ブラジル版、“失われた時を求めて”!ブラジル北東部の広大な砂糖園を舞台に、母の死の悲しみ、身体への不安と苦痛、性への衝動…。失われし幼年時代の想い出をプルースト流に描く自伝的小説の傑作。本邦初訳。「本書、『砂糖園の子』を含めた、『やんちゃ』、『バングー』、『黒人少年リカルド』、『製糖工場』および『消えた火』の六編は、レーゴ自身が称した《砂糖黍連作》に当たる。いずれもブラジル北東部の家父長的、封建体制の基盤が揺るぎ始めた斜陽期における砂糖園を描いた長編の大河小説である。『砂糖園の子』はその導入部を成す。作品は三人称で書かれているものの、自伝的要素が大きい。そして、《砂糖黍連作》をいわば統合した作品と解されているこの連作の棹尾を飾る『消えた火』と並んで、最高傑作と言われる。」(本書「ジョゼー・リンス・ド・レーゴの『砂糖園の子』の世界」より)
ブラジル文学 ラテンアメリカ文学
Rego Cavalcanti, José Lins do 【1901-1957】。
1948年 阿蘇(熊本)生まれ。京都外国語大学大学院修士課程修了。ブラジル文学、ブラジル民族文化論、専攻。現在、京都外国語大学教授、大阪府外国人相談員。著訳書に『社会の鏡としてのブラジル文学 文学史から見たこの国のかたち』(田所 清克・伊藤 奈希砂 著、国際語学社、2008年)、『ブラジルポルトガル語手紙の書き方』(伊藤 奈希砂との共著、国際語学社、2007年)、『ポルトガル語の会話エッセンス』(野中 モニカとの共著、三修社、2007年)、『悲しい物語』(アルナルド・ニスキエル著、嶋村 朋子との共編訳、国際語学社、2007年)、『すぐにつかえるポルトガル(ブラジル)語−日本語−英語辞典』(岐部 雅之との共編、国際語学社、2007年)、『ネイティブもうなるブラジル・ポルトガル語会話の本』(伊藤 奈希砂との共著、国際語学社、2007年)、『ブラジル北東部の風土と文学』(金寿堂出版、2006年)、 『アミーゴたちのことば ブラジル・ポルトガル語』(山本 アケミ・岐部 雅之との共著、金壽堂出版、2006年)、『ポルトガル語重要基本構文275』(三修社、2006年)、 『「図と表で整理する」ブラジル・ポルトガル語文法』(伊藤 奈希砂との共著、国際語学社、2006年)、 『らくらくブラジル・ポルトガル語文法+演習問題』(伊藤 奈希砂との共著、国際語学社、2005年)、『愛詩てる僕のブラジル抒情歌』(金壽堂出版、2004年)、 『現代ポルトガル文法』(伊藤 奈希砂との共著、白水社、2004年)、『ポルトガル語重要基本構文275』(三修社、2004年)、『パンタナルの冒険』(アルナルド・ニスキエル著、ヴィクトール・ユゴー画、田所 清克訳、国際語学社、2003年)、 『新・教育現場のポルトガル(ブラジル)語』(国際語学社、2003年)、『ブラジル・ポルトガル語文法の世界』(青木 義道との共著、国際語学社、2003年)、『すぐにつかえる日本語−ポルトガル(ブラジル)語−英語辞典』(岐部 雅之共編、国際語学社、2002年)、 『まずはこれだけポルトガル(ブラジル)語』(岐部 雅之との共著、国際語学社、2002年)、『カカオ』(ジョルジェ・アマード著、田所 清克訳、彩流社、2001年)、『ブラジル学への誘い』(世界思想社教学社、2001年)、『ゼロから始めるブラジル・ポルトガル語』(伊藤 奈希砂との共著、三修社、2000年)、『砂糖園の子』(ジョゼー・リンス・ド・レーゴ著、田所 清克訳、彩流社、2000年)、『ブラジル文学事典』(伊藤 奈希砂との共編著、彩流社、2000年)、『ブラジル・ポルトガル語早わかり カセットハンディ』(三修社、1998年)、『メモ式ブラジル・ポルトガル語早わかり』(伊藤 奈希砂との共著、三修社、1998年(同年…新版)2000年、2001年)、『イラセマ』(ジョゼー・デ・アレンカール著、田所 清克訳、彩流社、1998年)、『メモ式ブラジル・ポルトガル語早わかり』(伊藤 奈希砂との共著、三修社、1997年)『C ブラジル・ポルトガル語早わかり カセットブック』(三修社、1995年)、 『メモ式ブラジル・ポルトガル語早わかり』(伊藤 奈希砂との共著、三修社、1994年)、 『ポルトガル・ブラジル語会話日常のコミュニケーション』(国際語学社、1993年)、 『MIR方式 ポルトガル語長文読解教室』(国際語学社、1993年)、『ブラジリア』(ブラジル文学研究資料館編、国際語学社、1993年)、『郷愁ポルトガル』(泰流社、1993年)、『らくらくポルトガル(ブラジル)語文法+会話』(平井 正朗との共著、国際語学社、1992年)、『教育現場のポルトガル語』(伊藤 奈希砂との共著、泰流社、1992年)、『コミュニケーションのブラジルポルトガル語表現』(国際語学社、1991年)、『ブラジル』(泰流社、1990年)などがある。
2009 年 6 月 9 日 2:41 PM
日本人にはなじみの薄いブラジル文学の名作を数多く翻訳されていることに対して、心から敬意を表します。しかしながら、この作品については、誤訳が多く、原文の味わいを大きく損なっています。例)p10 その貧しい女は、私には何のことか分からないことを他の人たちにいいながら、 → その貧しい女は、私が人見知りをしたのだと他の人にいいながら、(A pobre saiu espantada, dizendo para os outros que eu a tinha estranhado. 動詞”"estranhar”"(人見知りをする)の意味の取り違い。人称代名詞目的格a=その貧しい女ということが分かれば、誤訳することはありえない。) 他にも誤訳、翻訳漏れの箇所が散見されます。ポルトガル語は難解な言語で、私を含め、大学で専攻した者にとっても、日本語訳をするのは非常に困難で、翻訳の大変さは理解できますが、出版する以上、出来るかぎり、誤訳の無いように細心の注意を払ってほしいと願います。
福田誠 / 公文教育研究会 母国語教材開発部 ポルトガル語スペイン語チーム
2009 年 6 月 12 日 10:38 AM
>福田誠様
連絡遅くなりましたが、コメント拝見いたしました。
「砂糖園の子」に対する貴重なご指摘ありがとうございました。
訳者にもお伝えいたします。
再版の機会にはご意見を反映するようにいたします。
今後ともよろしくお願いいたします。
彩流社 茂山