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アジアフェアやってます

2010 年 9 月 24 日 金曜日

またまた、実はユーチューブの曲を選ぶのが楽しみな「ブログ」の番が来ました。本当はアジアの本の会のツィッターが少数の人だけでがんばっている(私は億劫でやっていません)状況で、「書いて、書いて」と言われていますが実行できておらずのこのブログで関係者の方には恐縮ですが厚顔にこれだけ書いています。アジアフェアも、現在展開中のブックデポ書楽リブロ吉祥寺ジュンク堂新宿店も担当の方には熱心に取り組んで頂けましたが、フェア半ばとなって本が動いているかどうかはお伺いしていない書店さんもあるものの、芳しくない感触ですが、ジュンク堂新宿店では左翼系の品揃えでは右に出るものが模索舎以外いないのではの担当伊藤さんが、「ゾウLOVE」(帝国主義から始まるグローバリズムによるアジア諸国「開発/経済」の「功罪」を問うという今回の伊藤さん選書フェアにおいて)を提案して頂き、小社の「ゾウと巡る季節」から採った写真から「ゾウパネル」作り、貼って展示して頂いています。当初は、反「開発/経済」と「ゾウ」とどれだけ関係あるか疑問でしたが、中央線のテレビの宣伝で「ゾウのフン」を「屋上緑化」で使うと水捌けよく植物よく育つとかあったり、小社のその写真集も「長く緩いペースのゾウを使った林業」でゆったり「経済に抗する経済」していたりと、「ゾウパネル」割とフェアテーマに沿っているようです。というわけで、ゆったり肌寒くなった本日、歌詞知らないものの、「多分、暖かい・・・多分、いい調子」な感じの、温ったかくなりそうな(経済(合理)的=消費的=資本主義的=宗教的?)・・この曲でもしかしたら若干、半そでが暖まりそうです。(玉崎) 追伸、左翼棚と言えば同時開催中で、10月11日ぐらいまで、お隣の紀伊國屋書店新宿本店5Fでも、小社の連合赤軍当事者の本も一緒に並べていただいてちゃんと売れている「好きか嫌いか、べつにして、いま、もう一度、マルクスと「共産主義」をまじめに考えてみる。」フェアもやっており、模索舎の榎本さんに教えて頂き行ってみたところ、フェア棚に無料配布の紙頂き、その内容が「簡潔で秀逸で読んでみたくなる短文」で本を紹介しており「・・彩流社の一連の本の功績大。」などと書かれています。2回目にお伺いしたところそのフリーペーパーが無くなっており、お忙しいのを顧みず、担当の吉田さんに「補充して下さい」と不躾に失言してしまいました・・・・・・また話代わり、今回の曲の歌詞はネットで採れたので、直訳で読んでみたところ、「カリブでリゾートに来ている旧宗主国?の男が、カリブ出身??の出口無し女になす術もなく」という感じの内容みたいで、どうも「ジュンク堂新宿のフェアの趣旨」に「反する、帝国主義(人種差別主義)的観光(自分だけ暖かい)曲」の可能性が高い気がしました。・・・

大須歌舞伎はあったのだ!

2010 年 9 月 16 日 木曜日

いやはや不勉強を猛省します。

せんだって「毒歌舞伎論」の原稿をいただきに大須演芸場に
出演中の快楽亭ブラック師の楽屋見舞いに伺ったことは書いた。
そのとき、たまたま取材にこられた毎日新聞・中部本社の記者・
尾崎氏によるコラム「らくだの寝床」がネットにも出ていた。
記事中の写真には愚生も写っているではないか!
(人相は悪いがけっして借金取りではありません)

ともあれ、猛省するのは、大須に行ったことを畏敬するデザイナー
中山氏に話したところ、氏が所有する雑誌「自然と文化・77号」
(特集・盛り場の賑わい〈大須観音とスーパー一座〉2005年1月刊)
を貸してくださった。本文をみてビックリ!

oosukabuki.jpg
60年代、前衛芸術集団「0次元」を主宰された岩田信市氏が、
1978年にすでに歌舞伎スタイルの「楼門五三桐」をやっているでは
ないか! これは、大須、ブラック、歌舞伎の「三題噺」となるおそる
べき大符合。まいった。
大須観音のお導きで、無意識的にブラック師の「歌舞伎論」を使唆
されていたとは。

やはり、この世には「パワースポット」があるということを「自然と文化」
の特集号を読んで痛感したのだった。

[筆・南葵亭樂鈷]

