『沖縄 読谷村「自治」への挑戦』が「週刊読書人10/2号」にて書評されました。

2009 年 9 月 29 日 火曜日

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第2次大戦中、3700名余の人命を失った読谷村は、今でも米軍基地が村土の47%を占めている。平和と自治の村として注目される読谷村の歴史、現状を、福祉、地域、教育の視点から詳述。地域づくりの課題と可能性を示す論集

「沖縄の中の読谷村というひとつの地域を通して沖縄をみていくという本書の試みは、高校生、高齢者、子供などの住民という観点から平和、基地、安全保障をとらえていくことの重大さを伝えると同時に、共同体の持つ閉鎖性から今度外に向かって開かれた「新たな共同体」の構築を探る今度の課題を提示している。」(週刊読書人09.10.2号【山城 紀子 評】より)

シルバーウィークは右往左往ってかっ!

2009 年 9 月 25 日 金曜日

というわけで、ふってわいたような大型連休、「シルバーウィーク」であった。

三遊亭円丈師の久しぶりの(10数年ぶり)「鈴本演芸場」でのトリ席に
出かけた。楽日の前日(9・19)で、ネタは新作の「アマゾンの朝は早い」
だった。客席は8割ぐらいの入り。円丈ファン半分、通常の寄席ファン半分

の状況である。
師は楽日のネタを古典の「居残り」と決めていたため、新作をやったようだ。
マクラではややウケの感じ。じわじわと円丈師特有のくすぐりが、客席に
浸透していったようであった。
いわゆる寄席で、新作であれだけウケれば「良し」という感じだが、妥協を
許さない求道者・円丈師は自身の「トリ日記」では、「まだまだである」
と記していたのだった。

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さて翌日(9・20)は、恒例の「第3回みちくさ市」にでかけた。

いつものように工作舎のI大兄が店を出していたのでご挨拶。
それからおもむろにあちこちの店をのぞく。
そして、この日の掘り出しモノを、ある妙齢の女性がやっていた店で見
つけたのだった。
それは、都築響一『現代美術場外乱闘』(洋泉社、2009)である。
本体価格2800円のところをたったの「1000円」で購入。大満足!

そして本書巻末に引用された《ブレット&パペット》のポスターの
《なぜアートはチープでなくてはならないか宣言》と題された
マニフェストには心底うなった。都築氏の「座右の銘」でもあるという。

とにかく多くの表現者に熟読してほしい。というわけなので再引用。

「アートは美術館や金持ちだけに許される特権とされてきた、
あまりにも長く。アートは金儲けじゃない!
銀行のものでも、おしゃれな投資家のものでもない、
アートは食べはできないけれど、アートは君を生き延びさせ、育ててくれる。
アートはチープで、だれにも手に入れられるものでなくちゃならない。
アートはどこにでもあるべきだ。
だってアートは僕らの生きる世界のうちにあるものだから。」

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すばらしい! なにも付け加えることはない。
とういうわけで、今回はこれでおしまい。♪チャンチャン♪
「冗談いっちゃいけねぇ」(←サゲのパターンのひとつ、です)

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[筆・南葵亭樂鈷]

バブル崩壊前後

2009 年 9 月 24 日 木曜日

今日はちょっと昔の話でも。

今から約18年前。19歳の私は、都内の某有名老舗書店でアルバイトを始めた。
当時はバブル景気崩壊直前で、今よりはるかに景気がよく、この書店はブランドもののスーツや傘なども扱っていたのだが、たまにバーゲンセールをすると、その数日の売り上げが数億円になることもめずらしくないという信じられない時代だった。

当然本もよく売れていた(ような気がする)。
当時まだ健在だった取次ぎ(問屋のようなもの)の鈴木書店は、店頭で平積みになっている岩波新書のヒット作が、売れ過ぎて店在庫が切れてしまうようなことがあっても、午前中に頼めばその日の午後にほぼ間違いなく営業マンが直接納品してくれたので、ヒットが出た時の売り伸ばしのスピードが凄まじかった。営業マンも毎日のように店を訪問していた。
まだアマゾンなどのネット書店もない時代なので、当然在庫が置いてあり、すぐに追加補充される書店が圧倒的に有利だった。

あとこれも信じられない話だが、当時バイト身分の私に、年2回のボーナスが支給されていたのだ。確か10万円近く出たと記憶している。
そして店の閉店は午後7時。毎週日曜日は休み。
どんなに忙しくヘトヘトになったとしても、午後7時に帰れるので、翌日に疲れを残すことはそれほど多くはなかった。平日の夜も仕事仲間と飲みに行きやすかった。最近は午後10時とか午前0時閉店の書店もめずらしくない現状だから、今の書店員に比べると、本当にめぐまれた環境だったと思う。

