神に仕えた女性たち―大物主の妻・倭迹迹日百襲姫、豊鍬入姫、倭姫、
宮簀姫、神功皇后―、とくに天照大神の御杖となって各地を巡幸した
豊鍬入姫と倭姫の足跡を追跡し、古代伝承に遺るさまざまな物語の
深層を探り続けた成果から導き出された“歴史ロマン紀行”の労作。
著者が今から30年前「天照大神の原像は、日影に覆われて
朱蒙の卵を生んだ河伯の女、柳花ではないだろうか」との疑問に
対する答えでもある。
あとがき
「天照大神は夫余神ではないだろうか」
「天照大神の原像は、日影に覆われて朱蒙の卵を生んだ河伯の女柳花ではないだろうか」
このように筆者が考えるに至ったのは、三十年も前のことである。
昭和五十九年の冬、筆者は、それまでの古代史研究の成果をまとめて、紀伊国屋書店大阪梅田店の総合印刷コーナーより、研究ノート『日本神話の源流——夫余・朝鮮・日本』を出版した。研究ノートでは、わが須佐之男命と高句麗始祖朱蒙の正体は兵主神(蚩尤)であると主張したのだが、その第二章「天照大神考」で、天照大神と朱蒙の母柳花の伝説を比較考察している。
それから二十年後の平成十七年の夏、天照大神の御杖となられて大神鎮座の処を求めた豊鍬入姫と倭姫の巡幸伝説地を訪ね、書き上げたのが『神につかえた女性たち——天照大神は夫余神なり』である。残念ながら、出版を引き受けてくれた碧天舎が倒産したために、この本はほとんど読者の評価を仰ぐ機会を得なかった。
それから六年間、豊鍬入姫・倭姫はじめ五人の女性の伝説地を訪ね歩き、史料を探し集めた。つねに日本民族の皇祖神である天照大神と、「神の朝廷」たる伊勢神宮の、よってきたるところを追究してきた。そしてようやく研究成果を発表することとなったのが本書である。
本書は必ず、読者の皆さんの歴史への情熱をかきたてるものと期待しています。そして必ず日本古代史の研究に一石を投じるものと確信しています。
1949年1月10日長野県松代町生まれ。
学園紛争のさなか、新潟大学人文学部経済学科中退。
著作 研究ノート『日本神話の源流──扶余・朝鮮・日本』(1984年 大阪紀伊国屋書店)
『日本民族の総氏神──兵主』(2004年 新風舎)
『神につかえた女性たち』(2005年 碧天舎)
『秦氏と新羅王伝説』(2010年 彩流社)
目 次
はじめに
第一編 大物主神の妻−倭迹迹日百襲姫
一、箸墓は卑弥呼の墓か
二、大物主神の妻
三、大物主神と解慕漱は同一神
第二編 天照大神の御杖−豊鍬入姫・倭姫
一、天照大神の伊勢遷祭
二、豊鍬入姫の御巡幸
倭の笠縫邑
丹波の吉佐宮
磯城の厳橿本
木国の奈久佐浜宮
吉備国の名方浜宮
三、倭姫の御巡幸
倭の弥和の御室嶺上宮
大和国の宇多秋宮
大和国の宇多佐佐波多宮
伊賀国の隠の市守宮
伊賀国の穴穂宮
伊賀国の敢都美恵宮
淡海国の甲可日雲宮
淡海国の坂田宮
美濃国の伊久良河宮
尾張国の中嶋宮
伊勢国の桑名野代宮
鈴鹿国の奈具波志忍山宮
伊勢国の阿佐加乃藤方片樋宮
伊勢国の飯野高宮
伊勢国の佐佐牟江宮
伊勢国の伊蘓宮
伊勢国の滝原宮
二見の御塩浜
伊勢国の矢田宮・家田田上宮
伊勢国の奈尾之根宮
伊勢国の五十鈴の川上宮
四、夫余神と朱蒙
五、天照大神の原像は夫余神か
六、豊鍬入姫・倭姫の巡幸と柳花の漂泊
七、伊勢神宮と東夫余の大后廟
神の朝廷
心の御柱と大神の御杖
真経津鏡と布都御魂
フツノミタマと安曇磯良
八、豊受大神と兵主神
豊受大神
穴師坐兵主神社
第三編 熱田社の創祀−宮簀姫
一、宮簀姫と日本武尊
二、都牟刈の大刀
三、石上松下の宝剣出現
四、朱蒙の正体は兵主神
五、ヤマトタケルと兵主神
第四編 海の聖母−神功皇后
一、天之日矛と阿加流比売
二、住吉大神
三、神功の鎮懐石と朱蒙の卵
四、八幡神と朱蒙
五、気比大神
あとがき
横浜市在住 彩流社 サイリュウシャ (社)日本図書館協会 選定図書 平城京遷都 1300年記念出版!平城京を舞台に花開いた天平文化形成への道を、天武天皇と前野讃良皇后、橘 三千代と藤原不比等、橘 諸兄、光明皇后、聖武天皇など主要人物の人間ドラマに焦点を当てつつ探る、新歴史読み物。約60のコラム、図版、イラストで分かりやすく解説。第4章「奈良歩き」でガイドブックとひと味違った奈良歴史探訪コースを紹介。
タグ: 日本史(古代)
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