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インターンについてわたしが知っている二、三の事柄

足かけ二年になるか。来月からまたやってくる二名を加えて累計八名の「インターン」の大学院生を迎えることになったのだった。

弊社と著者・訳者としての一橋大学の先生方との関係もあって、一橋大学大学院言語社会研究科の尾方一郎先生、武村知子先生が来社され、希望する大学院生の「《出版》について学ぶインターン」の面倒をみてやっていただけないだろうかということだった(これは講座の「単位」となる)。

たしかに小さな版元である弊社ならば「編集」「営業」「製作」等、企画・立案、本ができるまえからできあがるまで、そして販売・管理していくところまで、おおよそひととおりを経験することができる。

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おふたりがお越しになった際、紀要論集「言語社会(2)―特集・人文無双」(2008.3.31刊)をいただいたのだが、これを手にして驚いた。印刷から造本・装丁までの「気合」の入れかたがハンパないのだ。なにせ印刷・製本があの「精興社」なのだ。また、本文中には本書を刊行するまでの製作プロセスについての精興社の方々へのインタビューも掲載されているという念の入りよう。さらには、巻頭におかれた武村氏によるマニフェスト的「解題」が圧巻なのだ。

「言社研は傾かなくてはならない! 世の中が激しく傾いているのだから、人文学も過激に傾き、言社研も果敢に傾くのでなくては、何も確実なことが生じない。……言社研はもちろん、人文学とは何かという問いさえ、実はどうでもよいのに違いない、大事なのは当座、人よりも言語であり、言語において在るところの人である。人とは何かという問いがさらにその先の彼方にあって星のように光っているが、とうに死んでいるのかもしれない星の光を光と見るのもまた人とその言語でしかない」

「これは本気だ!」と痛感した。とにかく「わかりました、お引き受けいたします」と返答するよりなかった。

とはいえ、「インターン」なんて、自身が経験したこともないのにどうすればよいやら……煩悶・懊悩するなか、とにもかくにも社内はもとより、業界の先輩、友人・知人に協力を要請し、なんとかこれまで六名のみなさんに「出版」について経験してもらった(恥ずかしながらいちばん勉強になったのはコーディネーターであるはずの愚生であることはいうまでもない)。

その後も「言社研」からのインターン受け入れの要請が続いている。ということは、ひとまずは愚生の差配、コーディネイトが奏功しているといっていいのだろう……たぶんおそらく。

いずれにせよ、猛暑とともに、インターンとともに、学ぶ季節がやってきたのだった。

日々是勉強也!

[筆・南葵亭樂鈷]