編集部だより(No.14 2005・5)

2005 年 5 月 27 日 金曜日

鈴木邦男さんの『新右翼』の改訂増補版が4月に出ましたが、その「あとがき」に次のようなことが書かれています。「こういう本も珍しい。1988年2月に初版を出して、17年になるが、4年おき位に増補版を出している。「新右翼」運動そのものが生きて動いているからだ。本も成長し、どんどん頁も増えていく。増補の書き下し、資料、年表の追加で、今や初版の倍近いのではないか。そして、僕が書き続けている本、というだけでなく、右翼運動の「資料」になっている。…これからも、自分のライフワークとして書き続けていきたいと思う。」
忘れもしませんが、鈴木さんとの出会いは、一冊の本にあったのです。植垣康博著『兵士たちの連合赤軍』です。彼が代表を務めていた一水会の機関紙「レコンキスタ」に植垣さんの本を読んで、運動家として学ぶべきことが多いということで書評を書いたのです。その「レコンキスタ」を持参してわざわざ小社を訪ねてくれたのでした。それ以来の付き合いということになります。数年前に『兵士たち…』の新装版を出した時も大変ユニークな「解説」を書いていただきました。
先日もファックスで集会への誘いがありました。「今出てる「論座」で日教組委員長と対談しています。5年前なら考えられなかったと思います。又、別冊「歴史読本」の「皇位継承の危機」で森達也さんと対談しています。『新右翼』も書店でよく見かけます。ありがたいです。5月11日、本多劇場で大塚英志さんとトークをします。今でも「天皇制反対」を言っている大塚さん達なので、その話を聞いてみたいと思います。それに連赤についてもかなり書いているんですね。時間がありましたら、よってみてください。」

ということで、久しぶりに下北沢の本多劇場へ行って来ました。
トークショーはゲストの大塚英志さんの『読む。書く。護る。「憲法前文」のつくり方』(角川書店)の内容を、鈴木さんが聞くという形で進められました。「護憲」「改憲」という前に各自がせめて憲法の前文を個人で書いてみようという、新しい運動の提案でした。面白かったのは、いわゆるアメリカから押しつけられた憲法を断固守ることが、今やアメリカへの戦争協力を阻止する大きな力になるというパラドックスが生まれているという認識でした。天皇制は憲法で規定しない存在として位置づけるということも言っていました。
鈴木さんはしきりに感心しながら質問していました。ここが鈴木さんの良いところで、彼から学んだことは、「他者から謙虚に学ぶ」という姿勢です。
『新右翼』の話に戻りますが、17年前の刊行時のことを思い出します。初版の「あとがき」にも書かれていますが、いろんな事情があって出版が出来ず、小社にたどり着いた原稿でした。それを再び書き直してもらい刊行に漕ぎ着けたのでした。
その困難さとは何だったと思いますか?「右翼は怖い」という理由でした。テロリズムのイメージが今よりも一段と強かったのです。東販(現トーハン)、日販などの取次も怖がってほんのわずかしか書店に配本してくれませんでした。いまでこそテレビや新聞、雑誌をはじめメジャーのマスコミが鈴木さんを、何かあると登場させるようになったことを思うと、隔世の感があります。おかげさまで、少しずつ売れ続け今回の増補版で1万部を超えました。
当時、なぜ刊行したかと言いますと、「右翼」「新右翼」も区別はつかないし、「反米愛国」をスローガンにアメリカの政策に反対する右翼とは?など、よく考えてみると彼らの主張をほとんど知らなかったことに気づいたのです。知らないことをやる、というのが彩流社の創立時の考え方でもあったのです。

ここで話題を変えて、前号の続きで映画の話をちょっぴり。
『パッチギ!』の後6本の映画を見ました。中国映画『故郷の香り』、イタリア・カナダ合作『微笑みに出逢う街角』、フランス映画の『恍惚』と『ボン・ヴォヤージュ』、ウルグアイ映画『ウィスキー』、ドイツ映画の『ベルリン、ぼくらの革命』の6本です。それぞれ印象にのこる映画で、見てよかったと思いました。映画というのは一度見出すと続けて行くようになるものです。
考えてみるとその中に日本映画は一本も入っていませんが、『幸福の黄色いハンカチ』のテレビ放映をたまたま見ました。以前見たときは、武田鉄矢の演技が光っているだけで、センチメンタルな映画だなという感想しかありませんでした。ところが今回見だしたら、高倉健の演技というか、俳優としての存在感が以前受けた印象とまったく違うことに気づきました。『鉄道員(ぽっぽや)』(1999)のときの演技もなかなか良かったのですが、もっと前(1977)に撮られたこの映画でこんなに印象的な演技をしていたことに気づかなかったことを恥じ入るばかりです。年代によって見方が変わるのも映画の面白さでしょうか。

そういえば『あの子を探して』『初恋のきた道』で知られる中国のチャン・イーモウ監督の『千里走単騎』に高倉健が主演で出るとのこと。すでに中国雲南省でのロケが終わり、日本では来年公開されるとのことです。日本からは中井貴一と寺島しのぶも出演するようです。楽しみです。
最後になりましたが、小社でも映画の関連書を出しました。戦後すぐの頃、日本映画界を席巻した「母ものシリーズ」の主役だった三益愛子に焦点を当てた水口紀勢子著『映画の母性─三益愛子を巡る母親像の日米比較』です。著者は日本に初めて「ラマーズ法」という夫婦協力の出産を導入した人です。ほかに関連書として、今泉容子著の『映画の文法』などがあり、また好調な売れ行きの浅田直亮、仲村みなみ著『「懐かしドラマ」が教えてくれるシナリオの書き方』も出ています。(K.S)

日朝関係と六者協議

2005 年 5 月 26 日 木曜日

スペインフェリペ二世の生涯

2005 年 5 月 20 日 金曜日

2005 年 5 月 20 日 金曜日

現代スペインの歴史

2005 年 5 月 18 日 水曜日

初期オペラの研究

2005 年 5 月 9 日 月曜日

初稿 チャタレー卿夫人の恋人

2005 年 5 月 9 日 月曜日

JR大惨事の危険性は、この本が指摘していた!!

