文学を“殺した”のは何か!? 世界の作家・批評家の言辞を通して〈文学〉の弱体化をもたらした要因を問い、文学の本質を再確認するとともに、文学言語の必要性とその復権への可能性を探る。(2006.9)
(社)日本図書館協会 選定図書
1934年生まれ。東京教育大学大学院文学研究科修士課程修了。文学博士(筑波大学)。
筑波大学名誉教授。聖学院大学大学院教授(アメリカ・ヨーロッパ文化学研究科)。
主な著書・訳書
『グレアムグリーンの文学世界』(研究社出版)
『言語空間の崇高性 ロゴスへの意志』(彩流社)
『開かれた言葉 文学空間の亀裂』(同)
『日本文学の形相 ロゴスとポイエマ』(同)
『G・K・チェスタトン』(清水書院)
『聖なるものと想像力』(彩流社、編著)
『差異と同一化 ポストコロニアル文学論』(研究社出版、編著)
『メドゥーサからムーサへ 文学世界の布置』(彩流社)
スーザン・ハンデルマン『誰がモーセを殺したか 現代文学理論に
おけるラビ的発想の出現』(法政大学出版局)
エドワード・サイード『世界・テクスト・批評家』(同)
ポール・ド・マン『ロマン主義のレトリック』(同、共訳)
フランク・カーモード『秘義の発生 物語の解釈をめぐって』(松柏社)
ノースロプ・フライ『力に満ちた言葉』(法政大学出版局)
スティーヴン・マークス『シェイクスピアと聖書』(日本キリスト教団出版局)
アーサー・シモンズ『象徴主義の文学運動』(平凡社ライブラリー)ほかがある。
目 次/文学の衰退と再生への道
序 章︱︱文学の受容の現状
文学とは
〈文学〉の弱体化
Ⅰ 〈文学〉の弱体化
人文科学の危機——イーグルトン
〈理論〉の存在論的な位相
〈世俗化現象〉と〈理論〉の隆盛
Ⅱ 欧米圏外からの発言
ポストコロニアリズムの意味するもの
文化圏の対立——言語相からのアプローチ——エドワード・サイード
Ⅲ 作品の創造に作者はどう関わるか
ペルソナの喪失——ジェイムズ・ジョイス
作品の非個性理論——エリオットとルイス
〈苦悩する人間〉と〈創造する精神〉——非個性理論への反撃——ヘイスティングズとオッジク
Ⅳ 文学言語と他の言説の差異
文学言語
〈詩〉の言語の生成とその〈様態〉——ジョン・シルキン
——「聖なるものと想像力の構造関係—ホプキンズとホイットマン」
〈小説〉言語の生成——作品を〈文学〉にする修辞——グレアム・グリーン『ブライトン・ロック』
隠喩としての文学と聖書——ノースロプ・フライ
隠喩と換喩のせめぎ合い——スーザン・ハンデルマン
語りの解釈——フランク・カーモード
主イエスよ、来たりませ——ウォルター・オング
終 章 文学復権への道………………………………………………………………………………
補 論——幾つかの作品の読みを巡って……………………………………………………………
一 シルキンの詩「息子の死」
二 ジュール・ラフォルグ「簡単な臨終」
三 フロベール『ボヴァリ夫人』
四 ウィルキー・コリンズの代表作『白衣の女』
五 フォード・マドックス・フォード『かくも悲しい話を……』(『善良なる兵士』)
六 遠藤周作『沈黙』
七 小川国夫『或る聖書』と「天の王国」
八 小川洋子『博士の愛した数式』
九 ミュリエル・スパーク『マンデルバウム・ゲイト』
用語集
関係人物資料
序 章︱︱文学の受容の現状
文学とは
〈文学〉の弱体化
Ⅰ 〈文学〉の弱体化
人文科学の危機——イーグルトン
〈理論〉の存在論的な位相
〈世俗化現象〉と〈理論〉の隆盛
Ⅱ 欧米圏外からの発言
ポストコロニアリズムの意味するもの
文化圏の対立——言語相からのアプローチ——エドワード・サイード
Ⅲ 作品の創造に作者はどう関わるか
ペルソナの喪失——ジェイムズ・ジョイス
作品の非個性理論——エリオットとルイス
〈苦悩する人間〉と〈創造する精神〉——非個性理論への反撃——ヘイスティングズとオッジク
Ⅳ 文学言語と他の言説の差異
文学言語
〈詩〉の言語の生成とその〈様態〉——ジョン・シルキン
——「聖なるものと想像力の構造関係—ホプキンズとホイットマン」
〈小説〉言語の生成——作品を〈文学〉にする修辞——グレアム・グリーン『ブライトン・ロック』
隠喩としての文学と聖書——ノースロプ・フライ
隠喩と換喩のせめぎ合い——スーザン・ハンデルマン
語りの解釈——フランク・カーモード
主イエスよ、来たりませ——ウォルター・オング
終 章 文学復権への道………………………………………………………………………………
補 論——幾つかの作品の読みを巡って……………………………………………………………
一 シルキンの詩「息子の死」
二 ジュール・ラフォルグ「簡単な臨終」
三 フロベール『ボヴァリ夫人』
四 ウィルキー・コリンズの代表作『白衣の女』
五 フォード・マドックス・フォード『かくも悲しい話を……』(『善良なる兵士』)
六 遠藤周作『沈黙』
七 小川国夫『或る聖書』と「天の王国」
八 小川洋子『博士の愛した数式』
九 ミュリエル・スパーク『マンデルバウム・ゲイト』
用語集
関係人物資料 ●〈文学〉の弱体化(作品の劣性と読者の消極的反応)に関しては、事はすべて〈人文科学〉という発想から出現したかに見える。だがこれは病状の原因の一半でしかない。むしろ問題の本質は、一般読者のみならず、文学の専門家も本格的な文学作品を読まなくなったという憂うべき情況が見られるということ。
●わが国でいわゆる〈文学部〉が廃止され、それに変わるものとして、〈人文学部〉〈人文学科〉が生まれてきた。それによって文学が再生するどころか、それは無化の方向に向かっていった。のみならずせっかくの〈人文学〉も確固たる内容をうち立てることはできず、既成の学問分野の恣意的な混交に留まり、実質的な成果は皆無と言ってよいほどである。
●今回の箇々の言説はかなり前から漠然とながらばらばらに用意されてきたものである。「文学の終焉は近づきたり」と叫ぶように言っているヒリス・ミラーの新著に出会い、またそのずっとまえに訳出したオールターの著作に刺激された。そのまえにエリオットに長く付き合い、カーモードを論じ、またサイードやハンデルマン、そしてブルームなどの代表的著作を訳出したり、フライの三部作の大著に親しみ、その一つを訳出したりしていた。それらの作業によって私の心に沈潜していたものを掘り起こして書いた。(「序章」より) (社)日本図書館協会 選定図書 文学を“殺した”のは何か!? 世界の作家・批評家の言辞を通して〈文学〉の弱体化をもたらした要因を問い、文学の本質を再確認するとともに、文学言語の必要性とその復権への可能性を探る。(2006.9)
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