アジア・太平洋戦争と共産主義陰謀説終戦と近衛上奏文

終戦と近衛上奏文 アジア・太平洋戦争と共産主義陰謀説

新谷 卓 著
A5判 / 447ページ / 上製
定価:4,500円 + 税
ISBN978-4-7791-2249-1 C0021
奥付の初版発行年月:2016年08月 / 書店発売日:2016年08月31日
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内容紹介

多くの謎を含み、様々に解釈されてきた「近衛上奏文」を
現代史に位置付ける労作!

 「満州事変・支那事変を起し、これを拡大し、遂に
大東亜戦争にまで導いたのは、
軍や政府にもぐり込んだ「国体の衣を着けたる共産主義者」
や彼らを背後で操っている国際共産主義者であり、
彼らは、日本を戦争へ誘導することによって社会を混乱させ、
これに乗じて共産主義革命を起こそうとしている。
国体を揺るがすのは、敗戦ではなく共産主義革命である。
英米は国体の変更まで考えておらず、一刻も早く英米との
戦争終結の方策を探るべきである。もともと米英および重慶の
目標は日本軍閥の打倒にあり、その軍部内に潜り込んだソ連と
結びつく「かの一味」を一掃し、その政策が改まれば、
英米も戦争の終結を考慮するにちがいない。
此一味を一掃し、軍部の建直しの実行こそが、
共産革命より日本を救う前提、先決条件である」。

 昭和20年2 月14 日、近衛文麿が天皇に上奏した文章は
驚くべきものだった。
これに関しては様々な意見──妄想説、陰謀説、賛否両論
──が出されてきた。
しかし、戦後70年余を経、
共産主義の幻影に脅えることの無い現在、
やっとその真相が、明らかになることとなった。

著者プロフィール

新谷 卓(アラヤ タカシ)

あらや たかし
明治大学大学院博士後期課程修了、博士(政治学)。
著書等に
『冷戦とイデオロギー 一九四五~一九四七
──冷戦起源論の再考』つなん出版、2007年(単著)、
『比較外交政策──イラク戦争への対応外交』
明石書店、2004年(共著)、
『55年体制の政治──一九五五~一九六四』
つなん出版、2005年(共編著)、
『クラウゼヴィッツと「戦争論」』
彩流社、2008年(共著)ほか。

目次

〔収録目次〕
序 章

近衛上奏文とは╱戦後の共産主義陰謀説 他

第一章 共産主義陰謀説のルーツ満州

第1節 陸軍赤化説の火付け役
第2節 鮎川義介と殖田俊吉
第3節 五カ年計画
第4節 石原莞爾と左翼
第5節 宮崎正義とマルクス主義
第6節 浅原健三と陸軍の赤化
第7節 「アカ」と呼ばれた満州派の軍人達

第二章 新体制運動と「アカ」批判

第1節 新体制運動
第2節 第二次近衛内閣の「基本国策要綱」
第3節 小泉吉雄と関東軍爆破計画
第4節 新体制運動アカ批判

第三章 企画院事件と尾崎・ゾルゲ事件

第1節 企画院事件
第2節 尾崎・ゾルゲ事件

第四章 ソ連情報と反共主義の拡大

第1節 観念右翼・平沼騏一郎
第2節 『外交時報』主宰・半澤玉城の講演
第3節 ロシア通ジャーナリスト・
布施勝治のソ連報告
第4節 真崎勝次の日本主義
第5節 法曹界における共産主義の脅威

第五章 近衛文麿と陸軍赤化説

第1節 木戸幸一宛 昭和十八年一月の
近衛書簡
第2節 近衛・小林躋造会談
第3節 革新案を見せた殖田俊吉

第六章 東條内閣打倒と陸軍赤化説

第1節 戦時中の近衛の情報ルート
第2節 共産主義の恐怖と重臣の倒閣工作
第3節 東條辞職とバドリオ

第七章 「近衛上奏文」

第1節 近衛にもたらされていたソ連情報
第2節 ソ連への傾斜
第3節 「近衛上奏文」に至る経過
第4節 「近衛上奏文」
第5節 天皇の御下問
第6節 対ソ特使派遣の経過

第八章 陸軍による赤化説批判

第1節 池田純久と資本主義批判
第2節 池田の近衛批判
第3節 大谷敬二郎の陸軍赤化説批判

終章――共産主義陰謀史観を考える

世界認識と陰謀説
共産主義とファシズムの類似性
戦争経済と社会主義経済
コミンテルンの影響力 他

補論 反共産主義の二十世紀

あとがき

年表
 
人名索引

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