バロックからモーツァルトへオペラの18世紀

オペラの18世紀 バロックからモーツァルトへ

丸本 隆 編, 伊藤 直子 著, 倉敷 武 著, 中野 京子 著, 長谷川 悦朗 著, 濱野 智子 著, 松尾 直美 著
A5判 / 358ページ / 並製
定価:2,800円 + 税
ISBN978-4-88202-838-3(4-88202-838-7) C0073
奥付の初版発行年月:2003年12月 / 書店発売日:2003年12月12日
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内容紹介

「モーツァルトが我々を忘れられた存在にしてしまうだろう……」

18世紀、オペラ文化が華々しく開花した時代。
モーツァルト以前、そして同時代のドイツ系作曲家15人に光を当て、〈18世紀のオペラ〉の魅力を発掘!
作曲家の生涯、時代背景や都市との関連、代表的なオペラ作品を「人物相関図」とともに紹介する。

▼本書に主役として登場する15人の作曲家と作品▼
フックス《月桂樹に変身したダフネ》
ペープシュ《乞食オペラ》
カイザー《クロイソス》
テーレマン《ピンピノーネ》
ヘンデル《ジュリアス・シーザー》
ハッセ《抜け目のない女中》
グラウン《クレオパトラとシーザー》
ホルツバウアー《シュヴァルツブルクのギュンター》
グルック《中国の皇女たち》
G. A. ベンダ《ローメオとユーリエ》
ヒラー《姿を変えられた女房たち》
ガスマン《伯爵令嬢》
ハイドン《哲学者の魂》
J. C. バッハ《ゴールのアマディ》
ディッタースドルフ《医者と薬剤師》

▼作曲家別主要オペラ作品一覧/関連年表/地図(17世紀中頃のヨーロッパ)/オペラ人物相関図付

版元から一言

(社)日本図書館協会 選定図書

著者プロフィール

丸本 隆(マルモト タカシ)

早稲田大学法学部教授、東京音楽大学非常勤講師。専攻は演劇学(とくにドイツを中心とする西洋の演劇・オペラ文化)。
著書に『ドイツの笑い・日本の笑い——東西の舞台を比較する』(共著、松本工房)、『ブレヒト——叙事的演劇の発展』(「ドイツ文学研究叢書5」共著、クヴェレ会)など。
論文に「全能の総監督と民主的コントロール?——制度的側面からみたドイツ演劇」(日本独文学会『ドイツ文学』)、「ドイツ演劇制度の研究」1-5(早大法学部『人文論集』)など。
翻訳に『ブレヒト作業日誌』(全四巻、共訳、河出書房新社)、ブレヒト『肝っ玉おっ母と子供たち』(劇団「無名塾」上演台本)など。

伊藤 直子(イトウ ナオコ)

国立音楽大学、中央大学などで非常勤講師。専攻は近代ドイツ文学(おもに世紀転換期)。論文に「R.ヴァルザーのビール時代の詩について」「北のバロック——ハンブルク・オペラの60年」(『国立音楽大学研究紀要』)など。訳書に『図説 世界シンボル事典』(共訳、八坂書房)、『血のバセーナ』(「現代ウィーン・ミステリー・シリーズ9」、共訳、水声社)。

倉敷 武(クラシキ タケシ)

早稲田大学大学院文学研究科博士前期課程修了。同大学大学院文学研究科博士後期課程在学中、死去。専攻はモーツァルトを始めとするドイツ語圏音楽劇。論文に「『魔笛』解釈について」「音楽劇を〈捉える〉ということについて——『魔笛』の受容を例として」(早稲田大学ドイツ文学専攻『ANGELUS NOVUS』)など。

中野 京子(ナカノ キョウコ)

早稲田大学、明治大学、洗足学園大学で非常勤講師。専攻は19世紀ドイツ文学、オペラ、バロック美術。日本ペンクラブ会員。著書に『情熱の女流「昆虫画家」——メーリアン』(講談社)、『恋に死す』(清流出版社)、『かくも罪深きオペラ』『紙幣は語る』(洋泉社)、『オペラで楽しむ名作文学』(さえら書房)など。訳書に『巨匠のデッサンシリーズ——ゴヤ』(岩崎美術社)、『訴えてやる!——ドイツ隣人間訴訟戦争』(未来社)など。

長谷川 悦朗(ハセガワ エツロウ)

早稲田大学、東京電機大学、跡見学園女子大学で非常勤講師。専攻は18世紀ドイツ語圏演劇・音楽劇。論文に「ヴァーグナーのドラマ理論において音楽が担う語り手としての役割——ゲーテとシラーのジャンル詩学を超えて」(『日本演劇学会紀要』)、「Schrift, Spiel und Schauspielkunst. —Zu Lessings Lustspiel Minna von Barnhelm"(ドイツ語、『ワセダ・ブレッター』)など。"

濱野 智子(ハマノ トモコ)

上野学園大学音楽学部、早稲田大学などで非常勤講師。専門は演劇学(とくにドイツ語圏を中心とする西洋の演劇)。翻訳家。(東京都)北区民混声合唱団所属。訳書にJ. ゼールケ『女たちは書く——ドイツ・オーストリア・スイス現代女性作家の素顔』(共訳、三修社)、H. ヤンゼン編『七十年の友情』(共訳、スリー・エー・ネットワーク)など。

松尾 直美(マツオ ナオミ)