2005 年 5 月 2 日 月曜日

4月25日に発生した、兵庫県尼崎市のJR宝塚線(福知山線)の脱線事故、あまりの悲惨さに言葉を失います。事故の報道が進むにつれ、事故原因についてもさまざまなことが伝えられています。「JR西日本での事故」ということで、02年に出した本を思い出していました。そのなかに、大事故の発生を危惧する記述があったはずだと思ったのです。

その本とは、JR総連の委員長・小田裕司氏が書いた『反グローバリズム労働運動宣言』のことです。
この本は、「グローバリズム」の名のもとに、働く者の生きる権利を圧迫するさまざまな動向に対し異議を唱え、21世紀型の労働運動を模索しようというものです。なので、現在労働者(著者の立場上、とくにJRの労働者)が、どんな目に遭っているが詳しく描かれています。
◆テレビでもさかんに報道されていますが、50秒電車を遅らせたがために、ほとんどいじめといっていい「日勤」という「再教育」を強要され、自殺に追い込まれた尼崎電車区(JR西日本!)の運転士についても詳説されています。自殺の背景には、労働者とくに組合運動をするような労働者を、人間扱いしないJRの体質があります。
管理のもの凄さはこれだけではありません。たとえばJR東海では、運転士の控え室に監視カメラが据えられているそうなのです。
そして、オーバーランや遅延が起こった場合は、原因究明ではなく、徹底的な個人への「責任追及」=処罰が行なわれるのです。この処罰をおそれるがために、小さなミスが隠蔽され、大惨事につながった可能性がある、といっていいのではないでしょうか。
個人への必要以上な責任追及は、結局のところシステム全体の責任を覆い隠し、そこには「恐怖」による支配だけが残ります。
◆なぜ必要以上な責任追及がなされるのか。それは「そうしないと競争に勝てない」という大義名分があるからです。「グローバリズム」の名のもと、市場原理を至上のものとし、競争による効率を追求するには、そのような過酷な管理体制が必要とされる、と言い換えてもいいでしょう。だから労働者は、生身の人間ではなく、数値にすぎないのですね。
そんなところに労働の倫理がなくったって、ちっとも不思議ではありません。モラルの崩壊(「悪いことはわかっているが、仕方ない」という心性)が起こっても、当然といえるでしょう。

◆ついでなのでいっておきますが、会社は株主のものだと言っている人は、会社の現場=職場での「やるき」だとか職業倫理といったものをどのように考えているんでしょうか。「株主様のために働け」といわれて「やるき」がでると考えているのでしょうか。昨今見受けられる、常軌を逸したようなミスやモラルハザードは、そんなところに淵源しているのかもしれません。
経済学の教科書や学者が何といおうとも、働いている者にとって、その職場は自分(たち)のものです。この場合の「もの」とは「所有」を意味しませんが、自分たちの意思がいくぶんなりとも反映しうるもの、くらいの意味はあります。ほとんどの働く者は、1日の多くの部分を仕事に費やします。それを「豊か」にしよう(働いている時間を当事者にとって親和的なものにすること)という意図がない思想は、グローバリズムだろうが地域主義だろうが、全部クソだといっていいと思います。
◆いずれにしても、惨事の責任が、現場の特定の個人だけに押し付けられないように見守っていく必要があると思います。『反グローバリズム労働運動宣言』には、安全に関する取り組みについても多くを割いています。参照していただけたらと思います。

【オフサイド通信05.5.2杉山】

日米戦略思想史

2005 年 5 月 2 日 月曜日

「懐かしドラマ」が教えてくれるシナリオの書き方

2005 年 5 月 1 日 日曜日

『「懐かしドラマ」が教えてくれるシナリオの書き方』表紙\
書籍名   : オフサイド・ブックス38
「懐かしドラマ」が教えてくれるシナリオの書き方
“お気楽流”のノウハウで、8日間でシナリオが書けてしまう!
(ナツカシドラマガオシエテクレルシナリオノカキカタ)
著者名   : 浅田直亮、仲村みなみ(アサダ ナオスケ、 ナカムラ ミナミ) 著
発行日   : 2005-02-20
税込価格 : ¥1575
本体価格 : ¥1500
画像をクリックすると紹介文が読めます(注文もできます)。

★『日経エンタテインメント!』5月号・今月のおすすめ本、ほか月刊『ドラマ』4月号にも紹介
「名作ドラマをお手本にすれば8日間でシナリオが書ける? 気楽にシナリオを書いてみようと提案。名作ドラマを参考に、主人公のつくり方や話の進め方などを解説しており、シナリオライター志望者だけではなく、ドラマファンにも楽しめる内容だ」