そして…バブル崩壊。
上場していたこの書店は、当然株価の大幅な下落をうけ、いっきに経費削減にむかう。当然最初に手をつけるのは人件費だ。
それまでは、ひとつのレジカウンターに20人近くいた社員が、徐々に減っていく。当然補充要員はほとんど入ってこない。ただ本の売り上げはそれほど落ちてはいなかった。出版業界はやはり他の業界と比べて景気後退がちょっと遅れてやってくるようで、1996年ぐらいまでは、なんとか売り上げも伸びていたらしい。よってレジに入れる人員は減るが、お客さんはそれほど減らず、ますます1人当たりの仕事の量が増えていき、接客も余裕が無くなり、お客とのトラブルも頻繁に起こるようになった。
1994年の栄六輔の「大往生」が大ヒットした時は、開店から閉店まで「大往生」を手に持ちレジに並ぶお客の列が絶えなかった(これ大袈裟でなく本当の話。いまでもはっきりと思い出せる)。

もう一日中手を休める暇もなく、声が枯れるほど働いた。声が枯れるというのは大袈裟ではなく本当の話で、当時はまだPOSレジは無く、そのお客を受けた人間が、レジを打つ人にむかって定価とジャンル名を口頭で言い、それを聞いたレジ打ち係りがその通りレジを打つというシステムだった。例えば500円の文庫本と、1500円の釣りの本と、2000円の単行本の小説を買いに来た人を受けた場合は「レジお願いします。500文庫、1500実用、2000文芸、以上3点」というように言うわけだ。あと同ジャンルで点数が多い場合は、例えば620円と520円と400円の文庫のお客さんを受けた場合は、「レジお願いします。文庫明細、620、520、400、以上3点です」という感じで、ジャンル名の後に「明細」と付け加える。
面白かったのは、日経文庫の時。文庫とシリーズ名にはついているが、本の判型は新書の大きさ、だけどこのシリーズは新書棚にはなく、ビジネス棚に並んでいるので、ビジネスの売り上げになるから、レジに言う時は、例えば620円の日経文庫の場合は「620ビジネス!」と言わなくてはならない。
わかっている人はすぐに理解できるのだが、本もあまり読まない、書店も近所の日経文庫もほとんど置いていない小さい書店にしかろくに行ったことがないバイトや新人社員の場合は、最初わけが分からなくなったりする。
というわけで、忙しい日は一日中レジ打ち係に向かってジャンル名と定価を叫び続けるのだ(小さい声ではレジ打ち係が聞こえにくく、打ち間違えたりするから、声はなるべく大きな声ではっきり出さなくてはならない)。
たまに海外出張等で出発前に本を大量に買い込むお客(40冊とか100冊とか買うお客も珍しくはなかった)の場合など、全部レジに言い終わって打ってもらった後に、合計点数や金額が間違っていたりして、また最初から打ち直しというウンザリすることもあった( 大量の点数の本の場合は、念のためレジに売ってもらう前に受けた者が一度電卓で計算し、それからレジに言って打ってもらって、最後にレジの方の合計金額と、先に電卓で計算した合計金額とが合っているかを確認していたが、それが合っていないことがたまにあった)。
たんにレジの聞き間違え、打ち間違えだけでなく、レジ係の女性と私的に揉めている最中で、嫌がらせで間違えて打たれて、やり直しという、くだらないトラブルもあった(私の経験上の実話から(笑))。

POSレジがほとんどの今から思えば、笑い話ですね。

投稿者:夜泣きの息子に毎夜手を焼く春日俊一

マーク・トウェインの投機と文学

2009 年 9 月 24 日 木曜日

「下山事件」謀略論の歴史

2009 年 9 月 24 日 木曜日

体験を語り、聞く

2009 年 9 月 18 日 金曜日

聞き書きというスタイルを知ったとき、これならやってみたい、これなら自分にもできるかなと思った。それ以来、神奈川のあちこちで野宿する人の路上インタビューを仲間と一緒にやり、できるだけその人の言葉どおりに興す作業をしている。

体験を語るときは、どうしても時系列や文脈をとばしてしまうことが多々あるので、読むほうには冗長でつらく感じることもあるだろう。
また、語られていないものは何かという点についても、それを語り手に強要する必要はないにせよ、聞く側はわかっておく必要がある。

体験を語り、聞く、ということでいまもっとも注目しているのが、「あの戦場体験を語り継ぐ集い」という集まりだ。2007年に日比谷公会堂で始まったプロジェクトで、太平洋戦争の時、アジア各地の戦場で兵士として戦い生還した人たちが体験を語る会である。
もう、いま聞かなくては、この体験談は10年後にはほとんど聞けなくなっている。実際、今年も9月17日当日、予定していた発言者の何人かが、突然具合が悪くなって入院するなどの事情で参加できなかった。そんなわけで、貴重な会なのだが、この集まりも今年で最後と聞いて本当に残念だ。