武蔵野音楽大学助教授。専攻はドイツ文学。日本翻訳家協会理事。日本ペンクラブ会員。論文に「ドイツ詩にみる旅の軌跡、ヴィルヘルム・ミュラーの冬の旅」、「メンデルスゾーン家の人々と19世紀ドイツ文学、ファニー・ヘンゼルの歌曲作品と詩人たち」(『武蔵野音楽大学研究紀要』)など。訳書に『華麗な生涯、アルマ・マーラー』(共訳、音楽の友社)、夢人館シリーズ『旅のスケッチ画家、メンデルスゾーン』(岩崎美術社)など。同人詩誌にドイツ、オーストリア現代詩訳掲載。ドイツ、オーストリアおよび中国など、諸外国の子供たちの詩を掲載している、子供たちのための詩誌『こだま』共同出版(年2回)、詩誌『メシエ』同人。

目次

■序章 バロックからモーツァルトへ
1 空白の時代?
〔揺籃期オペラから宮廷のパフォーマンスへ/イタリア・オペラのヨーロッパ制覇/ジャンルの多様化と国民オペラの萌芽〕
2 「発掘作業」の意味
〔リブレットの「リサイクル」と音楽の「使い捨て」/時代の隔絶による違和感?/こびりついた否定的イメージ/隠された魅力の「発掘」〕
3 「ドイツ」というキーワード
〔ドイツ系作曲家の台頭/イタリア・オペラの担い手=ドイツ系作曲家たち/ドイツ・オペラの成長とモーツァルト〕

■《節操と剛毅》を守り通した宮廷音楽家……ヨハン・ヨーゼフ・フックス
ヴィーンで開花した農家の息子/宮廷バロックのただなかで/《月桂樹に変身したダフネ》/「教会向きの」祝祭オペラ/良き家庭人、良き宮廷人として生きる

■《乞食オペラ》と三人目のジョン……ヨハン・クリストフ・ペープシュ
ペープシュの(?)《乞食オペラ》/ヨハンからジョンへ/ジョン・ゲイの戯曲あるいはリブレット/《乞食オペラ》の衝撃と波紋/そして最後に笑ったのは

■ハンブルク・オペラ「黄金時代」の立役者……ラインハルト・カイザー
ハンブルク・デビューへ/鵞鳥市場の歌劇場/ハンブルクでの栄光と挫折/ドイツ語オペラと台本作家たち/《クロイソス》/肖像画よりもアリアを

■音のマルチ・クリエーター……ゲオルク・フィーリプ・テーレマン
テーレマン流音楽武者修行/ドイツ諸都市を駆けめぐる/ハンブルク・オペラを立て直す/《ピンピノーネ》/ハンブルク・オペラの最後とテーレマンの晩年

■ロンドンで花開いた「ドイツ系」イタリア・オペラ……ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル
宮廷からの「逃走」/王立音楽アカデミーとわがままな歌手たち/《ジュリアス・シーザー》/永遠のオペラ・セーリア

■モーツァルトに道を譲った「時代の寵児」……ヨハン・アードルフ・ハッセ
プロイセンかザクセンか/イタリア・オペラの寵児とイタリアの歌姫/「モーツァルトが我々を忘れられた存在にしてしまうだろう……」/《抜け目のない女中》

■大王とともに歩んだオペラ人生……カール・ハインリヒ・グラウン
リンデン・オペラの幕開き/フリードリヒ大王の夢/大王の「オペラ友達」/《クレオパトラとシーザー》/「ここでは私が王なのです!」

■マンハイムの星はきらめく……イグナーツ・ヤーコプ・ホルツバウアー
ヴィーン独学からイタリア武者修行へ/飛躍への足がかり/輝けるマンハイム/イタリア風ドイツ語音楽劇《ギュンター》/輝きを失ったマンハイム

■オルフェウスの旅人……クリストフ・ヴィリバルト・グルック
ビアボンを抱えたボヘミアン/マリーア・テレージア治下のヴィーン宮廷で
「フランス支配」から改革オペラへ/パリに乗り込む/ヴィーンでの最期/「騎士グルック」の虚像と実像

■そして誰も死ななかった『ロミオとジュリエット』……ゲオルク・アントーン・ベンダ
現代まで続く音楽家の家系/フランツとゲオルク/ゴータ宮廷に舞い降りたエクホーフ/メロドラムとジングシュピール/《ローメオとユーリエ》あるいはハッピーエンドの理由

■歌に生き、啓蒙に生き……ヨハン・アーダム・ヒラー
生粋のザクセン人/「ザクセンの小パリ」/ジングシュピール《姿を変えられた女房たち》/啓蒙の申し子

■音楽家を演じた祝祭の旅路の果て……フローリアーン・レーオポルト・ガスマン
旅する音楽家/グルックの衣鉢とゴルドーニの洗礼/故国の都ヴィーンへ/オペラ・ブッファ《伯爵令嬢》/ガスマンの遺産

■時代の狭間で書かれたもうひとつの《オルフェーオ》……フランツ・ヨーゼフ・ハイドン
「復活」するハイドン/評価されなかったハイドン/《哲学者の魂》の場合/二つの時代を生きたハイドン

■大バッハの18番目の子供……ヨハン・クリスティアン・バッハ
偉大な父ゼバスティアンと子供たち/「ミラーノのバッハ」の誕生/王妃の音楽指南役「ロンドンのバッハ」/コンサートの協力者アーベルとグラッシ/最後のオペラ《ゴールのアマディ》

■フィガロをおしのけた《医者と薬剤師》……カール・ディッタース・フォン・ディッタースドルフ
ハイドンの後輩として/モーツァルトのライバル/《医者と薬剤師》/誰のために書くか/死後の名声を信じて

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