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御大・岡田茂(東映)氏を追悼する

日本映画界のドン岡田茂氏が2011年5月9日、肺炎のため死去された(87歳)。
雑誌「プレミア」(2001年4月号)の特集「決定! プレミアが選ぶ日本映画界
パワー100人ランキング」では、日本映画界の他を圧倒し堂々の第1位に選ば
れた(ランキングには徳間康快氏、宮崎駿氏、北野武氏の名があった)。
東映の「ウリ」である思想には左右されない儲かる映画を生み出し続けた最大
の功労者が岡田さんである。
任侠映画から実録モノ、エロ映画まで、話題性を素早く察知する鋭敏な感覚と、
人徳ゆえの幅広いネットワーク、そして誰もが感じた度量の大きさで映画製作
の指揮をとり、日本映画界に新鮮な空気を送りつづけた稀代の経営者である。

岡田氏の晩年にあたるが、以前いた版元で著作の編集を担当し、氏の謦咳に
接することができたことはまさに僥倖であった。
その巻末で、東宝、松竹、電通の社長・会長との対談、東映の監督だった沢島
忠さん、深作欣二さんとの鼎談、そして女優・岩下志麻さん、名取裕子さんとの
対談を収録・掲載した。
収録現場では、本にはとうてい掲載できない内容の逸話が人名を秘さずバン
バン飛び出し、テープまとめの際には吹き出しながらも、泣く泣く落とさざるを
得ないということがあった。
また、東映が所蔵するスチルやポスター、スターとのオフショット等、さらには
詳細なデータ等も、岡田氏の著書ということでふんだんに収載することができた。
それぞれ選ぶのには苦労したがじつに楽しかった、良い想い出である。
とにもかくにも「時代」の終わりを痛感させられた。
岡田氏の逝去で感じたことである。

[筆・南葵亭樂鈷]