雨、あめ、アメ

2010 年 9 月 8 日 水曜日

今日は外に出てやられてしまいました。ドーと来て、駅まで徒歩七分が、異様に永く感じられ、つくばエキスプレス車内で、恥も外聞もなく「靴下絞り」(床に水垂れ流し、靴は水でぶよぶよで)に精を出す有様でした。それでも、暑苦しい中外を回るよりもやはり涼しく回れました。今回は、もう今週金曜見本出しで、日が無く、それにも関らず事前を見るとその本に関る地域が3店舗ぐらいしか受注がないため、付け焼刃でも回るかと行ってみましたが、回る書店さんの規模が人文書を置く余裕がなく「人文書減らしたばかり、インセンティブ(販売奨励金?)的に「返品率抑えて」と言われているから」とか「上にCD/DVDレンタル有り、まず客層が中高生ばかりで、置けない」とかで、担当者休みの空振りも含めて5店で1冊受注(2600円本体)と、ほとんど仕事になっておりませんで、2000部刷ってどうやって半分以上捌くのか、かなり困難な感じです。本の一部抜きは持って行ってパラパラめくり、江戸時代の茨城県利根町生まれでそこに墓がある人物の評伝で、ところどころ読んで、興味深いところもある気はしたものの、題材が「川」沿いの話で、河沿いのまま線路がはしり、しかも線路沿いに人文書が置ける(動く)書店もあまり回ったことのない不慣れなところだったため「どこなのか読めず」、「そのまま「河童」にでもなって、失踪してみたい」気にもなりました(そういえば、小学生の時、妖怪じみていたのか「カッパ」と呼ばれたような記憶もうっすらあります)・・・。妖怪だか幽霊だかも、暑い日がつづくと現れた方が「涼しく」なるかもしれませんし、妖怪(幽霊)を自己の分身として関係構築すると、より自己の筋が通って「暗い部分にも手の届く明るみに出た私」にもなれるかもしれませんので、一度「幽霊」やってみるのはいい試みかもしれません(そのままこの世に戻って来れないかもしれませんが)・・と比較的涼しく湿った今日だと「幽霊」も現れ安いと思うので幽霊のような曲・・・(玉崎)と思ったらリンクが出来ず・・・?

夏はやっぱり大須にかぎる!

2010 年 9 月 3 日 金曜日

猛暑っ。というわけで、夏季休暇を利用して、家人の実家が
ある過激な高熱を発し続ける愛知県半田市に泊まり行った。
そして快楽亭ブラック師が特別出演する大須演芸場8月下席
興行を見に行ったのだった。

プログラム_1.jpg大須_1.jpg

名古屋に行った際には何度か大須演芸場の前を通ったことが
あるし、近くのコメ兵でサイラスの半ズボンを買ったことも
あるが、ホール及び楽屋に入ったのは今回が初めてである。

かつて弊社で刊行した瀧口雅仁氏の著書『噺家根問』の中で、
雷門小福師が大須の有名な楽屋廊下の「柱」について語って
おられたがそれをナマで初めて見た。やはり「頭上注意」は
間違いなかった。

猛暑の8月24日、ブラック師は大須の高座へ登場。演目は
「近日息子」と「次の御用日(大坂弁版)」。この日の
ブラック師は過激に飛ばしたネタを選んだ。シブイっす。
大須演芸場でこれらのネタを聴くのはイイ~ねェ。

1回目と2回目の高座の休憩時間に、ブラック師の楽屋で軽く
宴会。「毒歌舞伎」の原稿を無事に受け取り、その後、名古屋
の芸人のみなさん、艶歌シャンソニエのひと:みちゃん、夫婦
ジャグラーのあおき三朝・うたこさん、毎日のO氏、大須のお
茶子の姫さん、そして愚生という面子で杯を重ねた。
いやはや昼に近くの食堂でブラック師とチュウハイを飲んで
いたこともあって、追討ちの日本酒とビールはかなり効いた。
血の巡りがいいので、昼間の酒にはには気をつけよう。
まわ~るまわ~る。

ともあれ、この日高座に登場した「日々純子先生」にはビック
リさせられた。故・柳家小三亀松さんの奥方であること、半田
市出身であることなど身辺雑記を延々と語り、自分の持ち時間
をすっかり忘れ、かるく30分弱はやったのではないか。
そしてモチ唄と踊りもやるのだから、いやはやなんともすごい
芸人さんであった。
そんなディープな世界を見せてくれる大須には通うべきかもし
れない。東京からも上方からもみんな通うべし!

