“憎しみをもって過去を振り返るんじゃないのさ!” 自らのルーツを求めて、奴隷であった祖先の歴史を探り、プランテーションノースキャロライナ州“サマセット”の生活とゆかりの人々の絆を現在に蘇らせる旅! 「向こう岸に渡してくれる橋を讃えよ」という、私たち黒人が古くから言い習わしてきた言葉がある。アレックス・ヘイリーの『ルーツ』に啓発されて自分のルーツを探しはじめてから11年、それが1986年にサマセットプレイスへの里帰りという催しとなって実を結ぶまで、私は実に多くの川を渡らせてもらった。──と著者が「謝辞」で述べているように、ルーツ探しの旅は思いもかけぬ長旅となる。読者は、著者が現在から過去へ、そして再び現在へと辿った、自分探しのノンフィクションの世界に思わず引き込まれることだろう。歴史の魅力、人と人の絆の豊かさ、癒し、生きる力がそこに漂う。
(社)日本図書館協会 選定図書
Drothy Spruill Redford。1943年ノースキャロライナ州コロンビアに生まれる。3歳から11歳ころまでの8年間ニューヨーク市の伯父夫婦に預けられる。高校卒業後1960年代前半を再びニューヨーク市で暮らし、その間に未婚の母となる。1965年夏、娘デボラとともに南部にもどり、やがてヴァージニア州の福祉業務に携わる。現在、ノースキャロライナ州史跡管理室に所属し、史跡サマセットの主任としてその充実に尽力している。
1950年三重県に生まれる。現在、共立女子大学国際文化学部教授。文学博士。著書に、『アメリカ黒人と北部産業ー戦間期における人種意識の形成ー』(彩流社、1997)、訳書に『アメリカ黒人姉妹の一世紀ー家族・差別・時代を語るー』(彩流社、2000)がある。
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