オスカー・ワイルドにおける倒錯と逆説

オスカー・ワイルドにおける倒錯と逆説

角田 信恵 著
四六判 / 279ページ / 上製
定価:2,800円 + 税
ISBN978-4-7791-1898-2 C0098
奥付の初版発行年月:2013年05月 / 書店発売日:2013年05月22日
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内容紹介

「思考の領域における逆説であったものは、情熱の領域における倒錯となった」
――『深淵より』(同性の恋人、アルフレッド・ダグラスへのワイルドの手紙より)

同性愛者として知られるオスカー・ワイルド(1854-1900)。

1980年代後半から盛んになったゲイ・クイア批評とともに、ワイルドのセクシュアリティはテクスト読解に欠かせない要素とみなされるようになった。

本書は散文作品全体を取り上げ、テクストの構造と彼のセクシュアリティの構造を関連づけ、「性の政治学」の側面からテクストを分析する。

著者プロフィール

角田 信恵(ツノダ ノブエ)

岐阜聖徳学園大学外国語学部教授。
日本ワイルド協会理事。

目次

はじめに

第I部 ワイルドを読むために
   あえてその名を名のりえぬ愛
   自然に背く悪徳から重大猥褻行為へ
   「語りえぬ罪」を語る
   制度と快楽のせめぎあい
   スパルタ人のように暮らし、アテナイ人のように語る
   セクシュアリティの商品化
   仮面の哲学
   アイルランド人の男という逆説
   欲望と構造
   欲望とテクスト
   倒錯と逆説

第II部 同性愛者の結婚
     ──『アーサー・サヴィル卿の犯罪、その他の物語』
   『アーサー・サヴィル卿の犯罪、その他の物語』の時代
   黄色と緑

第一章 「カンタヴィルの幽霊──物心論的ロマンス」――同性愛者が父になる
   幽霊物語の破綻
   クイアな幽霊
   クイアなアメリカ人
   ヴァージニアの幽霊退治
   エメラルドグリーンの血
   精液の経済学、もしくは赤いルビー
   生きている幽霊
   クローゼットの骸骨
   レイプされる女たち

第二章 「アーサー・サヴィル卿の犯罪」――義務としての結婚
   義務としての殺人
   父殺しの殺害
   ヴェネツィアの休日
   父の欲望
   義務としての結婚
   同性愛者が父になる

第三章 「謎のないスフィンクス」――女が殺される
   ワイルドと「新しい女」
   スフィンクスは「新しい女」である
   エディプスが退治される
   ホモセクシュアルの男の生成
   女が殺される
   もう一枚のエッチング
   『女の世界』誌におけるジェンダー・イデオロギー
   男と女のあいだには
   謎のないスフィンクスとすばらしいスフィンクス

第四章 「模範的な百万長者」――異形の父
   横顔をもった青年
   異形の父
   百万長者のファンタジー
   流通する横顔
   反転するテクスト
   逆向きの言説

第III部 美青年の肖像
  ──『W・H氏の肖像』と『ドリアン・グレイの画像』
   一八九〇年のオスカー・ワイルド
   “effeminate”な美青年
   美青年の画像
   クイア・エクフラシス

第一章 『W・H氏の肖像』――父の偽造
   美しい肖像画
   鏡としての『ソネット集』
   転移する欲望
   一九世紀末のダーク・レイディ
   偽造の〈父の名〉
   私生児としてのテクスト
   真正な〈父の名〉
   表象の誘惑

第二章 『W・H氏の肖像』から『ドリアン・グレイの画像』へ
   不在の絵画
   キー・テクストとしての『ソネット集』
   ウィリー・ヒューズの肖像画とドリアン・グレイの肖像画
   「本物」の肖像画
   有毒な本
   『ソネット集』としての『ドリアン・グレイの画像』

第三章 『ドリアン・グレイの画像』──遁走する肉体
   逆向きの言説
   物語と語り
   物語を知らない語り手
   語ることを拒まれる時間
   読まれることを拒むテクスト
   テクストの屋根裏
   反転するテクスト
   クイア・エクフラシス
   テクストの空隙

第Ⅳ部 緑のカーネーション
   緑のカーネーションのパフォーマンス
   緑の諸変奏
   緑のカーネーションの政治学
   快楽への欲望
   制度と快楽の共依存
   ワイルド裁判の逆説
   逆説という短剣

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