[筆・南葵亭樂鈷]

8月は散々…

2010 年 9 月 2 日 木曜日

どうもご無沙汰しております。

8月の私は公私共に散々な月でありました。

ここまでいろんな厄災が続き、加えて戦後最長記録を更新中の猛暑からくる夏バテもあって、もう全て放り投げて無人島にもいって本でも読んで1ヵ月ほど過ごしたいなあなどと、欧米人の金持ちような生活に憧れもしますが、まあみての通りの大不況の出版会と日本国。いったいこの先どうなるのやらと思うこともしばしばなそろそろ40歳が見えてきた春日でございます。

まあ厄災といっても、命を取られるほどのことはなかったので、気持ちの持ちようでどうにでもなることかもしれません。
さっさと切り替えて明日に向かって進んでいきたいと思います。

今年の8月15日は、初めて靖国神社とその周辺で、報道カメラマンの真似事のようなことをして一日を過ごしました。
右翼と左翼と保守入り乱れての戦いを実際この目で見て、ニュースではほとんど報道されない、靖国神社の熱い8月15日を感じた次第です。ここでは詳しく書きませんが、やはり何かが変わろうとしているようです。ヒトラー総統誕生前のドイツの空気は、もしかしたらこんな感じだったのではないかと思ったりもしました(実際その時代のドイツを目で見て感じることはできないので本当のところは分かりませんが…)。

我が家では1歳3ヶ月の暴れん坊将軍が、日々増していく知力を駆使して、私の大切な機材やCDや本を破壊しようと企んでいます。

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息子によって剥がされたPCのテンキー。誤飲しなくてよかったが…。

早く秋にならないですかね。最近また太ったんで暑くてしょうがありゃしない…。

【投稿者・春日俊一】

酷暑にはロックが効くか?いやジャズか?(掲載遅れました)

2010 年 8 月 30 日 月曜日

今秋の刊行を目指してロックの本を鋭意編集しておりますが、
「ブリティッシュ・ロック」を軸にした内容で、そのカバー
作成のため、本書の編者・林浩平氏からジャケ写をゴッソリ
と借りてきたのですが、ジャケットだけではなく中身もお借
りできたので勉強のために残暑厳しき毎夜、聴いております。
愚生自身フリー(キー)なサックス吹き男爵であることもあって、
ブラスが入っているバンドが好みですが、別にサックスが入って
なくても演奏がグルーヴしていればなにもいうことはありません。

というわけで、いろいろ聴いてみた結果、ハンブル・パイ、コロ
シアム、テンペスト、スプーキー・トゥース、ジェフ・ベック・
グループ、アトミック・ルースター、ロッド・スチュアート、
クライマックス・ブルース・バンド、EL&P、そしてキング・クリ
ムゾンがよかった。
林氏が「わがベストテン」のトップにあげたアルバムがキング・
クリムゾンの『アイランズ』です。たしかに愚生もこの時期の
クリムゾンはええと思います。ブートレグ『アースバウンド』
なんかはとくにいい。この時期のメンバーは、ボズ・バレル
(Vocals & Bass)メル・コリンズ(Saxophone, Flute & Vocals)
イアン・ウォーレス(Drums & Vocals)ピート・シンフィールド
(Words)そして御大ロバート・フリップ。
そんなこともあって、スペシャルエディション版として発売された
クリムゾンの『レディーズ・オブ・ザ・ロード』を買ってしまった
のでした。CD2枚組。圧巻はディスク2の「21世紀の精神
異常者」のソロ集。フリップ先生とコリンズのソロを編集して
延々繋いでおります。勉強になります、楽しめます。でも、おなか
いっぱいになります。

というわけで、ロックを聴いておなかいっぱい(バッファ・オーバー
フロー)になったところで、ジャズを聴きます。このメリハリ、
切り替え、たいへん大事です。ロックのビートとジャズのリズムが
どう違うのか、実際に聴いて体感するのです。
今回は日経紙上で「いーぐる」の後藤雅洋氏が、そしてネットで
批評を配信するジャズ批評家・高野雲氏も絶賛の、トニー・ウィリ
アムス『SPRING』(Blue Note, 1965)を選びました。メンバーは、
Tony Williams (ds)Wayne Shorter (ts)Sam Rivers (ts)
Herbie Hancock (p)Gary Peacock (b)。
ショーターとリヴァースのテナーはヘンですが、これがイイ。
トニーとゲリピーのリズム隊にあおられ、ウネウネと吹きまくる
二人。ロック系サックス奏者にはこのテはなかなかいません。
4ビートと8ビートの違いが大きいのですが、ゆれる4ビートでは
蛇のようにとぐろを巻くうねるサックスがあるのです。リヴァースは
最右翼。しかし、残念なことにマイルスには気に入られずでした。
でもトニーはすごく気に入っていたようで、年齢はリヴァースのほう
が上ですがバンマスのトニーはリヴァースのサックスのトーンが好き
だったようで、だからこそマイルスに推薦したのですが、いかんせん
マイルスの好みではなかった。マイルスバンドではリヴァースから
ショーターへと早々にサックス担当が代えられたのでした。

