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金聖雄監督の映画『獄友』

映画監督の金聖雄氏の描くドキュメンタリー映画の最新作『獄友』が公開された。
『SAYAMA 見えない手錠をはずすまで』『袴田巌 夢の間の世の中』につづく、
「冤罪ドキュメンタリー映画」の第3弾目である。

僕はそのいずれも拝見しているが、本作は、
「布川事件」により、獄中生活29年の杉山卓男氏、桜井昌司氏、
「袴田事件」により、獄中生活48年の袴田巌氏、
「狭山事件」により、獄中生活31年7ヶ月の石川一雄氏、
「足利事件」により、獄中生活17年6ヶ月の菅家利和氏、
この5名が冤罪によりどのような獄中生活を強いられ、そして、娑婆で出会い、自分たちのことを「獄友」と呼び合い、
励まし合って、冤罪を晴らしていったのか、そして、晴らそうとしているのか、その交流を描いたものである。
これだけ長い間、獄中生活を余儀なくされれば、理性も崩壊してしまう。
だから、あえて、笑い飛ばして耐えた。自分が無実であると分かっているから耐える事ができたとも言う。
娑婆に出て、獄中生活によって失われた青春を取り戻そうとする「獄友」たちの交流が、
金監督の淡々としたカメラアングルによって切り取られていく。
その日常が、胸に突き刺さる。冤罪を晴らすために再審請求のために戦う彼等の姿はまさに「生」そのものである。
なかでも、狭山事件の石川氏は、今も再審請求中であり、仮釈放の身である。
元気なうちに再審請求が勝ち取れるのか、とても気になる。
なぜ、金監督が「冤罪映画」を撮り続けるのか、それは、映画を観れば伝わると思う。
人間の営みとは何か、スクリーンを通して突きつけられることになる。
(小鳥遊)

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