若い参加者も多く、今後の活動を担うグループとして「孫の会」というのもあるようだ。
私個人の感覚で言うと、「若い」世代にとって、これは「しなくてはいけないこと」だとか「大事なこと」だからではなく、いままで不勉強で聞きたかったのに聞かずにいたから、どうしても聞いておきたい、とにかく知りたいという気持ちに近い。
誤解を恐れずにいうと、野宿者の言葉にしろ元兵士の証言にしろ、「よくあるわかりやすい話」ではなく、「立ち入った、細かいこと」を聞きたいのだ。その気持ちを改めて確認でき、強く心に残る小田切秀雄氏の言葉があるので、最後に引用します。(出口)

「流された血のおびただしい量と、それを流させるにいたった社会の仕組みとについて、立ち入った認識と思考とを持つことなしには、悲劇の再来をふせぎとめることができない」(『新版 きけ わだつみのこえ』日本戦没学生記念会・編、岩波書店、1995年)

モンスーンの風に吹かれて

2009 年 9 月 18 日 金曜日

新刊チラシ増量ほか

2009 年 9 月 16 日 水曜日

毎月、新刊のチラシを各書店へ、郵送でご案内していますが、今回は分社して2Fで業務を行う「彩流社企画」のチラシ2枚と頭紙含め、なんと合計16枚と、多分自分が2002年に入社して依頼、初めての枚数ではないかという枚数です。よく「潰れそうになるととたんにDM枚数が増えるんだ」と書店に言われますが、今のところ単に編集の人間が増えてそうなっているだけかと思います。タイトルを挙げると「日本人の他界観の構造」(1800円)、「ロシアの歴史家 V・O・クリュチェフスキー伝」(4800円)、「オペラ「ドン・カルロ」のスペイン史」(2000円)「来るべき蜂起(仮題)」(2000円)「ベッケル詩集」(2500円) 以下多数・・・。既に回った横浜某書店(昔は、人文書中心に毎月小社本10冊強売れ、今は競合店増加のおかげか、月3冊売か5冊売のお店)では「よく、毎月、1冊しか発注できない本をバカバカ出すなあ」と口には出さないものの追い払いのためか(それでも構わないけれど)とにかく数は入れて頂け、数を入れて頂けているだけで、「営業しなくても「取次配本が少なくとも1冊はある」から、来なくてもいい」という状態からは抜け出せるため、仮初何かをやった気になります(妄想=安心)。現実は、取次配本でも、事前受注でも、なんの変化もないため、仮に取り次ぎ配本がなかったとしても、1冊が売れるか売れないか(おそらく結果後者)の問題で、しかも圧倒的に「売れない確率が高い気がする過去の記憶(売れていても記憶してなければ、売れない記憶しか残らない)=現実から遊離した現実(妄想)」が重たく、どれが売れてどれが売れなかったかを、細かく把握し営業(提案)するのは、過去の売れ行きデータを見ても、なかなか出来ないでいます。そうは言っても、データ的に日本史のお客がついているように見えるところでは「異論 壬申の乱」(2000円)「3冊」もらったり、今出ている「ハプスブルク家」のムックが動きがいいのか、一応それと連動して出す、「オペラ「ドン・カルロ」のスペイン史」(2000円)も各書店「3冊」ぐらい頂いたり、特に提案の必要もなく、書店員の方が事前に分かっておられ、受注頂くこともあり、提案(営業)はなくとも、ガキの使いでも、一応は事前が取れるので、意味がない訳ではないという気にもなります。ただやはり、一版元の営業がいたから「一書店」の「売り上げが上がった」という話には、ほど遠く、またそんなことを考えるのは、現実を否認する誇大妄想(=理想)とも思いつつ、やはりそれぐらいやらないと、書店員には相手にされないだろうと、「毎回行くたびに、BIG(六億円宝くじ?)とかの当り券?差し入れするのが筋だろう」と書店員さん思っているのでは?とまた妄想したり、「どうでもいいか」とすぐ反転したりと、どっちつかず解決策無しの無策を当然(=傲慢)として生きています。これで「委託・再販」制が、仮にかなり大きく崩れると、ますます「受注」が取れないのでは(取ったからといって売れるかわかりませんが)とかなり不安は不安です。まあ、本の売り上げで経営しようというのが間違いなので、別の新事業の経営の余力で出版し続けるのが正しいのかと、そんなこと出来もしないのに本日の見本「マーク・トウェインの投機と文学」(ユーモア作家、トウェインはあまり知られていないが「金とビジネス(出版業、投資)の人(実業家)」で、恐慌に辛酸を嘗め、人間関係がギスギス破綻し、それがそのころの「小説」にしっかり厭世的に反映されているというような内容)目を通して、若干思いました。(玉崎)

昭和の紙幣意匠図鑑

2009 年 9 月 15 日 火曜日

旧満洲国貨幣研究

2009 年 9 月 15 日 火曜日