イケ彩ダメ彩

最新の記事5件

このコーナー内を検索

月別一覧

2007年あけましておめでとうございます。

昨年から続く暖冬は、単なる気候だけでなく、今年一年の“波乱”を予測させる。小泉自民党の大勝利を受け継いだ安倍政権は“戦後の総決算”を目指し、数を頼んで教育基本法の改正を強行した。“いじめ”や受験優先による“必修科目の未履修”などの教育現場での問題点の解決策も放置したままで。防衛庁も防衛省へ。海外任務が“本務”とか。その安倍さん、小泉改革の継承をうたいながらも復党問題でみそを付け、本間税調会長の辞任や総裁選の応援団の佐田行革大臣のスキャンダル……。拉致問題も制裁だけでは進展もなく、六者協議も手詰まりで、このままでは“拉致を叫ぶ”アジテーターの汚名も着かねない。いずれにしても先行き不透明の“安倍丸”である。
さて、政治にかまけてばかりはいられない。高校の世界史未履修は大学生の常識破壊を招いている。「フランス革命の話をしてもきょとんとしている学生がいた理由がやっとわかった」との話は笑えない現実である。少なくとも教科書や周辺の関連書籍が売れるはずの大学生協での専門書の売れ行きが落ちるのも当然だ。また、こうした社会的背景による読書人口の低減傾向に加えて、若年人口の減少がこれからは加速する。その意味では、我々の市場は絶対的には拡大しない。しかし、だからといって、手をこまねいてはいられないのだ。
長く、出版業界は物流面で読者からの不満を受けていた。とくに注文品の場合は二週間が当たり前と言われたときからすれば、取次各社の努力で改善されたことは確かである。また、返品に関しても共同流通センターやトーハンの桶川計画の稼働は基本的に物流改善に寄与するものであり、時代の流れに沿うものであろう。ただ、そうした改革の大義の下に個別企業の利益優先が先行し、弱小版元、弱小書店に犠牲を強いるものであってはならない。人間に例えれば、版元は心臓であり、取次は血管であり、書店は神経である。弱小版元の作る本も重要な血液の要素であり、弱小書店は重要な末端神経である。
限られた市場を、単に力で切り取るかつての“国盗り”の時代ではない。平板な市場を厚みのある市場へ変えるには、多様化する読者のニーズに応えるべく多様な版元が、公平な条件で、公正な競争を展開することが、“急がば回れ”ではなかろうか。