物語る海、響き合う言葉トランスパシフィック・エコクリティシズム

トランスパシフィック・エコクリティシズム 物語る海、響き合う言葉 TRANSPACIFIC ECOCRITICISM : Narrating Ocean and Echoing Words

伊藤 詔子 編著, 一谷 智子 編著, 松永 京子 編著
A5判 / 360ページ / 上製
定価:3,800円 + 税
ISBN978-4-7791-2614-7 C0098
奥付の初版発行年月:2019年09月 / 書店発売日:2019年09月17日
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内容紹介

環太平洋地域を中心に展開する環境にかかわる
文学と文化について、テクスト・自然・社会との
関係を考察する、エコクリティシズムの論文集。

アメリカ、台湾、ブラジル、イギリス、オーストラリアなど
環太平洋をフィールドとする世界のエコクリティクにも
呼び掛けて、太平洋を横断・縦断する文学を論じ、
エコクリティシズムの重層性、新たな潮流を生み出す
国際企画!

核兵器の製造・使用、原子力発電へと至る核問題、
化学物質汚染、気候変動・地球温暖化、天然資源の枯渇や
動植物相が晒されている絶滅の危機に直面する「環境の世紀」を
多方面から論じる。

著者プロフィール

伊藤 詔子(イトウ ショウコ)

広島大学名誉教授。専門はアメリカ文学、環境文学、核文学。

単著に『ディズマル・スワンプのアメリカン・ルネサンス──ポーとダークキャノン』(音羽書房鶴見書店、2017)、『はじめてのソロー──森に息づくメッセージ』(NHK 出版、2016)、『よみがえるソロー』(柏書房、1998)、『アルンハイムへの道』(桐原書店、1987)。共著に「オバマのヒロシマ・スピーチを聴く」『アメリカン・マインドの音声』(小鳥遊書房、2019)、“Gothic Windows in Poe’s Narrative Space.” Poe’s Pervasive Influence(Le High UP, 2012)、事典記事に“American Nuclear Literature on Hiroshima and Nagasaki”(Oxford Research Encyclopedia, 2017)、訳書にT. T. ウィリアムス『大地の時間──アメリカの国立公園、わが心の地形図』(彩流社、2019)他。

一谷 智子(イチタニ トモコ)

西南学院大学教授。専門はオーストラリア文学、環境文学、核文学。

共著に「核時代の到来を予言した作家──H. G. ウェルズ『解放された世界』からヒロシマへ」『架空の国に起きる不思議な戦争──戦場の傷とともに生きる兵士たち』(開文社出版、2017)、「燃えゆく世界の未来図──マリー・クレメンツの劇作にみるグローバルな環境的想像力」『エコクリティシズムの波を超えて──人新世の地球を生きる』(音羽書房鶴見書店、2017)、“Negotiating Subjectivity: Indigenous Feminist Praxis and the Politics of Aboriginality in Alexis Wright’s Plains of Promise and Melissa Lucashenko’s Steam
Pigs.” Postcolonial Issues in Australian Literature(Cambria P, 2010)、論文に「核批評再考──アラキ・ヤスサダのDoubled Flowering」『英文学研究』89 巻(2012)、訳書にケイト・グレンヴィル『闇の河(オーストラリア現代文学傑作選)』(現代企画室、2015)他。

松永 京子(マツナガ キョウコ)

神戸市外国語大学准教授。専門は北米先住民文学、核・原爆文学、環境文学。

単著に『北米先住民作家と〈核文学〉──アポカリプスからサバイバンスへ』(英宝社、2019)。共編著に『エコクリティシズムの波を越えて──人新世の地球を生きる』(音羽書房鶴見書店、2017)、共著に『〈原爆〉を読む文化事典』(青弓社、2017)、“Radioactive Discourse and Atomic Bomb Texts: Ōta Yōko, Sata Ineko, and Hayashi Kyōko.” Ecocriticism in Japan (Lexington Books, 2017)、 “Bridging Borders: Leslie Marmon Silko’s Cross-Cultural Vision in the Atomic Age.” Critical Insights: American Multicultural Identity(Salem P, 2014) 他。

目次

まえがき
トランスパシフィック・エコクリティシズムの航路を拓く
(伊藤詔子)

序――トランスパシフィックな想像力と
経験のエコクリティシズム
(スコット・スロヴィック/城戸光世訳)

    Ⅰ  太平洋を横断する語り手たち

1 閃光とゴースト――更新する〈ヒロシマナラティヴ〉
(伊藤詔子)
2 環太平洋の地図を紡ぐ足跡
――ナナオ サカキと文学的伝統
(塩田弘)
3 フォークナー、三島、莫の自然・文化・ジェンダーの表象
(クリストファー・リーガー/松岡信哉訳)
4 ディヴィッド・マス・マスモト、フード・ポルノ、
食運動の政治学
(セレナ・チョー/水野敦子訳)
5 海を越えたエコモンスター――ゴトーの『カッパの子ども』
における種とセクシュアリティの交錯
(岸野英美)
6 収容所をめぐる三つのテキスト――カレン・テイ・ヤマシタ
の『記憶への手紙』におけるポストコロニアルポリティックスの攪乱
(牧野理英)

    Ⅱ  気候変動、エコディストピア、アクティヴィズム

7 気候の暴力、抵抗の精神――チャンネ・リー『その満潮の海に』
とルイーズ・アードリック『生ける神の未来の家』
(マイケル・ゴーマン/松永京子訳)
8 気候変動の遅い暴力と新たなドリーミングの創出
――アレクシス・ライトの『スワン・ブック』にみる
貧者の環境主義
(一谷智子)
9 人新世と向き合う演劇――マラゲクの『空を切る』
(ヘレン・ギルバート/一谷智子訳)
10 マーシャル諸島から太平洋を越えて
――キャシー・ジェトニル=キジナーとロバート・バークレー
による戦争・核/ミサイル実験・地球温暖化の表象
(小杉世)
11 極北の化学物質汚染――狩猟採集民の自然観を理解する
(林千恵子)
12 ブラジル文化における環境主義
――女性、インターネット、コーデル文学
(セリア・ボラ/吉田美津訳)

    Ⅲ  環太平洋圏の核表象

13 クジラと原子炉――世界の捕鯨文学からの批評的視座
(湊圭史)
14 「ナガサキ」を語り直す
――スーザン・サザード『ナガサキ 核戦争後の人生』
(高田とも子)
15 終わりの後に
――ポストアポカリプス小説とトランスパシフィックな想像力
(松岡信哉)
16 ジョナサン・フランゼンの『ピューリティ』における
核とリアリズム
(川村亜樹)
17 ダグラス・コープランド文学における閃光・爆発・きのこ雲
――世代論としての核表象からエネルギー問題の啓発へ
(荒木陽子)
18 オクトジラ、海を渡る――循環するウランの物語
(松永京子)
19 身体的フィールドワークと危険な芸術
――ピーター・ゴインと核の風景の制作
(シェリル・グロットフェルティ/伊藤詔子訳)

関連書

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