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弥生時代の鉄の分布を通して邪馬台国論争に迫る!
「弥生時代末期の鉄器の出土状況は、圧倒的に九州が多い。このことは比較的近年になって判明してきたことであり、邪馬台国九州説者が唱える論争の争点にもなっている。私が注目したのは、権力の象徴ともいえる軍事や農耕に使用されていた鉄器の普及が弥生時代末期に、急速に九州北部(福岡県)から中部(熊本県と大分県)に拡がったことである。そして、九州中部が北部を凌駕するほどまでになったことと、弥生時代末期から古墳時代初期にかけて鉄器生産の技術が九州北部から畿内に拡がっていったことである。畿内では弥生時代末期に鉄器生産の技術はほとんどなかったと見ても良い。一方、急速に発展した九州中部の鉄を使用した勢力は、古墳時代になると衰退の形跡がみられる。
これらのことは何を意味しているのであろうか。弥生時代末期の九州中部の鉄器の生産は狗奴(くな)国(こく)の出現を意味し、九州北部から畿内への鉄生産の移行と九州の衰退は、邪馬台国もしくは狗奴国の畿内への東遷(とうせん)を意味し、さらにはそこから全国へ権力が浸透していったことを意味しているような気がしてならない。」(「まえがき」より)
森 浩一氏(同志社大学名誉教授)推薦
「天皇の住居のあったところを宮とか都という。古事記や日本書紀には神武天皇以降の宮の場所は書いてあるのに、学界で宮の場所が認定できているのは七世紀以降、つまり飛鳥時代になってからである。にもかかわらず卑弥呼のいた邪馬臺国については、一部の考古学者の独走と無責任なマスコミの後押しもあって、奈良の纏向に決定されたような報道が流されている。そんななか菊池氏の長年の研究で、九州を重視しようとする力作ができた。九州は神話でもヤマト朝廷の故郷、それと魏志倭人伝が描くのも九州島の北部である。よい時によい本ができたことがぼくは嬉しい。」
(きくち ひでお、ペンネーム:久々知武)
1958年(昭和33年)生まれ。神奈川県出身、在住。
成蹊大学法学部政治学科卒業後、ゼネコンに就職。1990年に広告代理店に転職、現在に至る。2004年から地域活性化のプランを企画するようになり、九州の歴史や地理を研究。一般の人にもわかりやすい歴史を視点にした新しいジャンルの本を執筆。読者とともに新しい歴史文化(ブーム)をつくっていきたいと願っている。著名な考古学者、歴史研究家とも親交が深い。考古学のみならず神話や伝承にも興味を抱き、歴史の謎を多角的な視野でとらえ、歴史ジャーナリストとして問題提起と講演活動を行なう。自称、日本のインディジョーンズ。
一級土木施工管理技師
「九州の歴史と文化を楽しむ会」会長
著書『隼人族呉人説』(新風舎2006年。「九州物語」九州物語委員会2008年の歴史部門に入選作)
論文「古代キクチ一族の謎」(『渡来人研究第2号』渡来人研究会2009年に掲載)
月刊誌『歴史研究』歴研に多数執筆。
邪馬台国と狗奴国と鉄/目次
第一部 新たなる論争の幕開け
第一章 「魏志倭人伝」と邪馬台国論争
第二章 狗奴国の狗古智卑狗
第三章 魏の使者がたどった行程
第二部 弥生時代を見直す
第四章 考古学と鉄
第五章 弥生時代と鉄
第三部 狗奴国の原像
第六章 邪馬台国と狗奴国
第七章 遺跡調査報告書が語る事実
第八章 ベンガラと鉄
第九章 古代製鉄の可能性
第四部 大和王権のふるさと
第十章 狗奴国と鉄
第十一章 狗奴国と大和王権
付・弥生時代鉄器出土遺跡・七地域別一覧
タグ: 日本史(古代)
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