ともあれロックとジャズのサックスの聴きくらべ。真夏の夜、残暑
厳しき夜にはじつにいい。さて、遅ればせながらの夏休み。充電か
放電か、いや逐電か。

[筆・南葵亭樂鈷](2010・8・19アップ予定稿)

地上波での放送はナシだって!

2010 年 6 月 25 日 金曜日

W杯1次リーグで「ポルトガル対ブラジル」戦以上に
スペクタクルでスリリングな試合になる(絶対に)
「チリ対スペイン」戦(開始6月26日午前3時30分
[日本時間])は地上波でもBSでも放送しないん
だって。スカパー191、181、799だけなんだって。
無念。NHKのハイライト版で観るだけ。仕方ない
からCXの「ポルトガル対ブラジル」を観ることにする。

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[南葵亭樂鈷]

熊野のバタヤンはスゴイ! W杯のチリもスゴイぞ!

2010 年 6 月 23 日 水曜日

紀州の、大学の、そして編集者の先輩である和賀正樹氏が永年のフィールド
ワークの成果を本にして刊行した。『熊野・被差別ブルース』(現代書館)
である。本書は、紀州・新宮で「しんぐう壁新聞」を独力で企画・編集・
発行し続ける異能の人・田畑稔氏を軸に、南紀および日本の「差別」の
問題を抉る本である。

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田畑さんは作家・中上健次の義理の従兄で、あのビートたけしとも親類と
いうかなりかわった存在だ。田畑さん本人も波瀾万丈の半生のものスゴい
人で、事業をしたり、ジャーナリストをしたりと多羅尾伴内的多面をもつ。
和賀氏の取材のなかでは田畑さんからシモネタががんがん飛び出すし、
新宮弁まるだしの語りをよくもまぁ文字にしたなぁと感動的である。
たとえば田畑さんが中上さんに自慰を教えたところはこうだ。
「中上に最初に自慰の仕方を教えたのは田畑である。『たしか、健次が千穂
(小学校)の五年生のときやった。秘密の基地で、手を添えてやったった。
どえらい気持ちええわだ。そう言うてたど』」
これは新宮弁独特のイントネーションだ。愚生は新宮よりさらに南にある
ディーペストサウスの地の生まれなので、新宮の言葉はいささか都会的な
響きがいまでもするのだ。本書に出てくる「(猥歌ヴァージョン)串本節」
もなかなか良い。田畑さんはよく歌うらしい。

♪お〇こ お〇こと いばるな お〇こ
お〇こ ち〇この植木鉢
あら よいしょ よいしょ よいしょ よいしょ よいしょ

本文でも「お〇こ」というコトバが田畑さんから頻繁に飛び出すが、愚生には
いやらしく感じられない。それは「お〇んこ」も同様だ。本州最南端では女陰
を指す名詞の「ちゃ〇ま」が骨がらみだからだろうか。母語というのはおそろ
しい。ともあれ熊野や中上、そして「差別」問題に興味をもつ方には一読を
強く薦めたい。

話かわってW杯である。毎晩TV観戦だ。いや観ざるをえない。
愚生の心にいまでも残るW杯はなんといっても「1982年スペイン大会」だ。
マラドーナ、プラティニ、ルンメニゲ、ブライトナー、リトバルスキー、
ブリーゲル、シューマッハー、ブトラゲーニョ、エルケア、ブロヒン、ベラノフ、
ティガナ、ジレス、シーフォ、ロッシ、カブリーニ、シレア、ゾフ、そしてなんと
いってもボニエク。高速ドリブル、強烈なミドルシュート、このポーランドの至宝
ボニエクは最高の選手だった。やはり醍醐味は「ゴール」なのである。
今大会の1次リーグの試合では「チリ対スイス」戦が秀逸の試合だった。超攻撃的
なチリと、無失点試合記録を続ける鉄壁のスイス。面白くないはずがない。
「守る」ことなど一切知らないチリがスイスの未開の処女地に楔を打ち込んだ。
開墾した。屹立せる男根が突入した瞬間だ。「啓膣」である。
スイスは途中、レッドカードで選手一人を欠いたから仕方がない、などという
戯れ言は一切ここでは無効である。
なぜならチリは11対11の布陣のままでも白球を強引に挿入したと断言できる
からだ。「攻撃こそが最大の防御である」というテーゼを痛感させられたワクワク
した試合だった。
とはいえ、他チームがチリのスタイルを真似しても決してうまくはいかない。
類推するにチリは1974年のオランダ代表チームに近いのではないだろうか。
しかし、超人クライフに比すべき軸となる選手はいない。決勝戦までいけるか
どうか……。しかしそれは杞憂である。彼らはそんなことなどおかまいなく、
ひたすらゴールを目指すのだから。とりあえずリーグ最終戦「チリ対スペイン」
がまたまた楽しみである。

