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アメリカ・マイノリティ女性文学と母性

アメリカ・マイノリティ女性文学と母性 キングストン、モリスン、シルコウ

杉山 直子 著
四六判 / 261ページ / 上製
定価: 2800 + 税
ISBN978-4-7791-1275-1 C0098
奥付の初版発行年月:2007年06月 / 書店発売日:2007年06月14日

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内容紹介

現代アメリカを代表する3人のマイノリティ女性作家……
マキシン・ホン・キングストン(中国系アメリカ人/1940年生まれ)、
トニ・モリスン(アフリカン・アメリカン/1931年生まれ)、
レズリー・マーモン・シルコウ(ネイティヴ・アメリカン/1948年生まれ)。
彼女たちは、文学のなかでは、語られても「語る」ことのなかった《母親の声》を積極的に作品に取り入れることで、混沌としたアメリカ社会で直面するマイノリティ女性の困難さを表現し、独自の豊かな世界観を創造しつづけている。
近年、高く評価されている3人の女性作家の作品を、フェミニズム批評上重要な概念《母親の言説》を用いて、新たな視点で分析。
《母性》表象研究の流れとともに、《母親の声》を積極的に作品に取り入れる彼女たちの多様性に満ちた魅力に迫る。

版元から一言

(社)日本図書館協会 選定図書

■書評……『週刊読書人』荒このみ氏(2007年8月10日)
     『月刊 クーヨン』(2007年9月号)
     『英語青年』鵜殿えりか氏(2007年10月号)
     『女性学 Vol.15 日本女性学会会誌』矢口裕子氏(2008年、新水社)
     『英文學研究』(2008年11月)佐久間みかよ氏

著者プロフィール

杉山 直子(スギヤマ ナオコ)

1984年、東京大学教養学部卒業。1989年、東京大学総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程退学。フルブライト大学院プログラムによりインディアナ大学英文学科で学び、同大学より英文学修士号および博士号(Ph.D.)を取得。現在、日本女子大学人間社会学部文化学科准教授。著訳書等に「人種をこえる娘たち—トニ・モリソンの「パッシング」小説「レシタティフ」と『パラダイス』」(『言語文化』23号、2006)「記憶と語り—民族の記憶としての古典—マキシン・ホン・キングストンの『チャイナタウン の女武者』と『トリップマスター・モンキー』」(共著、『越境・周縁・ディアスポラ—三つのアメリカ文学』南雲堂フェニックス、2005年)「チャイナタウンの孫悟空—マキシン・ホン・キングストン『トリップマスター・モンキー』に描かれた文化変容と母の語り—」(共著、『太平洋世界の文化とアメリカ 多文化主義・土着・ジェンダー』彩流社、2004年)「精神的トラウマに関するあるフェミニストの見解」(翻訳、ローラ・S・ブラウン執筆、キャシー・カルース編『トラウマ—記憶への探求』、作品社、2000)『インパーフェクト・スパイ』(翻訳、アマンダ・クロス著、三省堂、1996)などがある。

目次

はじめに〜アメリカ/マイノリティ女性/母性

■第1章 「母が語ること」〜現代アメリカの聖なる女たち
▼第1節 母親が書くこと
  「母性」と創作との危うい関係〜女性が書くことの意味
  書かれる母親・書く母親〜フェミニズム批評の中の母親
  母親の物語
  分裂した自己
▼第2節 ポストモダン・マザーフッド
  「母親」とは何か
  男も妊娠する〜サイエンス(・フィクション)の悪夢
  あらたな母親モデルを求めて
  ポストモダン・マザーフッド
▼第3節 権威をもって語る母親
  母親の言説〜母なる神を求めて
  「聖なる女」〜イリガライの冒険
  新しい家族像〜「権威ある母、平和的な父、強力な女神」
  キングストン、モリスン、シルコウ

■第2章 母親の語る古典・母親の統べる世界
 〜マキシン・ホン・キングストンの『トリップマスター・モンキー』
*マキシン・ホン・キングストン(作家紹介)
▼第1節 『トリップマスター・モンキー』のフェミニズムとヒロイズム
  中国文化の古典・フェミニズム・ヒロイズム
  フランク・チンのキングストン批判
  伝統とフェミニズム
  母親の言説としての『トリップマスター・モンキー』
  中国の三大古典とフェミニズム批評
  中国古典の書き換えと引用
▼第2節 『トリップマスター・モンキー』の中の古典
  『三国志』の劉備と孫夫人の結婚
  平和主義のテクストとしての「桃園の誓い」
  『水滸伝』と平和主義
  『西遊記』のジェンダー越境エピソード
  ルビー・ロング・レッグス
  「祖母」の役割
  平和的な父
▼第3節 母親の言説としての『マルテの手記』と『西遊記』
  「母親の言説」としての『マルテの手記』
  反・家父長的テクストとしての『マルテ』
  『西遊記』の仕掛けと平和主義のヴィジョン

■第3章 聖なる女たちの顕現〜トニ・モリスンの『パラダイス』
*トニ・モリスン(作家紹介)
▼第1節 『パラダイス』の男と女
  「母親の言説」としての『パラダイス』
  「男対女の戦争」?
  ルビーの家父長制
▼第2節 黒人コミュニティの物語と、女たちの物語
  黒人のディアスポラ物語
  「不許可」のタイポロジー
  男たちのパラダイス
  「修道院」とメイヴィス
  娘たちのトラウマ
  新しく改訂された修道院長(レヴァレンド・マザー)
▼第3節 オルタナティヴな女神を求めて
  黒い女神ピエダージ
  ルビーの再生

■第4章 正しいインディアンのやりかたと「母なる大地・母なる神」
   〜レズリー・マーモン・シルコウの『死者の暦』
*レズリー・マーモン・シルコウ(作家紹介)
▼第1節 母なる大地というジェンダー表象
  「正しいインディアンはどうあるべきかなんて、あたしに説教するんじゃない」
  「父なる空、母なる大地」
  「ポップ・カルチャー・フェミニズム」と女呪術師
  先住民文化とフェミニズム
▼第2節 『死者の暦』の母親たち
  『死者の暦』
  『死者の暦』のポストモダニズム〜見るものと見られるものの政治学
  グロテスクな母性〜逸脱した母たち
  先住民の女は自然を象徴する? シルコウのセルフ・パロディ
▼第3節 アメリカの女神たち〜新たな女神を求めて
  先住民文化における象徴としての「母なる大地」
  ラグナ・プエブロの女神〜「考える女」たち
  父親と家父長制
  「ひとつの世界、多くの種族」

おわりに よりよい世界をめざして
 〜「聖なる女」とはだれか? 私たちに何の役にたつのか?

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