論じたものを集めていれました。
 第13巻は、シルキンの三つの詩、ジョン・ミルトン論2編、『漱石事典』(抄)、書評集、エッセー集(異文化と文脈)、雑題エッセー、モチーフ批評などを集めました。そして最終巻第14巻は講演集で締めくくりました。
 こう見てくると、ほぼ50年間の私の関心の軌跡がある紋様を描いていることが分かります。私が関心をおいてきた分野はイギリス文学・思想・宗教、フランス文学、日本文学、比較文学、文学理論・批評など多岐にわたります。しかし関心の中核は、文学言語の構造を作品のなかで探るということでした。その時、水平次元の人間の言語が垂直次元の〈聖なるもの〉をどのように志向するか、その志向が水平次元の言語にどのような様態をとって言語化されるかを見定めることに、私の目は執拗に注がれました。
 本全集に入れたほとんどの文章には、このような私の執拗な視線のうごめきが看取されるはずです。このことにいまさらながら私自身が気づいたことは、一種の驚異です。

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【出版記念会の様子】

レシートが…

2008 年 11 月 30 日 日曜日

ブログを毎日更新しよう!!…と心機一転始めたはずの小社スタッフのブログ「イケ彩ダメ彩」であるが、さっそく11/28(金)の当番であるはずのS編集長が、忙しいのか、なんなのか、さっそく穴をあけたため、私が代わりに自宅からアップしております。

確かに会議の時に「忙しくて時間がない人は、しょうがないから無理に書かなくてもいいです」と言いましたが…始まって3日目に穴をあけるのはいかがなものか…S編集長!自己批判してください(だってあなたが一番新彩流社HPについて激しく意見していたじゃありませんか!)。
まあ…内ゲバにならないように上司批判はこれぐらいにして、何かネタがないかなと一人考えましたが、無理に面白いことを書こうとすると、かえって何も思い浮かばないものでして…どうでもいいようなことかもしれませんが、先日一枚のレシートから、ちょっと想像をめぐらした出来事を書いてみようと思います。

私は小社の近くにある某新古書店によく掘り出し物を探しに行くのですが、先日そこで購入した筑摩文庫の『報道されない重大事』(斎藤貴男著)をちょっとパラパラッと眺めていたら、この本を買った人のものらしいレシートが挟まっていることに気づきました。あたりまえですが購入した書店名と日時が記載されています。「三省堂書店」とあったのでわりと近くにある三省堂神保町本店だろうと思ったのですが、なんと良く見ると…名古屋高島屋店ではありませんか!飯田橋になぜ!と思いましたが、この新古書店は日本全国にチェーン展開しているから、オープン時に名古屋にある支店から開店準備商品として送られてきたのかもしれません。購入した日付は2007年2月16日(金)の13時22分となっていて、飯田橋店のオープンはそれより後だから、やはりその可能性が大です。この本を買った人は金曜日の昼間にあの巨大な名古屋高島屋店の11Fにある、いつも客でごった返している三省堂名古屋高島屋店でこの本を買ったのか…(私は何度か行ったことがある書店なので売り場も想像できる)。あそこで平日の昼間に買う人は…サラリーマンではない可能性が高い。しかし本の内容からして高島屋に買い物に来ている主婦でもなさそうだ。もしかしたら名古屋に出張営業に来ていた出版社の営業マンか?などと、想像をめぐらしてみる私であった。
最近はレシートを貰わない人が結構多いらしく、コンビニでも書店でも、レジの前に「不要なレシート入れ」の箱が置いてあったりするのをよく見かける。これってどうなんだろう?と私は思うことがあるのだが、書店は基本的に(他業界もそうだと思うが)レシートを持参してこない客からの商品の返品や取替えには応じないことになっている。あと家計簿付けたりするのにも必要じゃないのか?(最近は家計簿を付ける人も減ったのか…)
レシートっていったい何%の人間が必要としてるんですかね?
「そんなことどうでもいい」…て聞こえてきそうなので、今日はこれぐらいにして話を終わります。そうでなくても「お前のブログは話が長過ぎて、そんなの誰も読まねえよ!」などと時々心無い人から言われるので…。

まあでもとにかく!毎日ブログを更新していきたいですね。できれば。

(筆・春日)

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Baseball goes green!

