吉本隆明・大江健三郎・村上春樹文学者の「核・フクシマ論」

文学者の「核・フクシマ論」 吉本隆明・大江健三郎・村上春樹

黒古 一夫 著
四六判 / 248ページ / 上製
定価:1,900円 + 税
ISBN978-4-7791-1872-2 C0095
奥付の初版発行年月:2013年03月 / 書店発売日:2013年03月11日
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内容紹介

著名な三人の文学者は、どのように発言し行動したのか!
「文学=生命(いのち)」に関わる者としての問いかけ。
★「我々日本人は核に対する『ノー』を叫び続けるべきであった。それが僕の意見です。」
(村上春樹)★「今回、改めて根底から問われなくてはいけないのは、
人類が積み上げてきた科学の成果を一度の事故で放棄していいのか、
ということです。」(吉本隆明)
★「私はあの憂わしく沈黙した待合コーナーの人たちを思うたび、
フクシマを生き延びた日本人が、現在の五十四基に十四基以上の原発を
加えようとする勢力に、市民規模の抵抗をおこす日を考えます。」(大江健三郎)

版元から一言

(社)日本図書館協会 選定図書

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著者プロフィール

黒古 一夫(クロコ カズオ)

1945(昭和20)年12月 群馬県生まれ。法政大学大学院博士課程満期退学、 文芸評論家、筑波大学名誉教授、華中師範大学外国語学院大学院特別招聘教授。
 著書に『北村透谷論―天空への渇望』(79年 冬樹社)、『祝祭と修羅―全共闘文学論(85年 彩流社)、『大江健三郎論―森の思想と生き方の原理』(89年 同)、
『立松和平伝説』(02年 河出書房新社)、『作家はこのようにして生まれ、大きくなった―大江健三郎伝説』(03年 同)、『林京子論―「ナガサキ」・上海・アメリカ』
(07年 日本図書センター)、『村上春樹―「喪失」の物語から「転換」の物語へ』
(08年 勉誠出版)、『増補 三浦綾子論―「愛」と「生きること」の意味』(09年 柏艪社)、『「1Q84」批判と現代作家論』(11年 アーツアンドクラフツ)、『辻井喬論―修羅を生きる』(同 論創社)他多数。
 編著書に『日本の原爆文学』(全15巻 83年 ほるぷ出版)、『日本の原爆記録』(全20巻91年 日本図書センター)、他。現在『立松和平全小説』(全31巻 11年~勉誠出版)に「全巻解説」を執筆中。

目次

序にかえて――今、なぜ文学者の「核・フクシマ」論を問うのか
 1 「風化」を憂える
 2 「被害」と「加害」――『いまこそ私は原発に反対します。』
 3 「希望」は……あるか
 4 そして……

第一部 吉本隆明の原発容認論

 第一章 「反・反核」思想の再登場
 1 「原発」インタビューと『「反核」異論』
 2 「知の巨人」も近代主義者だったのか
 3 吉本隆明の科学神話=進歩史観
 4 反原発で人間は猿になる?
 5 問われているのは「倫理」である

 第二章 「反・反核」思想の歴史
 1 核兵器と原発を別けて考える論法
 2 「半科学」的知識とSF的「妄想」
 3 「時流評論家」に過ぎなかった?
 4 パラドキシカルな「思想の悲劇」  
 
第二部 大江健三郎の「反核」論

 第一章 前史――戦後文学者の「核」論
 1 荒正人・野間宏・武田泰淳
 2 大江健三郎「反核」思想の変遷

 第二章 「フクシマ」と大江健三郎
 1 「さようなら原発集会」におけるスピーチ
 2 『定義集』の意味

第三部 村上春樹の「反核スピーチ」をめぐって

 第一章 村上春樹は『ニュークリア・エイジ』『極北』の翻訳から何を学んだのか?
 1 「カタルーニャ国際賞」受賞記念講演「非現実的な夢想家として」
 2 『ニュークリア・エイジ』――核時代の恐怖
 3 『極北』――核戦争後の世界

 第二章 村上春樹発言と「反核」運動史
 1 原水禁運動
 2 文学者の反核運動
 3 再び「非現実的な夢想家として」

 第三章 村上春樹擁護の陥穽――加藤典洋の「フクシマ」論
 1 なぜ、村上春樹を擁護するのか
 2 原発問題が抱えたパラドクス
 3 「核廃棄物」の処理問題こそ、反原発の「胆」である

 あとがき
 本書で使用した文献
 索 引

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