19世紀ドイツにおけるトゥルネン運動の史的考察フォルクと帝国創設

フォルクと帝国創設 19世紀ドイツにおけるトゥルネン運動の史的考察

小原 淳 著
A5判 / 272ページ / 上製
定価:3,000円 + 税
ISBN978-4-7791-1637-7 C0022
奥付の初版発行年月:2011年08月 / 書店発売日:2011年08月01日
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内容紹介

器械体操や集団体操を中心とするドイツ固有の身体文化であるトゥルネンは、単なる身体運動の実践にとどまらず、ドイツの「民族精神」を鼓舞することをも目的としていた。従って、トゥルネンの成立と発展、その変容の過程の解明は、ナポレオン支配から帝国創設に至る時期のドイツ社会の側面を映す鏡でもある。
トゥルネン運動の中心的担い手であったフォルク=大衆・民衆の実像を求め、さまざまな動向とその変容の姿から、「上/下」「内/外」の関係における国民化、帝国創設の相貌を描く労作。

版元から一言

本書の構成
 本論に入る前に、本書の構成を説明しておきたい。第一章では、運動の第一期にあたる一八一〇年代について考察する。この時期はヤーンによるトゥルネン運動の開始期であるが、彼の思想と運動の両面を分析し、トゥルネン運動がそのスタートにおいてどのような理念のもとに、いかに実践されていたのかを明らかにする。第二章では、一八四〇年代~一八六〇年代のドイツ各地のトゥルネン協会の実態を考察する。産業化の進行する時代のトゥルネン運動がどのような社会的役割を果たしたかを論じることがここでの課題となる。第三章は、トゥルネン運動の第二期である一八四〇年代を扱う。この時期のトゥルネン運動は革命運動に深くかかわることとなるが、革命期の民衆運動全般のなかでのトゥルネンの位置付けや特徴を確認し、トゥルネンがどのようにフォルクを革命へと結び付けていったのかを論じる。第四章は、一八六〇年代前半を対象とする。革命の後暫く低迷したトゥルネン運動は一八五〇年代後半から徐々に回復し、ドイツの「自由」と「統一」のための民衆運動のなかで大きな存在感を示すこととなるが、ここではとくに六〇年代前半に行われた三度の全ドイツ規模でのトゥルネン祝祭を考察の中心対象とする。第五章は、一八六〇年代後半のトゥルネン運動を対象とし、一八七一年の帝国創設に向けて次第に既成事実化していくビスマルク・プロイセン主導の「上からの統一」にトゥルネン運動がいかに反応したのか、そして一八六八年の統一組織DTの設立がどのような歴史的意味を持つのかを検討する。結論では、本書の総括を試みる。

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著者プロフィール

小原 淳(オバラ ジュン)

1975年生まれ。2006年、早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(早稲田大学・文学)。同大学文学学術院助手を経て、現在、早稲田大学文学学術院、津田塾大学等講師。
主要業績
「19世紀前半期のドイツにおける〈コルポラツィオン〉と〈アソチアツィオン〉」(井内敏夫編著『ヨーロッパ史のなかのエリート―生成・機能・限界』、太陽出版、2007年所収)、「1848/49年革命後の対抗的政治エリート」(森原隆編『ヨーロッパ・エリート支配と政治文化』、成文堂、2010年所収)、「帝国創設期におけるドイツ・トゥルネン運動―民族意識の浸透とその限界」(日本西洋史学会『西洋史学』第217号、2005年6月所収)、『ビスマルク(上)・(下)』(ジョナサン スタインバーグ著、小原淳訳、白水社、2013)等。

目次

目 次
目 次

序 章
 一 問題の所在 
  1 本書の目的 
  2「トゥルネン」とは? 
  3トゥルネン運動と「フォルク」 
 二 先行研究・史料と本書の構成 
  1 先行研究 
  2史料 
  3本書の構成 

第一章 発見されるフォルク——Fr・L・ヤーンと初期トゥルネン運動
 一 はじめに 
 二 Fr・L・ヤーンの生い立ちと思想 
  1青年期のヤーン 
  2ヤーンの思想 
 三 初期トゥルネン運動の展開 
 四 初期トゥルネン運動の終焉 
  1トゥルネン運動とブルシェンシャフト運動 
  2ヤーンの逮捕とトゥルネン禁止令 
 五 おわりに 

第二章 実践されるフォルク——トゥルネン協会の理念と実態
 一  はじめに 
 二 数量的分析 
  1協会数の推移 
  2トゥルネン協会の地域的分布 
  3協会組織と都市空間 
  4会員構成 
  5トゥルナーの社会的プロフィール 
 三 協会活動の実態 
  1通常の活動 
  2フォアトゥルナーと体育教師 
  3消防・救助活動 
  4祝祭と遠足 
 四 トゥルネンの理念とその限界 
  1トゥルナーのモラルと名誉 
  2「男らしさ」とトゥルネン 
  3平等性 
  4トゥルネン協会のなかの不平等と不調和 
  5トゥルネンの「外側」のフォルク 
 五 おわりに

第三章 分裂するフォルク——トゥルネン運動と一八四八/四九年革命
 一 はじめに 
 二 トゥルネン禁止令期のトゥルネン運動
 三 一八四〇年代のトゥルネン運動
 四 トゥルネンと政治 
  1トゥルネン運動の政治的急進化 
  2祝祭の政治化 
  3協会組織のネットワーク 
  4トゥルナーの武装化  
  5ヤーンとの訣別 
 五 統一組織の創設とトゥルネン運動の分裂 
  1第一回ハーナウ会議 
  2第二回ハーナウ会議 
  3フランクフルト九月蜂起と民主派の「暴走」 
 六 帝国憲法闘争と革命の敗北 127
  1ドレスデン蜂起とトゥルネン運動 
  2プファルツ、バーデンでの蜂起とトゥルネン運動 
  3革命の敗北 
 七 おわりに 

第四章 膨張するフォルク——一八六〇年代前半のトゥルネン運動における「自由」と「統一」
 一 はじめに 
 二 トゥルネン協会の復活 
 三 組織連合化の試み 
 四 三度の全ドイツ的祝祭 
  1コーブルク祭 
  2ベルリン祭 
  3ライプツィヒ祭 
  4公権力との関係 
  5一八六〇年代のトゥルネン運動とナショナリズム 
 五 祝祭の成果 
  1組織統一問題 
  2「非政治的路線」の採択  
  3「国民体育」の成立――トゥルネンの理論的整備 
 六 おわりに 

第五章 変容するフォルク——一八六〇年代後半のトゥルネン運動と「上からの統一」
 一  はじめに 
 二 「武装せるフォルク」の理念と実践 
  1「非政治性」をめぐる闘争 
  2トゥルネン運動とドイツ国民協会 
  3第二次シュレースヴィヒ戦争とトゥルネン運動 
 三 逆説としての統一 
  1 第四回ドイツ・トゥルネン祭の中止 
  2普墺戦争とトゥルネン運動 
  3ドイツ・トゥルナー連盟の成立 
 四 おわりに 

終 章

あとがき
図版出典
文献目録

索引

関連書

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