ほんのヒトコト

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第12回 ダイムノヴェルの魅力
──山口ヨシ子(『ダイムノヴェルのアメリカ』)

2013 年 11 月 7 日 木曜日

 『ダイムノヴェルのアメリカ 大衆小説の文化史』を上梓して一か月が過ぎようとしている。初校から校了までがきわめて短期間であったこともあり、注の加筆や校正に費やした過激な日々の余韻をまだ引きずっている。今、改めて「あとがき」を読み直してみると「手の届かなかった部分」について延々と述べていることがやはり気になる。この「あとがき」を書いていたときも、論じ得なかったことについて書き過ぎではないかと思ってはいたが、それでもそのままにしたのには理由がある。ダイムノヴェルをめぐる研究テーマは一冊の本では語りきれないほど多く、無尽蔵だという思いである。 (続きを読む…)

第11回 トルコで起こっていたこと、起きていること
──野中恵子(『ビザンツ、オスマン、そしてトルコへ』)

2013 年 8 月 21 日 水曜日

◆「未来」のための「過去」

拙著『ビザンツ、オスマン、そしてトルコへ』が刊行されてから3年近くがたつ。この間、さまざまな反響をいただいたことへの感謝とともに、〔「トルコ」と呼ばれているこの国の素顔を剥き出そうと〕自力で斬り込んだ筆者の挑戦が、方向性として間違ってはいなかったのを自負できると申し述べたい。トルコ共和国時代は1923年から始まる。つまり、 (続きを読む…)

第10回「ギターとビウエラの博物館」を訪ねて
──西川和子(『ビウエラ七人衆』)

2013 年 8 月 9 日 金曜日

 

 

この春スペインを旅したのですが、いろいろ調べていて、マドリッド近郊にシグエンサという小さな町があり、そこに「ギターとビウエラの博物館」がある、ということを知りました。昨年『ビウエラ七人衆』を刊行したのだから、今回この町に行ってみようと、拙著『ビウエラ七人衆』と、自己紹介や本の内容を簡単に書いたスペイン語の手紙を持って、私は旅立ちました。 (続きを読む…)

第9回 47年ぶりの再訪(2)
    ——飯島幸永(『寒流』)

2013 年 8 月 1 日 木曜日

(1)はコチラ

◆入広瀬村へ

その後、まだ雪の積もる3月31日に魚沼市入広瀬村に向かい、手紙をいただいた皆さんに会いに行った。

「刈り入れの夫婦」として収録したご夫婦(穴沢タマニ・宏さん)は、弟、娘夫婦や妹夫婦など親戚一同15、6人で集合していて、入広瀬村道の駅「鏡が池」で私を迎えてくれた。子供だった生徒も (続きを読む…)

第8回 著書を出版することの難しさ
──さかぐちとおる(『ラテンアメリカ鉄道の旅』 )

2013 年 7 月 25 日 木曜日

●サラリーマンを辞めて20代後半でデビュー

 

私は2000年8月に『キューバ音楽紀行』(東京書籍)を出版した。

その約1年半前まで放送局の関連団体で新卒職員として働いていたものの、

業務内容としては一般的な事務職のサラリーマンだった。理想を描いていたジャーナリズムの現場の仕事ではなかったので、

約4年後に退職してしまう。

無職生活の間にバックパックを背負って中南米や南欧を旅して、 (続きを読む…)

第7回 47年ぶりの再訪(1)
    ——飯島幸永(『寒流』)

2013 年 7 月 25 日 木曜日

 

◆3通の手紙

人生には、出会いと別れ、そして再会がある。中でも再会は、長い歳月を経ていると、お互い出会いの時のままで記憶が止まっているため、その分驚きと感激もひとしおである。私はこの再会の歓びを、47年ぶりに2013年3月31日と5月28日、29日、30日に果たしてきた。かつての豪雪地、入広瀬村(現、新潟県魚沼市)の山中にある芹谷内集落を訪ね、 (続きを読む…)

第6回『つかこうへい』
在日コリアンの同胞だから書いたのではない――元徳喜

2013 年 7 月 19 日 金曜日

◆読者として「遅れた」とか「遅すぎる」ということはない

まず、今回の本では「あとがき」というものを載せませんでした。というのも、実は私にとって十何年ぶり
の自著刊行で、しかもそれを以前とは異なり実名で出すことにしたので、「あとがき」を書くとなると当然
それにも触れなければならず、そうなると「著者」があまりにも前面に出すぎると思ったのです。

言うまでもなく今回の本は、著名な演劇人であり小説家でもある「つかこうへい」という他者について書い
たものです。その目的は、何といっても、 (続きを読む…)

第5回『エロエロ草紙【完全カラー復刻版】』
「エロエロ草紙」制作ノートーー渡辺 将史(デザイナー)

2013 年 6 月 26 日 水曜日

◆表紙はなんと鮮やかな朱赤

編集Tさんから出版の構想をうかがったのは桜の咲くころだった。今回のミッションは、昭和初期のディレッタン ト・酒井 潔 著「エロエロ草紙」の完全カラー復刻。国会図書館・アクセス数第一位のデジタル化資料として話題になった珍書。80年前の昭和5年に発行を企図されながら、 (続きを読む…)

第4回『ゲイの誕生』
『ゲイの誕生』が誕生するまでーー匠 雅音

2013 年 6 月 26 日 水曜日

◆「ホモ」と「ゲイ」はなぜ違うのか

1997年に『核家族から単家族へ』を上梓した時、すでに<年齢秩序の崩壊>がホモからゲイへの変化を促したと考えていた。また、伏見憲明の書いた『ゲイという経験』の書評を、2002年に自分のサイトに上げており、『ゲイの誕生』で展開した論理の原形を書いていた。しかし、 (続きを読む…)

第3回『八月十五夜の茶屋』
「沖縄戦」と著者ヴァーン・スナイダーーー梓澤登

2013 年 6 月 20 日 木曜日

◆「8.15」の意味

出版から間もなく1年。奥付の発行日が6月23日であることを最終校正時に知った時、版元の意

思を受けとめた。1945年、沖縄の日本軍が組織的抵抗を終了した、とされるこの日は、「慰霊の日」

として県内の官公庁・大学・学校は休日扱い。全県民が追悼の思いを深くする。日付については (続きを読む…)