[筆・南葵亭樂鈷]

子ども向けに?

2010 年 6 月 21 日 月曜日

 1965年のことだが、岡村昭彦というジャーナリストが小学校6年生向けにベトナム戦争の戦場からルポを書き、「この目でみたベトナム戦争」という記事を『6年の学習』(学研)という雑誌に掲載したことがある。それが『シャッター以前(Vol.5)』(岡村昭彦の会、2010年2月)に再掲載されていたのを読んでみたのだが、「いかにも子ども向けの文章」ではないことに驚いた。
 
 私たちは本を作るとき、得てして「簡単に」「わかりやすく」を追求する。そのことはとてもとても大切なのだが、現場のディテールといまの世界の現状、戦争の悲惨さをしっかり伝えているその文章が、いかにもそれを狙って書かれていないことに、思わず、うーんと考えさせられてしまった。
 岡村昭彦は、「岡村さんと母親たちの会」という勉強会で、「主婦の集まりだからといって、決して噛み砕いたような話はしません。東大生に話すことと同じように進めていきますから」と言っていたという。子どもでも主婦でも、その気があれば難しくても理解する力があることを信じていた人のようだ。
 
 7月に予定している新刊で『パリのモスク』という絵本がある。第二次大戦中、ナチス支配下にあったパリで、イスラム教徒がモスクに大勢のユダヤ人をかくまい助けたという歴史的事実を描いたアメリカの絵本の翻訳本だが、歴史的事実を知っていることを前提として書かれているので、絵本としては「難しい」。そこで、オールカラーであるものの、読み物の体裁にして解説を付けることにした。編集過程で訳者の池田真里さんのお仕事を拝見し、岡村昭彦に通じるものを感じた。
 
 インドの初代首相ネルーが、当時14歳になった自分の娘(インディラ・ガンジー)の誕生日から獄中で書き続けた手紙が本になっている。『親が子に語る世界歴史』(みすず書房、全6巻)である。獄中からの手紙などというと、自分(たち)が置かれた苦しい現状を訴えるような政治的アピールかと思うがそうではなく、世界史を、古代から現代まで物語るのである。まだ1巻目なのだが、たとえ古代史であってもそこから現在につなげて読み解けることがわかり、これがめっぽう面白い。
 ネルーは、少年少女たちが歴史というと単に年号を暗記する様子を見て「大へんつまらないことをするものだと」思い、歴史というものは「わたしたちのこころの中で、生き生きとした想念の連続をなしていなければならない。それは一篇の戯曲として、わたしたちの心をつかむものでなければならない」。それは「ときには喜劇であり、また多くの場合は、むしろ悲劇であらねばならない」と娘に語る。
 ネルーが娘に語った歴史は「いかにも子ども向けに簡単に」など書かれておらず、まさに戯曲のようであり、大人が読んでも引き込まれてしまう。
 
 なんだかまたダラダラと長くなってしまった。ちなみに岡村昭彦の本もネルーの本も、吉田敏浩さん(アジアプレス)から教えていただいた。(出口)

旗指物

2010 年 6 月 16 日 水曜日

旗にまつわる話をたびたび書いている。

ひょんなことから旗の本を手がけたのがキッカケで、イモヅル式に関連書を出すことになり、気がつけば旗の本も4冊目となった。↓

http://www.sairyusha.co.jp/bd/isbn978-4-7791-1506-6.html

いずれ、「国旗以外の旗」の本は彩流社ということになって、せまーいけれどその市場のシェアをほとんど独占する。

というのはうちのお家芸。今後もせっせとニッチ市場を開拓しようと思っています。どうぞよろしく。

T.T