ドストエフスキーの視線からロシア・ナショナリズムの深層

ロシア・ナショナリズムの深層 ドストエフスキーの視線から

植田 樹 著
A5判 / 306ページ / 並製
定価:2,800円 + 税
ISBN978-4-7791-2563-8 C0022
奥付の初版発行年月:2019年02月 / 書店発売日:2019年02月28日
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内容紹介

現代ロシアの
沸騰するナショナリズムの本質を
ドストエフスキーから読み解く!

ソ連崩壊後の混乱と怒りと屈辱感は、
最近の力によるクリミアの併合やウクライナへの介入、
トルコやシリアへの軍事的支援など、
今から150年前のクリミア戦争の敗北から農奴解放、
革命へと向かう一大転換期の時代と類似点が極めて多い。

ドストエフスキーは19世紀後半のこの時期、
『カラマーゾフの兄弟』などの大作の執筆の傍ら、
雑誌に連載した『作家の日記』の評論で、
スラヴ派の論客として政治、社会評論家として
精力的に活動したが、
その主張や当時の対ヨーロッパについての屈折した視点や感情は、
現代のロシアの行動を理解する上では不可欠である。
また付録の「ペトラシェフキー事件」は
ロシアの知識人に共通する思想的骨格であり、
今日に至るロシア人の独特の心理的背景を理解する好材料である。

本書は、プーチンに率いられる
現代ロシアの強力なナショナリズム、
大国意識の底にあるスラブ主義の本質に迫るものとなっている。

著者プロフィール

植田 樹(ウエダ シゲル)

うえだ しげる。
1940年生まれ。東京外国語大学ロシア科卒業。
日本放送協会(NHK)に記者として入局。
元モスクワ特派員、ニューデリー特派員、
ワルシャワ移動特派員、テヘラン移動特派員、解説委員。
元・日ロ交流協会 顧問、副会長。
著訳書に
『カーター回顧録』(共訳、持田直武 他訳、
日本放送出版協会、1982年)、
『新・ロシア人 上・下』(共訳、ヘドリック・スミス 著、
飯田健一 監訳、日本放送出版協会、1991年)、
『最後のロシア皇帝  ちくま新書』(植田樹 著、
筑摩書房、1998年)、
『コサックのロシア  戦う民族主義の先兵』
(植田樹 著、中央公論新社、2000年)、
『チェチェン大戦争の真実 イスラムのターバンと剣』
(植田樹 著、日新報道、2004年)、
『キャラバン・サライのロシア  歴史・民族・地政学 上・下
 ユーラシア選書8・9』(植田樹 著、東洋書店、2008年)、
『ロシアを動かした秘密結社 フリーメーソンと革命家の系譜』
(植田樹 著、彩流社、2014年)、
『諜報の現代史 政治行動としての情報戦争』
(植田樹 著、彩流社、2015年)、
『デーモンの画家ミハイル・ヴルーベリ
 その生涯と19世紀末ロシア』(植田樹 著、彩流社、2016年)
などがある。

目次

まえがき

第一部 沸騰するロシア・ナショナリズムのマグマ

 1 ソビエト連邦の崩壊

 2 チェチェン人との戦い

第二部 爆発するロシア・ナショナリズム

 1 モルドヴァの沿ドニエストル共和国

 2 グルジア(ジョージア)のアブハジアと南オセチア

 3 クリミア併合とウクライナ

 4 歴史的背景──兄弟の骨肉の争い

第三部 ロシア・ナショナリズムの源流

 1 領土に固執する民族の遺伝子

 2 ロシア・ナショナリズムの形成

 3 西方派とスラヴ派の対立軸

 4 民族統合の国家理念と体制

第四部 ドストエフスキーとロシア・ナショナリズム

 1 一九世紀後半の東方問題

 2 ドストエフスキーと『作家の日記』

 3 ドストエフスキーの評論① ロシアの正義

 4 評論② 正教とナショナリズム

 5 評論③ 愛国心とナショナリズム

 6 評論④ 西ヨーロッパとの対立と不信感

 7 評論⑤ 戦争論

 8 評論⑥ ヨーロッパとロシア

 9 評論⑦ ロシア人について

 10 ロシアの知識人

 11 プーシキン記念講演──和解をめざして

 12 国家と民

 13 民衆の魂

第五部 付録:ペトラシェフスキー事件
──ロシア思想史の断章

 1 ロシア民族の進むべき道をめぐって

〈ペトラシェフスキー事件〉〈ベリンスキーとゴーゴリ〉
〈『友人たちとの往復書簡の抜粋』〉
〈「ゴーゴリからベリンスキー宛ての手紙―
 一八四七年六月二〇日」〉
〈「ベリンスキーからゴーゴリ宛ての手紙―
 一八四七年七月一五日」〉
〈「ゴーゴリからベリンスキー宛ての手紙―
 一八四七年八月」〉

 2 ドストエフスキーの弁明と真相

〈ドストエフスキーの上申書〉〈嘘と真実〉
〈事件の真相〉〈回想──真実の告白〉

あとがき

関連書

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