2008 年 11 月 27 日 木曜日

過日11月20日、ゴールデンスピリット賞の受賞式(パレスホテル)に行った(今年は記念の10回目)。この賞の提唱者で選考委員の一人であり、弊社刊の『日本野球はなぜベースボールを超えたのか』『大リーグを超えた草野球』の著者・佐山和夫氏の差配によって、昨年より参列させていただいている。

日本版「ロベルト・クレメンテ賞」(メジャーリーグ最高の賞)というべきこの賞は、日本のプロ野球球団に所属する人のなかから、積極的に社会貢献活動を続けてきた人を表彰するもの。
今年の受賞者は岩隈久志投手(楽天)。今シーズンの岩隈投手の成績は圧巻で、最多勝、最優秀防御率、最優秀勝率の投手部門3冠に加え、パ・リーグのMVPも受賞した。そんな岩隈投手であるが、ゴールデンスピリット賞の受賞をことのほか喜んでいた。
本賞選考会の経過を報告するスピーチで、米国の野球界の現況を紹介しながら佐山氏は、
「Baseball goes green!」
というモットーを語った。
これはメジャーリーグでの「エコ活動」全般をいう精神だという。
そういえば今年の日本プロ野球界でも、「試合の時間短縮」を意識し、選手が緑の腕輪をはめていた。たしかにそれも大事なことではある。
とはいえ、小生がこの佐山氏のコメントに敏感に反応し想像(妄想)したのは、「グリーン=天然芝」ということだった。
やはり、野球は青空の下、天然の芝生の上でやるべきゲーム。木のバットにぶつかる乾いた白球の音を体感するのがなにより。しかし、プロ野球興行のことを考えると、屋根付きで人工芝の球場しか現実的にはむずかしいのか……。

かつての球場で聞いた、あの打球の乾いた音よ、いま何処。
これぞ、エロティックという打球音はいつになれば戻ってくるのだろうか……。

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[筆・南葵亭樂鈷]

「老い」と「宮沢和史」と「スザンヌ・ヴェガ」と「砂の戦士たち」

2008 年 11 月 26 日 水曜日

最近、自身の体力の衰え=老いを感じる場面が日常生活で徐々に増えつつある。

そして、私が20代の頃から憧れていたシンガーも、当然その頃に比べればかなり老いているはずであるが、今年はそんな20代から憧れていた二人のシンガーのライブを観る機会が2度ほどあった。

まず一人目のシンガーはスザンヌ・ヴェガ。彼女の歌を初めて聴いたのはもうかれこれ20年ぐらい前だと思う…ルカ』がヒットした頃だ。当時私はまだ16歳の高校生だったわけだが、その頃の彼女もまだ29歳ぐらいだったと思う。当時グリニッジ・ヴィレッジのフォーク・シティという、ボブ・ディランがまだ駆け出しの頃に出演していたライブハウスの出身ということもあって、かなり注目していた。その後何度か来日公演があったが、私はいつもタイミングが悪くて行くことができず、気がつけば20年経っていた。
そして今年…念願かなって東京国際フォーラムで、初めて彼女のライブを見ることができたのである。
リアルのスザンヌ・ヴェガは…想像したとおり美しい人だった(ちょっと想像以上に大きな女性でしたが)。確かに年はとったのだろう。でもそんなことは関係ないと思わせるステージだった。しかも声は…まったく老いていない。若い頃のままだ。彼女を初めてテレビで見た時から20年も経っているわけだから、もう50歳近くになっているはずなのに…。

そしてもう一人のシンガーは、宮沢和史だ。
彼は、ご存知の方も多いと思うが、THE BOOMというバンドのボーカルで、『島唄』のヒットなどで有名だが、私は『月さえも眠る夜』という曲をテレビで歌っているのを見たのが初めてで、それ以来のファンである。

当時はバブル崩壊後の1993年。今から15年前。宮沢和史27歳の頃だ。
そして彼のこともまた、周囲に大ファンと公言しながらも、一度も生でライブを見たことがないシンガーの一人だった。
そして今年…またまた念願かなってZepp東京にて宮沢和史がボーカルをつとめるバンド、GANGA ZUMBA(THE BOOMではなく、彼が多国籍なメンバーを集めて結成したバンド)のライブを見ることができた。
初めて彼をテレビで見たあの時から15年経っているわけだから、彼はもう42歳。気がつけばけっこう年をとってしまっている…しかし、彼もまたスザンヌ・ヴェガと同じ、いやそれ以上に「老い」を感じさせない激しいステージを見せてくれた。バラードはほとんどなく、3時間近くにおよぶステージを最後まだ歌い切った。

というわけで、話がすごく長くなったが、私はまだスザンヌ・ヴェガよりも、そして宮沢和史よりも、ずっと若い。
「老い」たなどと言っていられない。「まだまだこれからだ」ということが言いたかった。ただそれだけです(笑)

加えて余談ですが、その宮沢和史が帯文を書いてくれたブラジルの国民的作家、ジョルジェ・アマードの小説『砂の戦士たち』が重版されました!!

宮沢和史がいくども訪れ、ライブもおこなったブラジル。最近ますます注目されつつあるブラジル。
宮沢和史のファン、ブラジルに興味のある方、一味違う外国文学を読みたい方。ぜひ近所の書店でご購入ください!!(本当はこれが言いたかった…)

筆=春日

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