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第13回 執筆裏話
──Willie Whopper(『ボサノヴァの真実』)

本年2月に彩流社さんから『ボサノヴァの真実』を発刊させて頂いたWillieと申します。ちなみによく間違われるのですが、Willieとはペンネームで、中身は生粋の日本人です。

『ボサノヴァの真実』、お陰さまで各方面からお褒めの言葉を頂いております。日本で大変親しまれているボサノヴァですが、古くは昭和の時代のアストラッド・ジルベルトや渡辺貞夫等のジャズ経由から聴いている方、80年代末のバブル時代のワールド・ミュージック・ブームから興味を持った方、90年代のクラブ・ジャズや渋谷系、2000年代前後のカフェ・ミュージック・ブーム等々、多方面からボサノヴァに辿りつかれたのではないかと思っています。極めつけは2003年のジョアン・ジルベルトの初来日公演でしょうか?4公演で約2万人を動員した日本国内では最大規模のボサノヴァ・イベントだったと思います。

私個人ですが、ボサノヴァとの最初の出会いは1986年、テレビで放映されたアントニオ・カルロス・ジョビンの来日公演の映像を観た時からでした。それまで流行のポップスやジャズを聴いていたのですが、音を聴いた瞬間、その洗練されたハーモニー、感性の高い歌詞(日本語の字幕が表示されていました)、そして何よりも白い麻のスーツに身を包んだジョビンのダンディな佇まいにすっかり痺れてしまいました。録画したビデオは100回以上観たと思います。それからレコードやCDを買いあさり始め、ボサノヴァ、そしてMPB(ムジカ・ポプラール・ブラジレイラ。英語で「ブラジリアン・ミュージック」の意味)の魅力にすっかりとハマってしまいました。2002年にブラジル初旅行、気が付けばこれまでに14回もかの地を訪問しました。

ボサノヴァ、ひいてはブラジル音楽の最大の魅力に挙げられるポイントとして「それがブラジルで生まれた音楽だから」という事が挙げられると思います。そういうと元も子もないように思われてしまうかもですが、ブラジルという国が、原住インディオ、ヨーロッパから入植した白人移民、そしてアフリカからの黒人奴隷、この大きくは3つの異なる文化が500年間の時の間にブレンドを繰り返しながら発展してきた結果です。これはブラジル文化の根底にあるもので、ボサノヴァだけに限らずその他のブラジル音楽はもちろん、絵画や小説、そして料理やスポーツ等にも強い影響をもたらせています。

今回、ボサノヴァの創始者の一人で偉大なアーティストであるホベルト・メネスカル氏に大変お世話になりましたが、大変お忙しくされているのに長時間のインタビューを受けて頂いたり、表紙用の未発表写真を提供して頂いたりと色々お気遣い頂きました。本年9月に日本人のブラジル音楽愛好者グループとリオデジャネイロの彼のスタジオを訪問した際も大歓迎、なんと参加者の歌の伴奏までして頂けました。こういったフレンドリーで気さくな性格だからからこそ、ボサノヴァのような音楽が誕生したのだと思います。

さて、ここでひとつお知らせがあります。彩流社さんより次作の執筆依頼がありました!!(ありがとうございます!!)再度ブラジル音楽に関するネタを中心に、『ボサノヴァの真実』よりも初心者の方に分かりやすく少々敷居を低く、またブラジルを身近に感じ実際に行ってみたくなる内容にしたいと思っています。詳細は年末頃に発表、刊行は来年2月を予定しています!!

10年来の友人でありポルトガル語講師の荒井めぐみさんの初著作『ブラジル・ポルトガル語文法 実況中継』も無事発刊され、盛り上がりを見せるブラジル界隈。来年のワールドカップ、2016年のオリンピック開催まで、ブラジル・ブームを盛り上げていきましょう!!

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写真:リオデジャネイロにあるホベルト・メネスカルのスタジオを日本人ブラジル音楽愛好者グループと共に訪問した時のワンショット。この模様はテレビ番組として収録、ブラジル全土で放映された。

◉『ボサノヴァの真実 その知られざるエピソード