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知られざるドイツゴシック小説の豊穣な世界!
文学史上確固たる地位を占める英国ゴシック小説に比して、質・量ともに遜色ない作品群を生み出しながら、ほとんど顧みられることのなかったドイツゴシック小説の本格研究。24ページのカラー部分で紹介する著者の古書コレクションも収録。貴重な資料として基本図書となること間違いなし。
1963年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科ドイツ文学専攻博士課程修了。フライブルク大学に留学。文学博士。現在、早稲田大学非常勤講師。専門は、ドイツ文学、比較文学。
著書に『30日で学べるドイツ語文法』(共著、(ナツメ社)。貴重なドイツゴシック小説の古書を多数所有。
《収録目次》
序 章 ドイツのゴシック小説というジャンル
一 成立と発展
二 先行研究と問題点
三 反古典主義小説・ロマン主義小説との類比
第一章 騎士小説を含む歴史小説
一 形成とその背景
二 作家と作品
三 ドイツのゴシック小説と「歴史」
第二章 盗賊小説と狭義の恐怖小説
一 作家と作品 1
二 作家と作品 2
三 ドイツのゴシック小説と啓蒙主義
第三章 翻訳に見る英国とドイツの関係
一 翻訳作品概観
二 『オトラントの城』の場合
三 『降霊術師』の場合
第四章 秘密結社小説
一 作品の種類
二 構造と特質
三 秘密結社小説の世界像
終 章 ドイツのゴシック小説の語り
一 「新しい小説」
二 語りの技法
三 不安の文学
附論 ドイツのゴシック小説としてのE・T・A・ホフマン作品/ ドイツのゴシック小説における想像力二『世襲領』/三『磁気催眠術師』/四 ドイツのゴシック小説と宗教/五『悪魔の霊液』
図版解説
図版出典(図版頁 I — XXI)
文献一覧
書名索引
人名索引
第一章 ドイツ語圏の黄禍論に表れた「男性の危機」
1 黄禍の図
2 「情けは無用、皆殺し」――ヴィルヘルム二世の黄禍論
3 オイレンブルク事件――ドイツ宮廷の同性愛スキャンダル
4 カール・クラウスの『万里の長城』
5 混淆の不安――エーレンフェルスの黄禍論と「男性解放」論
第二章 漢詩を読むカフカ②
――『ある闘いの記録』に姿をとどめた中国詩人たち
1 「藪の中から裸の男たちが……」
2 男だけの世界
3 ハイルマンの中国文化紹介
――帝国主義批判と「詩人同盟」の図
4 李白の「江上吟」と「太った男」
5 杜甫の「渼陂行」と「祈る男」
第三章 『流刑地』のオリエンタリズム
――植民地主義批判とシオニズムのあいだで
1 流刑地論争
2 ポストコロニアルなカフカ?
3 アナーキズムと女性嫌悪――思想家ミルボー
4 ミルボーの『責苦の庭』
――オリエンタリズムと植民地主義批判
5 「男同士の絆」から「女性の抹消」へ
6 シオニズムの入口で
第四章 「こいつは途方もない偽善者だ」
――中国学者ブーバーと「中国人学者」カフカ
1 マリーエンバートの中国人
2 父の視線――『中国人学者』と『判決』
3 中国服を着た息子
4 ブーバーの「タオの教え」
――体験の伝達(不)可能性をめぐって
5 カフカのブーバー受容①「老子」対「荘子」
第五章 『万里の長城』とシオニズム①
――「分割工事」方式で築く民族共同体
1 「民族の輪舞」!
2 シオニズムの隠喩
3 カフカのブーバー受容②文化シオニズムの方向転換
――宗教性から「労働」へ
4 ブーバーの宗教思想と「バベルの塔」
5 ランダウアーの無政府主義と「分割工事」
6 農耕民と遊牧民
第六章 『万里の長城』とシオニズム②
――シオニストの「労働」像に占める「男性」の位置
1 結婚とシオニズム
2 シオニズム寓話としての『カルダ鉄道』
3 ユダヤ民族ホーム――シオニズムの「核心の問題」
4 荒野の男性同盟
5 『無産労働者団』とパレスチナ移住の夢
第七章 東方からの使者
――カフカが見たロシアとロシア革命
1 「隣の州の反乱」――ロシア革命の影
2 女人禁制のロシア
3 「現在」に生きる――革命家ゲルツェンの回想録
4 新聞読者カフカ――古いメディア、新しい価値観
5 抹消される「現在」
終章 異郷の女ミレナ
――晩年の中国物語群と異民族「通婚」問題
1 ミレナとの恋とロシア共産党礼賛(?)
2 共産党員とシオニスト
3 『拒絶』とゲルツェン回想録――「革命思想」の射程
4 『掟の問題』とラッセル論文――新しい「貴族」
5 『徴兵』に描かれた「通婚」の挫折
6 おわりに ■(社)日本図書館協会 選定図書 カフカが〈中国〉に見たものとは……
カフカがイメージした〈中国/中国人〉は、西洋で表象されてきた「ユダヤ人=東洋人」像につながっている。
カフカ文学に描かれた〈中国〉から、ユダヤ人男性としてのカフカが直面していた「民族問題」と「ジェンダー/セクシュアリティの問題」が浮かび上がってくる――
抽象的に読まれがちなカフカを、同時代の言説と照らし合わせ、「現実」との具体的な関わりで読み直す。
タグ: ドイツ文学(評論)
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